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運命を変える者たち  作者: 紳羅 修羅
第一章 少年
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第三話 〜不愉快〜

第五節 謎の青年

真剣な表情をした青年は


「まあいい、、、

それよりもだ、つまりなにかい、その表情は、さっきの〝何悩んでるかは知らないけど、どうして自殺なんて考えたの〟に対しての表情だと言うのだね」


と不満そうな表情の太陽そらに確認するように聞いた

太陽そらがそれに〝そうだけど〟と頷くと、青年は一つため息を溢しながら


「はぁ、何も分かってないよ君は

あれかい、自分は世界で一番不幸な人間だと思ってるタイプかい」


と呆れたように答える

太陽そらがその言葉や表情に少し怒りを感じる中、また一つため息をつきながら話を進めた


「ふぅ、お門違いもいい所だよ!

僕だってこう見えて結構苦労してるし、いろんな事考えて生きてるから、とても大変なんだよ!

…いいかい

不幸なのは自分だけじゃない、世界には苦しんでいる人なんてそこら辺に沢山いるんだよ!

僕も含めてね

…それを隠してみんな生きてるんだよ

だから〝苦しいのは君だけじゃ無いんだよ〟

分かるだろ?」


そう優しく言い聞かせるように話終える青年をみて、太陽そらは不愉快に思った

それはそうだろう

青年は太陽そらのあの不運な人生を知らないのに『周りでも苦しんで生きてるのは同じだから〝だから君も頑張れ〟』と知ってるかの様にそう言い切ったのだ

だから当然、太陽そら


「そんな同情されるような、ありふれた苦しみや絶望で、僕は死のうとしたんじゃ無い!

同情するくらいなら・・・」


と不愉快な思いを込めて青年に、叫ぶようなとても苦しく細い声で溢した

太陽そらはその言葉を吐くと同時に、出てきそうになる涙を堪える

その言葉を聞きながら太陽そらを見る青年は、その姿から何かを感じ取ったのか


「・・・いや、そのすまない

君の事知らないのに、なんかお説教じみた事、、、かなり言い過ぎた」


と申し訳なさそうに頭を下げて謝った

それから、さっきよりも優しい声で続けた


「本当にごめん。でも自殺なんてそんな事は

絶対に止めたほうがいいよ

君が死ぬ事で悲しむ人がいるだろう

例えば、家族や学校の友達、親戚の人

その人達のためにも、、、

〝前を向いて、後ろを振り返らず進んでいく〟

それが大切なんじゃないかな、、、僕はそう思ってる

…人はそうやって前を向いて進む事でしか、何かを得る事はできないから

後ろばかり見ても何も先へは進まないから

〝だから君も勇気を持って…

前を見て歩いて行こうよ〟

たしかに振り返って、そこから何かを学ぶ事も大切な事だ

でも〝それが足枷になってはならない〟

僕はそう思うから〝君にも前を見て生きてほしい〟」


太陽そらはそれを聴きながらすごく〝自分の事を思っての事〟だと理解はできた

それでも太陽そらは青年の言葉が不愉快だった

なぜなら青年は太陽そらが〝過去の苦しみで今も苦しんでいる〟と勘違いし、決めつけた状態で〝また〟話をしているからだ


しかし今の太陽そらは〝現在進行形〟で絶望の中にいる

そればかりか、悲しむ家族も、仲のいい学校の友達も、優しい親戚だって太陽そらにはいない状態なのだ

だから、それを知らない青年の言葉は、太陽そらには残酷な内容に聞こえていた


ただ青年はそれでも太陽そらが前に向いて歩いていけるように〝励ます言葉〟をかけてくれている

それについては太陽そらも感じとっている様でとても嬉しいし救われたように感じる


冷静に考えれば、最初の話だって

自殺するほど一人で苦しんでいた太陽そらを見て、周りも一緒なんだと〝君は一人ではない、周りには同じく苦しむ仲間がいる〟そう言ってくれていたんだろう


しかし今が苦しくて先も見えない太陽そらにとっては、それらの言葉はやはり不愉快なものでしかないのだろう

だから太陽そらは青年に対して


「何も知らないで、、、僕に説教するな!」


と強く吐き捨てるように叫んでしまった

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