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運命を変える者たち  作者: 紳羅 修羅
第一章 少年
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第三話 〜いつもの日常〜

第四節 太陽の覚悟

山から降りるため、道なき道に足を踏み入れると〝来る時に通った道〟と同じように両側が崖となり一本の道となった

その異様な光景は少し気味悪かったが、それに関してはなるべく気にしないことにした


降りる際は意外に楽だが、両側が崖であるからか、気は抜けない

下手して転けようものなら、すぐさま横の崖から転げ落ちるだろう

だから登りよりかなり慎重に、ゆっくりと、山を降りた


山を降り終えた太陽そら


「やっと、麓まで付いた」


と溢し終えると、ゆっくり山の方へ振り返った

やはり来た時同様に、そこには開けた場所など見えない

ただ〝不気味な山〟があるだけだった


太陽そらはそれを確認し終えると家に向かって歩き始める

行きは早く着いたのだが、帰りはそこそこ時間がかかった


あとで気がついたが、どうやら山の周りだけ他の土地より低い位置にあるらしい

どうりで行きは下りで早くて、帰りは上りで遅くなるわけだ


そんな山の周りを含めた不思議な地形について、一人納得しながら家に帰った




ようやく家に着くと太陽そらは一息つく


「はぁ」


玄関でそう口から溢れるのを聞いて、思っていた以上に疲れている事に気がつく

そんな状態では特に何かする気も起きないようで、とりあえず靴を脱ぎ終えると自分の部屋に向かい持っていた荷物を降ろした


「・・・」


もう声も出ないし、物を考える気力も出ないようだ

しかしその頭の中には、あの山での光景が浮かんでいた


どちらかと言うと、まるで魅了されたかのように〝あの光景〟が頭の中から離れないらしい


〝色々ありすぎて疲れた〟と声に出して呟いたつもりだったが


「・・・」


やはり声は出ないらしい

どうやら思っている以上に、疲れているらしく〝仕方ないな〟そう心で吐き捨てるように呟くと、今は体をゆっくり休める事にした


山登りの後だから取り敢えず服だけ着替えて、布団に向かうとすぐに横になる

いつもなら目覚ましをセットして寝るのだが、疲れているせいもあってか、それを忘れぐっすりと眠ってしまった




あれからどれだけ寝ていたのだろう

辺りはすっかり暗くなっている

窓からは月の光が差し込み部屋を照らしていた


「もう夜か、、、」


寝起きにその光景を見ながら、口から吐き捨てるようにその言葉を呟く


「そろそろご飯だよな、、、」


そう言い聞かせるように口を開くと、欠伸をしながら伸びをする

目がある程度覚めると、寝ぼけて階段から落ちないように、ゆっくり一段一段降りて一階へ向かった


ちょうどその時、階段を降り切った所の物置を整理していたのか、桜咲さんが目の前に現れた

太陽そらは〝物置の整理ですか〟〝お疲れ様〟〝何か手伝う事あったら言ってくださいね〟と言った言葉をかけるつもりだったが


「・・・桜咲さん、ただいま」


最初に出た言葉はそれだった

その言葉に桜咲さんは作業していた手を止めて


「あぁ、おかえり」


と答えると、また何事もなかったかのように手を動かし始めた

太陽そらはそれを聞いてから、階段を降り終えると居間へと向かった




居間に着くと〝ふぅ〟と一息こぼして、冷蔵庫からジュースを取り出しコップに入れる

コップいっぱいに入れたジュースを一気に飲み干すと、テレビのあるソファーへと向かった


なんとなくテレビをつけたが、太陽そらはそれを右から左に聞き流すように見ていた


理由は、この時間帯はニュースなどが多いし、どこも景気のいい話が少ない無いからだ

つまり暇つぶしや、疲れを癒す事の出来る番組より

どちらかというと殺人やネット問題などを中心とした、若年層の問題について取り上げられたものばかりなのである


ただ中には最近の若者に流行っている都市伝説うわさを調べる番組などもあったが、基本的にはガセネタの多いものばかりだった

結果的に言うと、特にこれといって面白そうなものがなかったのだ


だからと言って〝これ〟といってする事もなかった太陽そらは、仕方ないからただ映像と音を〝ぼー〟と眺める事にしたのである




そうして時間を潰すように見ていたテレビに飽き始めた頃、桜咲さんが晩御飯の準備を済ませ終えていた


太陽そらはそれを見てテレビを消すと、手洗いうがいを済ませて食卓に着く

桜咲さんも太陽そらが食卓に着いた事を確認すると


「いただきます」


と挨拶をして、いつものように晩御飯を食べ始めた

そしてやっぱり食べ終わるといつものように


「ご馳走様でした」


と挨拶をして、その後は自分達で各々の皿を洗い、二人とも自由な時間に入るのだった

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