第七話 〜帰宅〜
第二節 学校での日常
眼が覚めるとあたりは夕日が差し込んでいた
「そろそろ帰らないと、、、」
と太陽が呟くと
「うん、もう遅いし気をつけて帰りなよ」
と声をかける
その時ふと太陽は〝そういえば…〟そんな疑問が頭をよぎった
いつもなら〝また明日〟と言って別れるのだが、今日はたまたま頭をよぎったその質問をしてみた
「ねぇ、今ちょっと思ったんだけど
月ってここに来るといつもいるよね
もしかしてここに住んでるの?」
その唐突にされた質問に対して少し頭を傾けながら
「いや、ちゃんと家はあるし帰っているよ」
と答える
太陽的にはその言葉を聞いて〝なんとなく安心し〟ホッと胸を撫で下ろすように息を吐いた
それを見て
「なんだ、もしかして心配してくれたの?
家がなくて、ここに住んでるんじゃないかって」
とイタズラっぽい笑顔で聞いてみる
太陽は図星をつかれたみたいで取り敢えず
「誰が月の心配してるかっての」
と言い返していた
でもその後はやっぱりいつものように
「それじゃあ、また明日」
と挨拶をして林の帰り道を走り抜けていく
そんな太陽の姿を見ながら
「うん、また明日」
と少し笑顔を浮かべながら呟いた
そんな声が聞こえないくらい林を素早く駆け抜けながら帰っていた太陽は、何となくいつもあそこで〝今日あったこと〟を話している内容を思い返していた
〝そういえば、ロクな話をしてない気がする
先生が今日風邪だったとか、友達の雪が雪に説教されてたとか〟
そんなことを思い返しているとその道の終わりが見えてきた
そこを抜けると一気に古びた通学路に出る
「さてと、戻ってきたし今日も帰るか
結構いい時間になったしな」
そう呟くと太陽は家に向けて歩き始めた
家に着くと桜咲さんが晩御飯の用意を済ませていた
家の奥にある居間から美味しそうな匂いが漂ってくる
「ただいま」
いつものように太陽がそう言って家に入ると、桜咲さんもそれに対して
「お帰り」
とだけ返す
手洗いやうがいを済ませて食卓に着くと、ちょうど出来上がった晩御飯を桜咲さんが並べ終えた所だった
そのご飯を目の前に二人で揃って
「いただきます」
と挨拶をして晩御飯を食べ始めた
食べ終わるといつものように
「ご馳走様でした」
と挨拶をして後は皿を洗って、二人とも自由な時間を過ごすのが日課となっていた
太陽は先にお風呂や寝る支度を済ませて、学校で出た宿題を済ませる
それが終わったらやる事がないし取り敢えず、遊びなどを見つけて夜の二十一時前には片付けをして、寝る準備を始めていた
布団に入る頃には十一時を過ぎた頃で自然と眠たくなるようだ
太陽は〝人の身体は不思議だ、習慣になると時間が来ただけで眠くなるからなぁ〟とどうでもいい事を思いながら知らない間に眠りについた
こうして太陽の長い日常の一日は終わる
ただこうして考えてみると本当に、辛い事も楽しい事もあるから、太陽の人生はそんなに不幸とは言えないのかもしれない
それでもやっぱり残酷な人生なのだろう
太陽は『ただ欲を言うならなるべく〝いじり〟が無くなりますように』と願うのだった




