第81話 エルフとの出会い
今回から新章スタートです!
零夜達がFブロック基地を壊滅させてから数日後、彼等の快進撃は止まらずにいた。多くのSランククエストをクリアしまくり、数々の難敵を打ち倒している。現在はEブロック基地までも余裕で攻め込んでいて、多くの敵を全て倒しているのだ。
「怯むな! 進め進め!」
Eブロック隊長のフラグルドは、部下であるモンスター達に向けて命令を下す。緑の短髪の男性で、ダークエルフである。彼もタマズサによってスカウトされていて、実力でFブロック隊長へと昇格したのだ。しかし現在は零夜達に押されていて大ピンチとなっているが。
「そんなモンスターを多勢出しても、この私を倒せると思ったら大間違いよ! フレイムブレス!」
マツリは口から炎を吐き出し、多くのゴブリン達を次々と燃やし尽くす。ゴブリン達は炎に耐えきれずに金貨となってしまい、次々と地面に落ちていく。
「凍りつきなさい! アイスエデン!」
エヴァは地面から氷の山を召喚し、ゾンビ達をあっという間に氷漬けしてしまう。彼等もやられて金貨となり、次第にモンスターの数は減っていく。
「光翼波動弾!」
「ボルトマシンガン!」
「スラッシュウェーブ!」
アイリンの光の波動弾、日和の持つマシンガンキャノンによる雷の連続射撃、倫子はロングソードと盾を構えながら波動斬撃を飛ばしていく。インプ達は次々と攻撃を受けて倒れてしまい、彼等まで金貨となってしまった。
「とうとう残るはお前だけだな、フラグルド!」
零夜は村雨の先をフラグルドに向けていて、真剣な表情をしながら睨みつけていく。モンスター達は全て全滅。こうなると降伏するしかないだろう。
「くそっ! Eブロック隊長の名にかけて、ここで負ける理由にはいかない! タマズサ様の為にも、諦める理由には……!」
フラグルドは自身がピンチの状況でも、最後まで諦めずに立ち向かおうとする。自身を拾ってくれたタマズサの為にも、ここで諦める理由にはいかないのだ。
「あいつ、まだ抵抗する気よ! こうなると早めに倒さないと!」
「それならとどめを刺さないとな!」
零夜は村雨を構えながら、フラグルドにとどめを刺そうと動き出す。するとフラグルドの身体から竜巻が発生し、そのまま零夜達に襲い掛かってきた。
「どうだ! これぞ人間竜巻! まとめて倒してくれる!」
「厄介な技を使ったのか! 全員フラグルドから逃げろ!」
零夜の合図で全員が逃げ出すが、竜巻はスピードを上げて襲い掛かってくる。すると倫子が床に躓いてしまい、前のめりにコケてしまった。
「キャッ!」
「倫子さん!」
零夜が前のめりに倒れた倫子を助けようと、スピードを上げて動き出したその時だった。
「アローショット!」
「がはっ!」
「「「!?」」」
なんと何処からか弓矢が飛んできて、竜巻の中に入り込む。その中心にいるフラグルドの額に直撃してしまい、竜巻は消えてしまったのだ。
「そんな馬鹿な……」
フラグルドはそのまま絶命してしまい、光の粒となって消滅する。因みに其の跡には大量の金貨が置かれていて、倫子はすぐに金貨を回収する。
「今の攻撃は……」
零夜達が攻撃のした方を見ると、そこにはエルフの女性が弓矢を構えながら姿を現した。彼女はへそ出しの青系アラビア服を着ていて、アラビアズボンも履いている。
「ごめんね。ボスは私が倒しちゃった」
「ううん。助けてくれてありがとう。それであなたは?」
「私はトワ。エルフの狩人であり、風の珠を持っているわ」
トワは自己紹介をしたと同時に、右手首にあるバングルを見せる。そのバングルには緑色の珠が埋め込まれていて、風の文字が刻まれていた。
「それは風の珠! まさかここで出会えるとは驚いたな……」
ヤツフサはトワが持つバングルに驚きを隠せず、彼女はニコッと微笑む。すると倫子が膝を押さえながら涙目となっているのが目に見えた。先程コケてしまった事で、膝を痛めたのだろう。
「いたた……。コケてしまって膝が痛い……」
「大丈夫ですか? すぐにヒーリングを……」
日和がすぐに倫子の怪我に対してヒーリングを行おうとするが、トワが倫子に近付いて彼女の怪我を確認し始める。そのまま透視でオーバーオールの中の膝を見ると、内出血程度の怪我をしている事が判明された。
「これならヒーリングをしなくても大丈夫よ。塗り薬を塗ってあげるわ」
トワはバングルからアイテムを取り出し、特殊な塗り薬を取り出す。そのまま倫子のオーバーオールの裾を捲り、彼女の膝に塗り薬を塗っていく。すると倫子の内出血はみるみる小さくなっていき、あっという間に無くなってしまったのだ。
「凄い! 治っちゃった!」
「塗り薬一発で治るなんて……」
予想外の治癒の速さに倫子だけでなく、零夜達も驚きを隠せずにいた。まさか塗り薬であっという間に治るのは想定外だっただろう。
「こう見えても私は医者として活動しているの。怪我や病気は私に任せて」
トワは倫子達に対してウインクした後、すぐに立ち上がって零夜に視線を移す。そのまま彼等に対して一礼した後、微笑みながら前を向いていく。
「八犬士達の噂は聞いているわ。私も同じ珠を持っている以上、今日から私も共に戦う。これから宜しくね」
「仲間になってくれるのか。こちらこそ宜しく頼む!」
零夜とトワはガッチリ握手を交わし、倫子達は微笑みながら見ていた。これで八犬士の7人目であるトワが仲間になり、残りはあと一人となったのだ。
(八犬士の残り人数はあと一人か。彼等のこれからが楽しみであるが、あと一人揃えば八犬士の真の力が発揮できるだろう。その時はチーム名も考えないとな)
ヤツフサはこの光景を見ながら、八犬士のこれからを心から予測する。彼等8人が集まれば怖い物無しなのは勿論だが、チーム名なども考えなくてはならないだろう。
まだまだ八犬士達への課題が山積みとなるが、彼等なら問題なく進む事ができるだろう。
「よし! Eブロック基地も討伐した。すぐにこの場から離れるぞ!」
「「「了解!」」」
ヤツフサの合図と同時に、零夜達はその場からすぐに移動する。彼等がEブロック基地から一斉に脱出した直後、基地は跡形も無く崩れてしまった。すると崩壊した基地の中から財宝と食料などが姿を現し、零夜達の前に置かれたのだ。
「さてと。財宝と食料に関してはギルドに渡して、元の持ち主に返さないとね」
エヴァは財宝と食料の入った大きな袋を、軽々と背負いながら笑顔で応える。エヴァは怪力の持ち主でありながら、馬鹿力を余裕で発揮できる事も可能なのだ。
「いつも悪いな、エヴァ。荷物を運んでくれるのはありがたいけど、苦労をかけてしまって正直すまないと思っている」
「気にしないの。趣味でやっている事だから」
零夜はエヴァに対してすまなさそうに謝罪するが、彼女は笑顔で返しながら応える。エヴァにとって荷物運びはお安い御用であり、筋トレの効果もあるので一石二鳥と考えているだろう。
「後はワイバーン達を召喚しないとね! 皆、おいで!」
倫子はバングルからレインボーワイバーン、ペガサス、ロックファルコンを召喚。零夜と倫子はペガサス、エヴァ、マツリ、トワの3人はレインボーワイバーン、アイリン、日和、ヤツフサはロックファルコンの上に乗り込んでいく。
「全員乗り込んだみたいね。それじゃ、出発!」
倫子の合図と同時に、レインボーワイバーン達は空を飛び始める。そのまま彼等はEブロック基地を後にして、自分達のギルドがあるクローバールへと向かい出したのだ。
「移動に関してはワイバーン達がいるから大丈夫みたいね。後はあなた達のいるギルドに入る予定だし、色々手続きしておかないと!」
「これからが忙しくなりそうね」
トワは笑顔でこれからの事を予測しながら意気込み、隣にいるマツリは笑顔で応える。その様子に零夜達も微笑んでいて、ヤツフサもウンウンと頷いていたのだった。
エルフのトワが仲間になり、これで残るはあと一人となりました!




