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ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜  作者: 蒼月丸
第二章 追放奴隷のシルバーウルフ
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第79話 念願のSランク

第二章も残り2話です!

 零夜達はクローバールに帰る途中、サルクルダの森で立ち止まっていた。ユウユウ達とはここでお別れとなり、それぞれの目的地へと向かおうとしているのだ。


「ユウユウ達はこれからどうするつもりだ?」

「零夜達はタマズサを倒す為に立ち向かうのなら、ウチ等は困っている人を助ける風来集団として活動する」

「何時までも零夜達ばかりに頼る理由にはいかないし、私達も自らの力で突き進まないとね」


 零夜の質問に対し、ユウユウが代表して回答する。零夜達と同様に困っている人を助けるが、何処にも所属しないフリーとして活動する方針だ。

 更にアンナが補足の説明で、自分達の力で零夜達に負けずに強くなる事を決意。彼等の戦いを見た事で、心からそう感じていたのだろう。


「そうか。その時は強くなった姿を楽しみにしているぜ」

「うん。また何処かで会おうね」

「その時は一緒に戦いましょう!」


 ユイユイとサユリの笑顔に零夜達も笑顔で応え、最後は皆で抱き合い始める。また会える日を心から信じながら、この行為をしているのだ。


「皆で抱っこすると心が穏やかになるし、温もりを感じるわね」

「また再会したら、皆でやりましょう!」


 アンナの提案に零夜達も笑顔で頷き、そのまま十分間抱き合いながら堪能していく。そして十分に堪能した後、彼等は別れたと同時にそれぞれの道へと向かい出したのだ。


 ※


 クローバールに帰還した零夜達は、そのままギルドへと向かっていく。メリアに対して任務が終わった事を報告すべく、まっすぐその場所へと向かっていた。


「あった! ギルドだ!」


 日和が指差す方を見ると、ギルドの看板が目に映っていた。間違いなく自分達のギルドであり、彼女達は迷わず中に入っていく。


「只今戻りました!」

「お帰りなさい!」


 零夜達が帰還した姿を見たメリアは、すぐに彼等の元に駆け寄る。零夜達が無事に帰ってきた事がとても嬉しく、駆け寄らずには居られなかったのだ。

 するとメリアはユウユウ達がいない事に気付く。


「ユウユウさん達は?」

「彼女達は風来集団として活動し、ルイザはペンデュラスに残りました」

「そうですか。彼女達は無事みたいで良かったです。では、今回のクエストをクリアとします!」


 零夜の説明にメリアは納得したと同時に、すぐにパソコンでのデータ入力を開始する。するとウインドウに零夜達のクエストクリアが記録され、成功の文字が映し出された。


「はい!クエストお疲れ様でした! 零夜さん達には報酬として200万ヴァル、そして零夜さん、日和さん、エヴァさん、マツリさんの4人はこのクエストクリアと同時に、Sランク昇格となります!」


 メリアからの笑顔の報告に、零夜達は喜びの表情になる。それを聞いた周囲の人々も驚きを隠せず、一斉に彼等に視線を移したのも無理はない。


「俺達が……、Sランク……!」

「ついに到達したんだ……」

「私達、やったのね!」

「ええ……。未だに信じられない気持ちでいっぱいだけど……」

「「「やったー!」」」

(よくやった。四人共)


 零夜達はSランクになれた事に感情を爆発させ、抱き合いながら喜んでいた。ついに念願のSランクに辿り着いた事がとても嬉しくなるのも無理なく、喜ばずには居られなかったのだ。

 その様子に倫子とアイリンは微笑んでいて、周囲の人達は拍手を送っている。ヤツフサはアイリンに抱かれながら、うんうんと頷いていた。


「おめでとさん、四人とも!」

「6人がSランクのパーティーなんてすげーよ!」

「私もSランク目指して頑張らないと!」


 皆が次々と零夜達を褒め称え、彼等は笑顔で応えていく。するとエヴァが零夜に近づき、彼の手を強く握り始める。それに零夜はキョトンとするが、エヴァは微笑みながら彼を見つめている。


「エヴァ?」

「零夜。私はあなたがいたからこそ、ここまで来る事ができた。あなたからくれた初めてのにぎり飯、本当に美味しかったわ」


 エヴァは零夜達と初めて出会った時の事を思い出しながら、空腹の自分に対してにぎり飯をくれた事を改めて感謝する。あの時に手渡してくれたにぎり飯の味は今でも忘れず、あれがあるからこそ、今の彼女がいるのだ。


「そしてこれは……、にぎり飯のお返しのプレゼント。零夜、あなたを一番愛しています!」


 エヴァは笑顔で零夜に好きだという事を宣言したと同時に、そのまま彼に対してキスをしてしまう。しかも唇を重ねながら……。


「「「へ!?」」」

「……」


 予想外の展開にその場にいる全員が思わず固まってしまい、倫子に関しては驚きの表情であんぐりとしてしまう。それと同時にエヴァは唇を離した後、零夜の頭をポンポンと撫でる。


「ありがとう、零夜。私はあなたの事が好きだから」

「あ、ああ……」


 エヴァが笑顔で零夜から離れた途端、アイリンが彼に近付いて右肩をポンポンと叩く。その表情は顔を真っ青にしていて、ガタガタと震えているのだ。


「零夜、あれ……」

「へ?」


 アイリンが指差す方に視線を移すと、零夜の後ろでは倫子が怒りの炎を出していた。そりゃ別の人が彼を好きになったら、こんな展開になる事を予想するのも無理ないだろう。


「うおっ!? 倫子さん!?」

「零夜の……、アホンダラ!!」


 倫子は怒りのあまり何処からか取り出した巨大ハンマーを軽々と持ち上げ、そのまま勢いよく振り回しながら零夜を打ち飛ばしてしまった。


「ぎゃあああああ!!」


 哀れ零夜はギルドの屋根を突き飛ばしながら上空へと飛んでしまい、お星様になってしまった。これに誰もがポカンとしてしまうのも無理はない。


「やり過ぎたかな?」

「あのな……」


 エヴァは苦笑いしながら頭を掻いていて、その様子にヤツフサは呆れながらため息をついてしまう。倫子に至っては嫉妬心を抱えたまま、プクーッと頬を膨らましていたのだった。



「いつつ……」


 一方、倫子に殴り飛ばされた零夜は、クローバールの通路に勢いよく不時着してしまい、背中を抑えながら起き上がっていた。幸い零夜は頑丈なので大丈夫そうだが、普通の人なら死ぬレベルなのは間違いない。


「倫子さん、いくらなんでもやり過ぎだろ……。俺もキスされた事は悪いけど……」


 零夜が自身の行動にため息をつきながら反省している中、日和が駆けつけながら姿を現した。彼が飛ばされていた事を心配していたので、自ら志願して救出の為に駆け付けてきた。


「零夜君、大丈夫?」

「なんとか……」


 零夜は日和に身体を支えられながら歩き出し、そのまま彼女と共に皆がいるギルドへと向かい出す。地面に激突したダメージが残っている分、油断は禁物だろう。


「それにしても、何故倫子さんはこんな事を……?」


 零夜が倫子の怒りの行動に疑問に感じる中、日和は寂しげな表情で彼の方に視線を移す。


「それはね……、藍原さんがあなたを本当に好きだという事なのよ」

「えっ!? 倫子さんが!?」


 日和から放たれた衝撃の説明に、零夜は驚きを隠せずにいられなかった。普段から姉弟の様な関係だと思っていたが、まさかの事実に彼は驚きを隠せないのも無理はない。


「うん。エヴァと出会う昨日、藍原さんと二人きりで話をしていたの。その時に零夜君の事で話をしたら、顔を赤くしながら照れていた事があったわ」

「じゃあ、エヴァだけでなく、倫子さんも……。気が付かなかった俺が馬鹿だったのかも知れません……」


 日和からの衝撃の事実を聞いた零夜は、自らの行いを反省しながら俯いてしまう。それを見た彼女は心配そうな表情をしながら、優しく彼の頭を撫でる。


「後で謝りに行こう。そしたら藍原さんも分かる筈だから」

「はい……」


 日和からのアドバイスに零夜は俯きながらも頷き、彼等はそのまま仲間達のいるギルドへと戻ったのだった。

次回で第二章はラスト!恋愛関係を描きます!

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