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ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜  作者: 蒼月丸
第二章 追放奴隷のシルバーウルフ
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第76話 覚醒のシルバーウルフ

ピンチから逆転に入ろうとしています!果たしてどうなるのか!?

 エヴァはゲルガーによって胸にダメージを受けてしまい、ズキズキと痛む胸の激痛を右手で押さえていた。おまけに服まで切り裂かれていたので、下手したら大変な事になっていただろう。


「まだまだ行くぞ! スラッシュウェーブ!」

「うあっ!」


 ゲルガーは強烈なクロー攻撃を、波動弾の様に次々と放ってきた。そのままエヴァに直撃してしまい、彼女はダメージを受けてボロボロになっていく。このままでは倒れるのも時間の問題だ。


「これ以上好き勝手させてたまるか! ゲルガー、覚悟しろ!」

「零夜!」


 零夜は怒りでゲルガーに立ち向かい、村雨を構えながら襲い掛かってくる。すると彼は零夜に視線を移したと同時に、強烈なクロー攻撃を放とうとしていた。


「自ら死に行くとはいい度胸だ! ブラッディクロス!」

「がはっ!」


 強烈な交差の爪攻撃が炸裂し、切り裂かれてしまった零夜は大ダメージを受けてしまう。そのまま彼は仰向けに倒れてしまい、立ち上がるのも時間が掛かりそうだ。


「うぐ……、くそ……!」

「零夜……!」


 この光景を見たエヴァは涙を流してしまい、大泣きしそうになってしまう。その瞬間……脳裏に過去の出来事が蘇ってしまったのだ。


 ※


 それはモンテルロの虐殺事件当日。エヴァは故郷が襲撃されている知らせを受けて、ルイザ達と共に駆け出していた。自分の故郷が敵襲を受けてしまうのは想定外で、少しでも被害を抑える為に懸命に走っていた。


「急ぐわよ! このままだと大変な事になるわ!」

「分かっているわ! ザギル、素早さの補助魔法を!」

「心得た! スピードアップ!」


 ザギルは味方全員に素早さの補助魔法をかけ、彼等の足は最大限に上がっていく。これ以上スピードを上げる事は不可能だが、全速力で間に合う事が出来るだろう。


「あれは……、火事が多く出ているぞ!」

「何!?」


 ハインが指差す方を全員が見ると、目的であるモンテルロで多くの火事が発生している。更に火事による煙の匂いだけでなく、血の匂いまで混じってきた。恐らく多くが殺されているという証拠だろう。


「もしかして……!」

「おい、エヴァ!」


 エヴァは嫌な予感をすぐに感じ取り、誰よりも早く急ぎながらモンテルロに到着。そこで見た物は多くの家が燃えていて、殺された同族の仲間達の遺体が転がっていた。まさに地獄絵図と言えるだろう。


「そんな……! こんな事って……!」


 エヴァは予想外の地獄絵図に涙を流してしまい、殺された仲間達の死に悲しんでいた。その中には彼女の家族である小さな弟もいたのだが、彼も殺された者の一人にしか過ぎなかった。

 するとゲルガーが彼女の目の前に姿を現し、あくどい笑みを浮かべながら姿を現す。その姿には返り血が所々に付着していて、犯人は彼である事が明らかになっているのだ。


「悪いな……。お前の仲間は全員殺しておいた。シルバーウルフの奴等が目障りだったから、始末する必要があったんだよ……」


 ゲルガーの容赦ない説明を聞いたエヴァは、怒りに震えたと同時に恨めしそうな目で睨みつける。仲間達を殺されて侮辱をされた以上、その怒りは最大限に到達しているのだ。


「よくも皆を……、うわあああああ!!」


 エヴァは涙を流しながら、最大限の怒りでゲルガーに立ち向かう。すると彼は目を光らせたと同時に、カウンター攻撃の態勢に入ろうとしていた。


「動きが遅い! クラッシュナックル!」

「がはっ……!」


 エヴァはゲルガーのパンチを右頬に喰らってしまい、ゴロゴロ地面を転がりながら倒れてしまう。立ち上がろうとしても力が出ず、時間が掛かるのも無理はないだろう。


「これが俺とお前の実力の差だ。悔しかったら強くなる事だな。ハハハハハ!」


 ゲルガーは笑いながらその場から去ってしまい、エヴァは倒れた状態で涙を流していた。仲間達を助ける事ができず、自身もその元凶に負けてしまった。その悔しさによって我慢できないのも無理はない。


「うう……。畜生……、畜生……! うわあああああ!!」


 エヴァは大きな声で泣いてしまい、その大きさは辺り一面に響き渡っていた。そしてルイザ達もようやく駆けつけ、泣いている彼女を見て俯くしか無かったのだった……


 ※


(私はあの時と同じ悲劇を繰り返さなければならないの? 大切な人を守れず、ただ死んでいくのを見つめるしかできないなんて……)


 エヴァは過去を思い浮かべた後、すぐに立ち上がろうとする零夜を見つめる。しかもその先にはゲルガーがとどめを刺そうとしていて、鉤爪を光らせている。このままでは殺されるのも時間の問題だ。


(そんなの嫌だ……、絶対に嫌だ! あんな悲劇は起こしたくない! 私はこれ以上皆を失いたくない……自らの力で……、動かなければ……、何も変わる事はできないんだ!!)


 エヴァは心の中で決意したと同時に、目を見開く。すると彼女は自ら大きな氷の塊を召喚し、ゲルガーに向かって投げ飛ばした。


「覚悟しろ……、ぐぼら!」


 ゲルガーは氷の塊に直撃してしまい、勢いよく飛ばされて壁に激突してしまう。いきなり攻撃を喰らったゲルガーが混乱する中、エヴァは零夜の元に駆け寄り、ヒーリングで彼の治療を行う。

 

「ありがとな、エヴァ。あのまま倒れていたら殺されるところだった」

「大丈夫。ここは私に任せて。もう心配は必要ないから」


 エヴァは零夜の治療を終えた後、真剣な表情をしながらゲルガーを睨みつける。攻撃を喰らった彼はすぐに立ち上がり、恨めしそうな顔でエヴァに視線を移した。


「邪魔をするとはいい度胸だな……。殺される覚悟はできているんだろうな!」

「何度だって邪魔をするわ! 私の大切な人に手を出すのなら、私は一切容赦しない! これ以上あの様な悲劇を繰り返したくないし、仲間だって全員失いたくない!」


 エヴァは強く拳を握りしめたと同時に、すぐに格闘技の態勢に入る。その心には辛い過去を乗り越えていて、どんな困難でも乗り越える覚悟を宿しているのだ。


「私はゲルガーを必ず倒す! あなたを倒して復讐を終わらせるだけでなく、皆と共に……、そして愛する人である零夜と共に……、自分自身の未来を切り開く!」


 エヴァが力強く宣言した直後、彼女の装着しているガントレットが光り輝く。エヴァの力強い決意が鼓動し、ガントレットに変化が起ころうとしているのだ。


「ガントレットが変化していくわ!」

「一体何が……」

「まさかエヴァの力によって、パワーアップしたのやろか?」


 この光景に誰もが驚きを隠せない中、エヴァのガントレットは新たな姿に変わり始める。それは氷属性の水色ガントレットであり、冷気が立ち込めている。しかもガントレットの手の甲部分には、狼の絵が刻まれているのだ。


「このガントレットはアイスウルフ! 氷の攻撃を最大限に生かすだけでなく、強烈な鉤爪を持つ最強ガントレットの一種だ!」

「アイスウルフか……。私にピッタリかもね」


 ヤツフサの説明を聞いたエヴァは、納得しながら微笑んでいた。自分自身の思いでガントレットが変化するのは想定外だったが、このガントレットなら勝てると実感している。エヴァは自分自身に対して自信をつけた後、真剣な表情をしながらゲルガーを睨みつけていく。


「ここから先はあなたの罪を裁いてもらうわ! 今まで行った非道行為……、絶対に許さないんだから!」


 エヴァはゲルガーに宣言をしたと同時に、格闘技の戦闘態勢に再び入り始める。同時に彼との戦いも、終盤に入ろうとしていたのだった。

エヴァが覚醒!次回で決着です!

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