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ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜  作者: 蒼月丸
第二章 追放奴隷のシルバーウルフ
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第71話 ライバル対決の結末

戦いの行方はどうなるのか?

 零夜と裕二の戦いは後半に入っていて、一歩も引かぬ激戦となっていた。2つの刀がぶつかり合い、火花がバチバチと飛び散っていくのだ。


「なるほど。やはり武器を変えても、一筋縄ではいかないと言う事だな」

「当たり前だ! 俺はこの程度でやられてたまるかよ!」


 零夜と裕二は間合いを取ったと同時に、真剣な表情で相手を睨み付けていく。相手が手強いのはお互い知っていて、下手に飛び出せば負けてしまう事もあり得る。だからこそ、警戒しながら行動するのが望ましいと言えるのだ。


(やはりあの東という男は少ない月日でありながら、Gブロック基地を仲間達と共に終わらせた実力を持っている。恐らくこの男はとんでもなく強いと言えるが、俺も頼まれた仕事は最後まで引き受けないとな……)


 裕二は零夜を見ながら心からそう思うが、自身の仕事をやり遂げるまで引く理由にはいかない。自ら戦う覚悟を奮い立たせたと同時に、蛍丸を構えながら勢いよく零夜に襲い掛かってきたのだ。


「最初から攻めに行かせてもらう! 波動煉獄斬(はどうれんごくざん)!」

「しまっ……、うわっ!」


 裕二は蛍丸を振り下ろし、煉獄の炎による波動斬撃を繰り出した。それに零夜は回避する事ができず、斬撃を喰らって大ダメージを受けてしまったのだ。零夜は床を転がりながら倒れてしまうが、すぐに立ち上がって真剣な表情で戦闘態勢に入る。ここで倒れてしまっては倫子達も悲しむだけでなく、目的を達成できなかった事を後悔しているだろう。


「なるほど。この技を喰らっても倒れないとは驚いたな……。なら、連続で攻めるのみだ!覚悟しろ!」


 裕二が目を見開いた直後に風の竜巻が姿を現し、蛍丸の刀身に直撃して力を与え始めていく。すると刀身に竜巻の絵が描かれ、風のオーラまで放たれていた。これで蛍丸は風属性の効果を得る事ができ、裕二はそれを力強く構えていく。


「この攻撃を喰らってもらおうか! 風神波動斬(ふうじんはどうざん)!」

「あらよっと!」


 裕二は蛍丸を横一閃に振り払い、強烈な風の波動斬撃を放っていく。しかし零夜は高く跳躍したと同時に、見事回避する事に成功したのだ。

 波動は再び壁に激突し、大爆発を起こしていく。しかも今の爆発で壁の一部が崩れてしまい、焦げ目の跡までついてしまった。サイバーガンの時よりも威力はとても高く、下手したら死んでいた可能性もあり得るのだ。


「危なかった……。しかし、あの攻撃を喰らったらどうなっていたか……。けど、今は落ち着いて行動しておかないと!」


 零夜は冷や汗を流しながらも攻撃を仕掛けようとするが、裕二が蛍丸を構えながら攻め込んできた。零夜がビビッていたチャンスである以上、攻めて攻めて攻めまくると判断したのだろう。


「覚悟しろ、東!」

「チッ、攻めてくるとはな!」


 裕二が勢いよく突進を仕掛けるが、零夜は回避したと同時にカウンターの斬撃を彼に浴びせる。裕二は水属性の斬撃のダメージを受けてしまい、動きが鈍くなってしまったのだ。

 村雨の斬撃は水属性だが、殺傷能力がとても高い。味方には恵みの雨で体力回復をさせる事ができ、敵の場合は一振りの斬撃で大ダメージを与える事が可能なのだ。


「くっ……、まさかカウンターの斬撃を繰り出してくれるとは……。やってくれるな……」


 裕二は斬り裂かれてしまった部分を抑えながらも、ギロリとした目で零夜を睨みつけていく。ここで立ち止まってしまえば任務は失敗するだけでなく、八犬士達の勢いを高めてしまう恐れもあるのだ。


「裕二、カウンターの斬撃を受けてもまだやる気なのか?」

「当たり前だ! 俺はここで倒れない男! 依頼された任務は必ず果たすのみだ!」


 裕二は右手に炎を召喚し、蛍丸の刀身に当て始める。すると蛍丸の刀身に炎の絵が刻まれ、色も赤く染まり始めていく。蛍丸は属性を変えていき、風から炎へと変化したのだ。


「今度は炎か……! だが、それが逆効果だという事を知らないのか?」

「どういう事だ?」


 零夜はニヤリと笑いながら今の行動を指摘し、それに裕二はピクリと反応してしまう。すると零夜が勢いよくスピードを上げて飛び出し、裕二に対して強烈な斬撃を繰り出そうとしていく。それに裕二が蛍丸を構えながら、攻撃をガードしたのだ。


「どうだ! この程度なら問題ない……、な!?」


 裕二が余裕の笑みを浮かべたその時、彼の持っている蛍丸に突然罅が入り始める。恐らく高熱に帯びた刀身に対し、水の斬撃が当たってしまった事が原因だろう。


「熱は水に弱い。今の斬撃が当たってしまった事で、蛍丸は弱体化してしまった。風属性から炎属性に変えてしまった事が失策だったみたいだな!」

「くっ……! 村雨の属性を忘れていたとは……。不覚だったか……!」


 零夜からの真剣な指摘に対し、裕二は何も言えなくなる。あの時炎ではなく別の物質を召喚していれば、この様な結末にはならなかっただろう。今更気付いても後の祭りだ。


「さて、覚悟はできているか? ここから先は……、俺のターンだ!」


 零夜は素早く駆け出し、強烈な斬撃を放とうとする。同時に村雨の刀身に水のオーラが強くなり、激流の様に激しさを増している。つまり村雨の現在の威力は、最大限の攻撃力を誇っているのだ。


「そこだ! 水龍覇王斬(すいりゅうはおうざん)!」

「ぐほっ!」


 強烈な水属性の斬撃が裕二に炸裂し、蛍丸ごと彼に大ダメージを与える事に成功。すると蛍丸の刀身の罅が広がってしまい、そのままポッキリと折れてしまった。これで蛍丸は使い物にならず、修理しなければ使う事ができない状態となったのだ。


「バカな……! 俺の蛍丸が……、折れてしまうとは……!」


 裕二は蛍丸が折れた事に驚きを隠せず、すぐに粒子化させて自身のバングルの中に戻し始める。それを見た零夜も同様に、村雨を自身のバングルへ収めていく。同時に格闘技の構えの態勢に入り、真剣な表情で裕二を睨みつけていく。


「おい、裕二。ここからは格闘技で勝負だ。お前はプロレスというのを知っているか?」

「プロレス……。聞いた事はあるが、そういうのは習っていないからな。だから……、俺なりの格闘術であるオールファイトで行かせてもらう!」


 零夜の質問に裕二はそう返答したと同時に、自らも格闘技の構えの態勢に入る。彼はプロレスではなく、自らの格闘術「オールファイト」で攻めていこうとしているみたいだ。

 かつて裕二はこの世界に来る前、道中様々な場所で多くの格闘術を取得していた。自衛隊格闘術、システマ、レドリット、MCMAPなどの軍隊格闘術を取得しているだけでなく、マーシャルアーツ、ムエタイ、ボクシング、少林寺拳法、散打なども取得している。それ等をまとめて融合された独自の格闘術こそ、「オールファイト」と言われているのだ。


「良いぜ。オールファイトは初めて聞くが、異種格闘対決も面白いかもな!」

「お前がその気なら、俺は容赦なく倒しに行く。後悔はするなよ?」


 零夜は裕二からの忠告を頷きながら承諾し、今から行おうとする異種格闘対決に興味を示していく。この様な戦いをするのは初めてだが、内心ではとてもワクワクしているのだ。

 かつてのプロレスでは様々な格闘技との異種格闘対決が行われていたので、多くのレスラー達がこの戦いに挑んでいた。零夜もその様な戦いを経験したいと心から思っていたが、今いる目の前が現実である以上は夢が叶ったと言えるだろう。


「では、行くぞ! お前を必ず始末してくれる!」

「ああ! ここから先は……、本気で行かせてもらう! 行くぞ!」


 両者は間合いを取ったと同時に、お互い飛び出そうと距離を取り始める。そのまま壁ギリギリのところまで移動していき、駆け出しながら飛び出そうとしたその時だった。



「そこまでだよ~」

「「!?」」



 なんと突然声が聞こえ始め、2人は思わず動きを止めながら声のした方に視線を移す。その視線の先には小学6年生ぐらいの女の子が宙に浮かんでいて、ゆっくりと降り立ってきたのだ。衣装は白いTシャツにデニムのハーフパンツ、髪型は黒いミディアムヘアとなっているのだ。


「まさかお前がここに来るとはな……、パルル!」


 裕二はパルルに対して真剣な表情で睨み付けていて、彼女は笑顔で応えていたのだった。

謎の少女であるパルルが乱入。果たしてどうなるのか?

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