表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜  作者: 蒼月丸
第二章 追放奴隷のシルバーウルフ
71/167

第70話 零夜VS裕二

戦いは更なる展開に入ります!

 零夜と裕二の戦いは、序盤から激しい攻防となっていた。ナイフと忍者刀がぶつかり合うと同時に、激しい火花を散らしていく。経験の差は裕二の方が上手だが、最後まで突き進む覚悟は零夜が上手。何処で均衡が破れるのかに注目だ。


(流石は傭兵……、実力はあると言えるな……。その依頼主はとんでもない奴かも知れないが、俺としては何か裏がある……。何れにしても、倒さなくてはならないかもな!)


 零夜は心の中でこれからの予測を確信したと同時に、裕二の攻撃を回避しながらバックステップを取る。更にダッシュで駆け出したと同時に、回転しながら斬撃を繰り出そうとしていく。


旋風回転斬(せんぷうかいてんざん)!」


 強烈な回転斬撃が敵に炸裂するが、裕二はダガーでガードする。しかし強烈な攻撃を前にダガーに罅が入り始め、完全に折れてしまったのだ。


「ダガーが破壊されるとは……、どうやら只者ではない事は確かだな」


 裕二はダガーが折れたのを確認して、零夜に視線を移していく。経験の差に関してはこちらが有利と言えるが、零夜の実力は互角の展開となっている。自身のダガーが折れたのが何よりの証拠であり、これに関しては認めざるを得ないと言うべきだろう。


「だが、俺を甘く見るとどうなるのか……。その目に焼き付けて置く必要があるかもな!」


 裕二は手元に銃を召喚し、零夜に対して狙いを定める。彼の持つ銃はハンドガンタイプだが、高速でオールリロードできる魔法銃となっているのだ。


「魔法銃か。それで俺を倒そうとしているみたいだな」

「そうだ。この銃はサイバーガン! 強烈な威力を誇る魔法銃である以上、お前に勝ち目はない!」


 裕二はサイバーガンから魔法弾を発砲し、零夜はサイドステップで回避する。魔法弾は壁に当たって爆発を起こしてしまうが、其の跡は残っていなかった。

 今の魔法弾は高威力を誇っているが、壁の防御力が高いので跡すら残っていない。まさに鉄壁と言っても良いぐらいだ。


「凄い威力だったが、要塞の仕組みも見事としか言えないな……。しかし、受けていたらどうなっていたか……」


 零夜は爆発の起きた場所を見ながら、思わず冷や汗を流してしまう。今の攻撃を喰らってしまったら、大ダメージを受けてしまうのは確実と言えるだろう。


「外したか……。だが、今度は外さない! 覚悟!」

「おわっ!」


 裕二はサイバーガンから次々と魔法弾を発砲し、零夜は移動しながら回避していく。攻撃を仕掛けようとしても次々と発砲してくる為、上手く近付けないのが現状となっているのだ。


「くそっ! ここで諦めてたまるか! そらよ!」


 零夜はすぐに忍者刀をバングルの中に収めた後、手元に手裏剣を召喚する。そのまま裕二に向けて投げまくり、彼の右の太腿に直撃する事に成功した。


「ぐおっ! 苦無を投げてくるとは!」


 裕二は苦無攻撃を喰らってしまい、思わず発砲を止めてしまう。彼の太腿には苦無が刺さっていて、そこから血が流れているのだ。

 零夜の苦無は高威力の物もあるが、今回は普通の威力を持つ苦無を投げてきた。一つでも苦無が身体に当たれば、血が出るだけでなく動きまで鈍くなってしまうだろう。


「俺は忍者だからな。苦無、手裏剣、火薬玉など何でもござれだ!」


 零夜は追い討ちをかける様に、手裏剣を次々と投げ飛ばす。手裏剣は裕二の身体に次々と当たり、ダメージはますます蓄積していくのだ。


(こいつ……、やはりそう簡単には甘くいかないか。実力に関しては互角と言えるだろう……)


 裕二は冷や汗を流しながらも、心から零夜の事を認めていた。彼は武器の切り替えや作戦の組み立てなど、ある程度の事は理解している。更に実力でも自身を相手にしながらも、互角どころか有利な展開を繰り広げようとしているのだ。


(だが、俺がここで負ければ……、そんなのは御免だ! もう、あの時の頃には戻りたくない!)


 裕二は心の中で負けたくない思いが強くなったと同時に、自分の身体に刺さった手裏剣と苦無を次々と引き抜く。更に持ち前の根性で止血し始め、あっという間に血は流れなくなってしまったのだ。


「自ら止血しただと!? どれぐらいの根性があるんだ!?」


 予想外の展開に零夜は驚きを隠せず、裕二の思い切った行動に唖然とするしか無かった。零夜には自動回復術というスキルがあるが、この様な行動を見るのは初めてである。


「俺には自動回復術というスキルはないが、止血スキルがあるからな。あっという間に血を止める事が可能となっている」

「なるほど……。自動回復術には劣るが、凄いスキルみたいだな……」


 零夜は冷や汗を流しながらも、裕二のスキルの説明に納得の表情をしていた。裕二は傭兵であるので、止血方法などの応急処置は既に取得している。それによって止血スキルを取得できるのも容易い事であるのだ。


「さて、お前が様々な武器を使えるのであれば……、俺はこれを使わせてもらう!」


 裕二はサイバーガンをバングルに収めたと同時に、手元に刀を召喚する。刀身は銀色で、柄は青く染まっている。

 見た目からすれば普通の刀に見えるが、刀身から赤いオーラが溢れ出ている。ただの刀ではないのは確かと言えるだろう。


「その刀は?」

「蛍丸だ。この世界に来た時から、手に入れる事が出来たのさ」


 裕二は蛍丸の柄を強く握りながら、零夜を睨みつけて戦闘態勢に入る。蛍丸こそ裕二の最強武器であり、この世界に来た時に手に入れた武器でもあるのだ。

 蛍丸はかつて鎌倉時代に作られたとされる日本刀である。第二次世界大戦で行方不明となっていたが、まさか裕二が持っていたとは想定外と言えるだろう。


(蛍丸については聞いた事があるが、まさか奴が持っているとはな。一筋縄ではいかなくなるのも無理はない……)


 零夜は心の中で危機感を感じ、冷や汗を流してしまう。しかし彼には忍者刀の他にも勇者の剣があるが、今はそれを完全に使える事は出来ないのだ。


(こうなったら忍者刀を使うしかないか……。そうするしか方法はあるまい!)


 零夜が忍者刀を両方の手元に召喚したその時、二本の忍者刀は新たな姿へと変化し始める。それは普通の忍者刀だが、水と冷気のオーラを放っている。それこそ伝説の武器の1つである「村雨(むらさめ)」であるのだ。


「ほう。おまえの忍者刀も村雨に変化したのか。これなら面白い戦いができそうだな」

「へ? 村雨……?」


 裕二はニヤリと笑いながら村雨に視線を移していて、零夜は気になる表情で自信が持っている忍者刀に視線を移す。それは紛れもなく本物の村雨であり、忍者刀サイズに調整されているのだ。


(まさか俺の忍者刀が村雨へと進化するとは……。いや、この武器なら互角に渡り合える事が可能かも知れないな。使うとするなら……、今しかない!)


 零夜は村雨を真剣な表情で見つめながら、心からその武器を使う事を決心する。敵は蛍丸という名刀を使うのなら、こちらも伝説の武器である村雨で対抗するのみ。そうでなければやられてしまう可能性もあるので、十分に注意しながら選択しないといけないのだ。


「なら、俺はこの武器でアンタを倒す。これ以上の戦いは御免だからな!」

「俺もだ。すぐにでも決着を着けるぞ!」


 零夜と裕二はお互い真剣な表情で睨み合い、そのまま勢いよく飛び出す。二人の戦いは後半戦に入ろうとしている。しかし思わぬ結末が待ち受けている事を、この時の彼等は知らなかったのだった。

零夜の忍者刀が村雨に進化!ここからどう動くのかに注目です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ