第63話 メタルモンスターの降臨
今回はモンスター達との戦いです。
零夜達はルイザの案内でペンデュラスへと向かっているが、今のところはモンスターは出て来ない。取り敢えずは大丈夫そうだと誰もが安堵する中、ヤツフサは警戒をしながら平原の周辺を見回していた。
「今のところは異常がないが……、どうもおかしいと感じるな」
「どういう事? 何か気になる事でもあるの?」
ヤツフサが感じる疑問にエヴァは首を傾げ、倫子達も疑問に感じてしまう。するとルイザがある違和感を感じ取っていて、その理由を皆に説明し始める。
「いつもならこの辺りはモンスター達が大量にいる筈よ。なのに、モンスターが出ないという事は……恐らく何者かによってモンスターが回収されたに違いないわ」
ルイザの推測を聞いた零夜達は驚きを隠せずにいたが、モンスターがいない事に納得の表情をしていた。何者かによって回収されたのなら、モンスター達がいない理由も納得できる筈だ。
「もっとモンスター達を捕まえたかったな……。新種がいるかと思ったのに……」
倫子はモンスターが捕まえられない事をがっかりしていて、盛大なため息をついてしまう。それを見た日和は、よしよしと彼女の背中を撫でながら慰めていた。
「まあ、仮にいるとしたらインプ、ゴブリン、ツノラビ、オオツノラビ、ハーピーレディ、ウルフ、ホルスタウロス、フェアリーぐらいかな。取り敢えずは先に進みましょう」
「そうだな。こんなところで道草なんか食っている場合じゃないし」
ルイザの説明に全員が納得し、そのまま先に進み始める。するとエヴァが危機感を感じ取り、匂いを嗅ぎながら敵の気配を察していた。
「どうしたの、エヴァ?」
「敵の気配がするわ。しかもモンスターよ!」
「なら、戦うしか方法はないかもな! 戦闘態勢用意!」
エヴァの報告に零夜は真剣に納得したと同時に、一斉に武器を構えて戦闘態勢に入る。同時にモンスター達も姿を現し、一斉に襲い掛かってきた。
種類に関してはインプ、ゴブリン、ツノラビ、オオツノラビ、ホルスタウロス、フェアリーの六種類だ。
「フェアリーに関してはウチがやる! マジカルハート!」
倫子は両手でハートの形を作り、マジカルハートの光線でフェアリーに直撃する。ところがインプ達にも当たってしまい、彼等まで仲間にしてしまったのだ。そのままフェアリー達はスピリットに変化し、倫子のバングルの中に入った。
「インプまで仲間にしてしまったけど……、まっ、いっか!仲間は多い方が良いからね」
倫子は笑みを浮かべながらそれで良しと決断し、彼女はバングルからモンスター達を召喚。召喚したのはシルバーファルコン、ラビットナイト、ゴブリンナイト、リザードナイト、ビートルサムライ、スタビーランサー、ファイターオーク、ミノタウロス、ラビリン、エイミー、ベル、エメラル、ミンミンのメンバーだ。
「よし!全員掛かれー!」
「「「おう!」」」
倫子の合図と同時に、ラビリン達の猛攻か始まりを告げられる。息の合った連係攻撃が見事炸裂し、モンスター達の数は次々と減っていくのだ。
「なかなかやるわね! 私も倫子に負けられないわ! ナイフスロー!」
ルイザは倫子の行動に感心しながらも、自身も負けじとナイフを次々と投げ飛ばす。そのままナイフはモンスター達に百発百中となり、次々と倒れて金貨と素材へと変化した。
「よし! ウチ等姉妹の連携コンビ、見せてやらないと!」
「私達なら何だってできるんだから!」
ユウユウとユイユイも拳と両足に魔力を発動させ、格闘術で次々とモンスターの数を減らしていく。更にオオツノラビに対してダブルドロップキックで蹴り飛ばし、あっという間に一撃で倒す事に成功したのだ。
「なかなかやるな! 俺もこんなところで負けられないぜ!」
零夜はユウユウとユイユイの攻撃を賛同したと同時に、零夜も負けじと動き出す。そのまま立ち向かうホルスタウロスに抱き着いたと同時に、そのまま魔術を発動させる。
「隙ありだ! モンガルハント!」
「うぐ……」
零夜の身体から念波が発せられ、ホルスタウロスは一瞬苦しい表情をしてしまう。するとホルスタウロスは零夜に抱き着き、身体をスリスリと触れ合ってきたのだ。
しかし衣装も変化していて、何故か裸オーバーオールに変わっていた。この現象に関しては不明と言えるが。
「今日から宜しくお願いします、ご主人様!」
「よし! 仲間に成功!」
零夜が指を鳴らしたその時、エヴァがガブリと彼の頭に噛み付いてきた。今の光景を見て嫉妬してしまい、この様な行動に出ていたのだろう。
「ぎゃああああ!! ごめんなさーい!」
「勝手にモンスター娘を取るな〜! これ以上増えたらどう責任取るのよ〜!」
「だから悪かったって! いでーっ!!」
零夜はエヴァに噛み付かれた痛みで飛び上がってしまい、そのままドドドと走りながらモンスターの軍勢に襲い掛かる。猛ダッシュによってモンスター達は次々とやられてしまい、あっという間に素材と金貨になってしまったのだ。
「す、凄い……。こんな展開ありなの?」
「あの子、嫉妬するとこうなるからね……。本当に困った性格としか言いようがないわ……」
サユリは唖然としながらマツリに質問し、彼女は苦笑いしながら答えるしかなかった。エヴァは嫉妬によって噛み付く悪い癖があるので、それを治すのには時間が掛かるだろう。
「ん? 新たな敵が空から来るわ!」
「へ? いきなり?」
「空からって……、何あれ!?」
すると新たな敵の気配を感じたマツリは、空を見上げながら視線を移す。すると空からメカのモンスターが姿を現し、次々と地面に着地してきた。しかもウルフ、スライム、ゴブリン、インプを元にしたメカであり、ウルフに至っては体の側面にアサルトライフルが装着されているのだ。
「何なの、あのモンスター!?」
「あれはメタルモンスター! 機械系だけでなく、機械化されたモンスターもその部類に入るわ。しかもウルフに至っては、サイボーグウルフとなっているの!」
「「「ええっ!?」」」
マツリの説明にアンナ達が驚いた直後、サイボーグウルフはアサルトライフルから光弾を次々と発射してきた。更にメタルスライム達まで襲い掛かり、形勢逆転で不利になってしまったのだ。
「うわっ!」
「ひえっ! こっちに飛んできた!」
「くっ! ナイフ乱れ投げ!」
「乱れ手裏剣!」
アンナ達は素早い動きで回避しながら、メタルモンスター達に攻撃を与えていく。しかしどの攻撃も効果は今一つであり、苦戦を強いられているのも無理はない。
するとこの様子を見たサユリはある決心をしたと同時に、両手でりんごを作るポーズに入ろうとしていた。
「皆がピンチになっている以上、こうなったら最後の手段! あの技を使わないと!」
「おい! まさか……」
サユリは自らの必殺技をしようとしていて、零夜は思わず嫌な予感を感じ取ってしまう。倫子達も冷や汗を流す中、サユリは必殺技を発動したのだ。
「さゆりんご!」
サユリが呪文を唱えた直後、空から大きなりんごが降ってきたのだ。零夜達は慌てて逃げ出すが、りんごはメタルモンスター達の真上に落ちているのだ。
「こっちに落ちないという事は……」
アンナがすぐにこの状況を察した直後、りんごはメタルモンスター達を潰しながら地面に落ちたのだ。その結果、りんごの下から金貨と素材が次々と飛び出し、サユリの足元に落ちてきたのだ。
「やった! 大成功!」
(((んなアホな……)))
サユリは笑顔で喜んでいるが、この様子を見た零夜達は唖然としているのも無理なかった。まさかこんな方法でメタルモンスター達を倒すとは、思ってもいなかっただろう。
すると倫子がサユリの足元にある素材を見つけ、その一つを拾ってじーっと見始める。それは金属の塊であり、銀色に光っているのだ。
「どうしたの? 金属の塊なんか見て」
サユリが気になる表情で倫子に声をかけた途端、冷や汗を流しながら分かった表情をしていた。この素材を見た途端、新たな閃きが起きたのだろう。
「うん……。もしかするとこれ……、モンスターの進化に使えるかも……」
「「「ええっ!?」」」
倫子の衝撃発言を聞いたサユリ達は驚きを隠せず、思わず叫んでしまったのだった。
さゆりんごでまさかの結末。んなアホなですね……




