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ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜  作者: 蒼月丸
第二章 追放奴隷のシルバーウルフ
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第54話 倫子VSクルーザ

ファーストラウンドスタートです!

 零夜達とハイン達の戦いが始まりを告げられ、それぞれの一騎打ちが行われる。両チームとも互角に見えるが、その実力の差がどう出るかだ。

 まずは倫子とクルーザ。体格差ではクルーザが上だが、その実力はどうなるかによるだろう。お互い同じS級として、負ける理由にはいかないのだ。


「来るなら来い! やっ!」


 クルーザは大剣を振るいながら、剣と盾を持つ倫子に攻めていく。大剣はパワーは大きいが、その分動きが遅いのが難点。倫子は素早い動きで回避しまくると同時に、跳躍しながら大剣の上に飛び乗ったのだ。


「な!?」

「どうやらウチを甘く見たようやな……。これでも喰らえやゴラァ!」


 予想外の展開に驚きを隠せないクルーザに対し、倫子はニヤリと笑いながら彼を見つめていた。そのまま倫子は素早い動きで駆け出したと同時に、強烈な前蹴りをクルーザの顔面に放った。


「ぐほっ!」

「よし! 先手攻撃炸裂!」


 クルーザは強烈な蹴りを喰らってしまい、仰向けに倒れてしまう。そのまま倫子はジャンプしたと同時に着地するが、クルーザの股間を踏んでしまったのだ。


「ごへっ!」

「あ、ごめん」


 股間を踏み潰されたクルーザは、地面を転がりながら悶絶してしまう。そりゃ男の大事なところを踏まれたら、当然こうなるのも無理ない。

 プロレスや格闘技でも、その攻撃は反則である。ましてや股間を踏み潰されてしまえば、選手生命にも関わる事になるだろう。


「股間潰しか……、私もやろうかな?ムカつくアリウスに対して、仕返ししたいし」

「気持ちは分かるけど、それはしなくて良いからね! アンタがやると碌な事にならないから!」

「じゃあ、私も試してみようかな? 殺したい相手がいるから……」

「アンタも止めろ! 最悪な展開になるだけでなく、犠牲者を増やしたらどう責任を取るのよ!」


 エヴァとマツリも興味があってやりたそうにしているが、ルイザが慌てながら待ったをかける。彼女に股間潰しを覚えさせてしまったら、踏まれるだけではすまなくなる可能性があるのだ。


「この……、よくも俺の股間を踏み潰してくれたな……。この俺を舐めやがって!」

(そう簡単にはいかないか……。もう少し威力を強めた方が良かったのかな?)


 クルーザは自力で起き上がり、大剣を上に掲げながら振り下ろそうとする。どうやら最大奥義で倒そうとしているみたいで、倫子は跳躍しながら回避しようとしていた。


「これでも喰らえ! ソードウェーブ!」

「あいつ、最大奥義を出してきたわ! 倫子、危ない!」


 クルーザが大剣を地面に振り下ろした途端、地面から強烈な波動の波が生成される。その高さは二メートル以上だけでなく、威力も効果抜群。喰らってしまったらひとたまりもないだろう。


「だったら……、エメラル、お願い!」

「ここは私に任せて!はっ!」


 すると倫子はバングルからスピリットを放出。そのままエメラルが召喚され、彼女を持ち上げて跳躍する。その結果、攻撃は外れてしまったのだ。


「チッ! 外したか! 折角服をボロボロにして、露わになる胸を見たかったのによ……」


 クルーザは悔しそうな表情をしながら、パチンと指を鳴らした。攻撃を受けたら服が破れて、裸が見れるチャンスと感じていただろう。

 彼の呟きを聞いた倫子はピクリと反応したと同時に、強烈な魔術を唱え始めた。


「あっ、これは不味いかも……。今ので完全に怒らせたみたいね……」

「へ? どういう事?」


 この様子に日和が今後の未来を予測した直後、大きな氷の鏃が次々と召喚される。その先端はとても鋭く、殺傷能力も高めとなっている。つまり倫子は完全に怒りの状態となってしまい、グループを殺そうと動き出していたのだ。


「ウチの裸を見るなんて……、ええ度胸やな! アイスアロー!」

「そんな攻撃は問題ない! 防げば十分だ!」


 氷の鏃が次々とクルーザに襲い掛かるが、彼は大剣で攻撃を防いでいく。更に倫子は自身のバングルから、ホルスタウロスのベルを召喚。しかも彼女はクルーザの真後ろに召喚したので、そのまま攻撃を仕掛けに向かい出す。


「私がいる事を忘れないで! ドロップキック!」

「ぐほっ!」


 ベルのドロップキックはクルーザの背中に激突し、彼は勢いよく飛ばされてしまう。ホルスタウロスもミノタウロスと同じくパワーがあるので、その蹴りも強烈と言えるだろう。

 

「エメラル! 一気に攻めるよ!」

「ええ! 私達を甘く見るとどうなるのか、思い知らせないとね!」

 

 倫子はエメラルと共に地面に着地したと同時に、蹴り飛ばされているクルーザに視線を移す。そのまま彼女達は勢いよく跳躍し、強烈ハイキックをクルーザの側頭部に当てたのだ。


「がっ!」

「ナイスコンビプレーだ。倫子とモンスター娘達との絆は抜群と言えるな」

「私にとっては複雑だけどね……なんかズルいと感じているし……」


 ヤツフサは倫子達の行動を称賛するが、日和は心の中で複雑な気持ちになる。共に過ごした時間が長いのは彼女が一番上であるが、それを新参者に取られるのは複雑だと言えるだろう。

 すると倫子が日和に視線を移し、ウインクで合図をする。それに彼女も頷いたと同時に、倫子の隣に移動したのだ。


「あれやるよ、日和ちゃん!」

「はい!」


 倫子と日和は片膝立ちのクルーザに視線を移し、狙いを定めながら駆け出し始める。ジャンプと同時に二段蹴りの要領で振り上げた右足で、クルーザの顔面を蹴り抜いたのだ。


「凄い! 今のがダブル新人賞なんだ!」

「流石は天下無敵のタッグチームね! 私達も頑張らないと!」


 エメラルとベルは倫子と日和の技を称賛しているだけでなく、彼女達に対して憧れを持っている。それを聞いた日和は嬉しさによって、思わず笑みを浮かべていたのだ。

 攻撃を喰らったクルーザは、すぐに立ち上がり始める。ここでやられたらS級の恥であるだけでなく、死罪になって一生を終える事になるのだ。


「おのれ……。この俺を甘く見るなよ……。オパールハーツの戦士として……、負ける理由には……なんだ!?」

「何かあったのかな?」

「今の大きな音、モンスターが来たんじゃ……」

「こんな時に!? いくら何でも想定外すぎるわよ!」

 

 すると何処からか足音が聞こえ始め、倫子達は戦闘を止めて音のした方に視線を移す。そこには大きな狼のモンスターが姿を現していたのだ。

 しかも赤い炎の様な毛をしていて、鎧まで着けられている。


「あれはガルム! 何故こんなところに!?」


 クルーザはガルムの姿に驚いた直後、彼女は彼に向かって突進攻撃を喰らわせた。その威力は強烈であり、いくらS級でも大ダメージは確定と言えるだろう。


「がはっ!」


 ガルムに弾き飛ばされたクルーザは、そのまま失神して仰向けに倒れてしまう。すると彼女は人間の姿に変化してしまい、失神している彼の上に飛び乗ってきたのだ。

 その姿は頭に狼の耳、腰に狼の尻尾、ライトブラウンの髪をしている。さらに服装はへそ出しの肩紐付きチューブトップ、赤いロングパンツ姿である。

 

「おい! よくも私の仲間を連れ去ったな! さっさと居場所吐き出せやゴラァ!」


 女性はクルーザの首根っこを掴み、ゆっさゆっさと揺らしながら声掛けをしている。しかし彼は失神しているので、いくら聞いても無駄だと言えるだろう。

 その様子を見た倫子達はポカンとしたが、気を切り替えてすぐに質問をする。


「助かったけど……、あなたは?」 

「ああ、私はユウユウ。ガルムヒューマンや。実はこいつ等仲間を連れ去ったから、居場所を吐き出そうと思ったけど……」

「まさかあなたの仲間達も……、私と同じ被害に遭っていたの!?」


 ユウユウの自己紹介と説明にエヴァが反応し、すぐに彼女に質問する。エヴァはアリウスに奴隷としてやられていた過去があるので、黙っては居られなかったのだろう。


「うん……。彼奴等はアリウスという馬鹿に連れ去られた。私はそんな奴を……、絶対に許さへん……!」


 ユウユウは怒りに燃え上がりながら、拳を強く握りしめる。それにはアリウスに対する怒りと、仲間を守りきれなかった悔しさがこみ上げているのだ。

 それを見た倫子はユウユウに近付き、彼女をムギュッと抱き締める。その感触を感じたユウユウは怒りを落ち着かせ、そのまま倫子に抱き着いたのだ。


「大丈夫。あなたの仲間は必ず助けるから。だから……、共に戦いましょう」

「うん……。うう……」


 ユウユウは我慢できずに泣き出してしまい、倫子は優しく彼女の頭を撫で始める。この戦いはユウユウの乱入によってクルーザは倒れてしまい、倫子達の勝利に終わったのだった。

ユウユウの降臨で見事クルーザを撃破!次はセカンドラウンドです!

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