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ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜  作者: 蒼月丸
第二章 追放奴隷のシルバーウルフ
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第53話 再会からの決戦

ハイン達との再会。果たしてどうなるのか……

 零夜達はこの場に現れたハイン達を見て、真剣な表情をしながら警戒態勢に入っていた。エヴァを追放しただけでなく、ルイザを奴隷として引き渡そうとした張本人の一味である以上、警戒するのは当然であろう。


「話は聞いたが、アンタ等がS級パーティーのオパールハーツか。何故エヴァを追放しただけでなく、ルイザを奴隷として引き渡そうとしたんだ?」


 零夜は真剣な表情をしながら、ハインに対して質問をする。しかしエヴァと倫子に抱かれているので、シリアスな展開が半減しているのだ。


「決まっているだろ。まず1つ目。俺達はS級パーティーのメンバー。こんなパーティーにAランクの奴が入ったら、恥晒しだからな。役立たずはいらないんだよ」


 ハインのからかいながらの説明に対し、エヴァは零夜に抱き着きながら睨みつけている。その目には涙が浮かんでいて、悔しさがかなり表面に出ているのだ。

 それに零夜達も怒りでハイン達を睨んでいる。仲間が馬鹿にされるのを黙っては居られず、殴りかかろうとするのも時間の問題だ。


「そしてもう一つ。俺達三人はアリウス様から支援を受けている。どんな事でもするつもりだが、失敗は許されないからな」

(やはり黒幕はアリウスか……。どうやら一筋縄ではいかないみたいね)


 ハインの説明を聞いたマツリは、真剣な表情で心から考え始める。今回の件はハイン達だけでなく、アリウスまで絡んでいる。つまり彼等をまとめて倒さなければ、この問題は解決できないのだ。


「よく分かったぜ。アンタ等はアリウスに仕えるバカ共だと言う事が」

「なんだと?」


 零夜は真剣な表情で睨みつけ、それにハインはピクリと反応してしまう。バカと聞いた事に怒りを感じてしまい、頭に怒りのマークが出そうになってしまう。


「ルイザとエヴァから話を聞いてきたからな。奴は自らの快楽の為に奴隷を玩具としているし、親の権力を利用して我儘放題。俺はそんな奴には一生仕えたくない!」


 零夜の真剣で真っ直ぐな答えに、倫子達は同意しながら頷く。本当の領主なら民の為に働き、よりよい生活を充実させるのが役目である。しかし、アリウスは権力を使ってやりたい放題。こんな奴が領主になれば、ペンデュラスが滅ぶのも時間の問題だ。


「あとな。この世界では奴隷制度は廃止されているんだよ。お前等も奴に加担したとなれば、ランク剥奪どころか強制労働だろうな」


 零夜からの指摘と予測を聞いたハイン達は、冷や汗を流しながらドキッとしてしまう。痛いところを突かれただけでなく、終わりとなる未来を予測してしまった。

 この世界にあるギルド所属の者は、悪事をしたらその時点で罪を受けなければならない。主にランク剥奪、登録抹消、強制労働の刑罰を受ける事になるのが基本だ。しかし重い刑罰となれば、死刑になる事も考えられるだろう。


「くっ……、それでも俺達は使命を果たさなければならないんだよ……。失敗すれば死ぬ事は免れないからな……」


 ハインは大量の冷や汗を流しながらも、絶対にこの任務を達成しようとしている。アリウスに仕えている以上は逆らう事ができず、命令は遂行しなくてはならない。かと言って任務に失敗すれば、死刑になってしまうのは確実。それはザギルとクルーザも同じで、三人はもう後には引けないのだ。


「アンタ等が最初からアリウスに仕えなければ、こんな事にはならなかったでしょ! どうしてそんな奴に仕えたの!?」


 ルイザは左手を腰に当てながら、右手でハインを指さしながら質問してきた。それに彼は俯きながらポツリと呟く。


「……金が欲しかったんだよ」

「金?」


 ハインからの解答に零夜達が疑問に感じる中、ハインは開き直ったと同時に零夜達を睨みつける。そのまま心の底から本心を吐き出し、零夜達に向けて言いたい事を放とうとしていた。


「そうだ! 俺達はな、金が必要なんだよ! 金さえあれば何だってできるからな! だからこそ、アリウス様の命令には逆えないんだよ!」


 ハインの本性が丸分かりとなり、他の二人も同様に頷く。ここまで来ると怒りを通り越して呆れるのも無理なく、野放しにすればまた同じ被害者が出るだろう。


「なら、答えは決まった。アンタ等は俺達で倒すしか無いな!」


 零夜はエヴァと倫子から離れ、ゆっくりとハイン達に向かって歩き出す。背中から怒りのオーラが放たれていて、怒りの阿修羅が映し出される。それにハイン達はガタガタ震えてしまうのも無理ないだろう。


「お、俺達はS級だぞ! お前、自分の立場を分かっているのか!?」


 ハインはガタガタ震えながらも零夜に忠告するが、彼の耳には届いていない。最早ハイン達を倒す事しか考えておらず、真剣な表情で睨みつけているのが証拠だ。


「知らないな。ランクの差があろうとも、犯罪者を倒す事は必要な責務。だから俺は……、お前等を倒す!」


 零夜の真剣な宣言と同時に、倫子とアイリンも頷きながら前に出る。彼ばかり頼らずに自分達も戦うのは勿論だが、何より仲間を酷い目に遭わせたハイン達を許せないのだ。


「私も戦う!エヴァは恋のライバルでもあるけれど、彼女を放ってはおけない気持ちがあるからね。それに……、恋にはライバルがいた方が燃え上がるし」

「倫子……」


 倫子がエヴァに対してウインクを見せた途端、エヴァは嬉しさと同時に目に涙を浮かべる。自身の事をライバルとして認めてくれた事が、とても嬉しかったのだろう。


「私もS級として、こいつ等にキツいお仕置きをしないとね!そんな事をしてS級を名乗るのなら、全員倒して報告しておかないと!」


 アイリンはハイン達の悪行を許さず、怒りに燃えながら彼等を倒す事を決意。同じS級として恥ずかしさを感じているだけでなく、彼等に対する怒りも込められているのだ。

 これで三対三の戦いとなり、ハイン達の冷や汗の量が多くなる。相手を間違えたんじゃないのかと感じるが、後悔しても遅いだろう。


「まさかS級が他にもいたとはな。ここは一騎打ちだ!」

 

 ハインの合図と同時に、彼等はそれぞれの相手に立ち向かい始める。零夜とハイン、倫子とクルーザ、アイリンとザギルという組み合わせとなっていて、この戦いでエヴァとルイザの運命が決まろうとしているのだ。


「相手はS級のハイン達だけど、零夜はAランクでしょ? 大丈夫かしら……」


 この様子にルイザは心配な表情をしていて、返り討ちにされると予測してしまう。何故ならAランクがS級に挑むなど無謀としか思えず、倒されてしまうパターンの確率が高いからだ。

 その様子を見た日和はルイザに近付き、彼女の肩をポンと叩く。


「大丈夫。零夜君は強いんだから。私達は彼等が勝つ事を信じましょう」

「ええ……」


 日和の笑顔の励ましにルイザは頷き、零夜達の戦いに視線を移し始める。エヴァとルイザの運命を賭けた決戦が、間もなく始まりを告げようとしているのであった。

激戦スタート!ファーストラウンドは倫子の戦いです。

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