第52話 モンスター娘を捕まえろ!
今回は最後の方で衝撃の展開が!
恋のドタバタ騒動から翌日。零夜達はギルドに向かって歩いていた。因みに朝は普通に起きられたが、零夜は倫子とエヴァに挟まれて寝ていたので、興奮して眠れなかったのは当然と言えるだろう。それによって寝不足気味となっているのだ。
「ごめんね、零夜君。流石にやり過ぎたから……」
「機嫌直して……、ね?」
倫子とエヴァは苦笑いしながら零夜に謝罪し、その姿に日和達も苦笑いをしてしまう。この光景にヤツフサはため息をつき、大丈夫かと心配するのも無理ないのだ。
「全く……。お前達はこのままだとタマズサどころか、悪鬼の軍勢にやられるぞ。少しはしっかりしろ」
「そうね……。私達全員がしっかりしないと、とんでもない結末になりそうだし、気を引き締めておきましょう!」
ヤツフサの忠告にアイリンは同意し、皆に発破をかけて気合を注入し始める。それに零夜達も真剣に頷き、目の前の事に集中し始めた。
タマズサの元へ向かうには様々な困難があるが、ここで踏ん張らなければ途中で倒れてしまう。だからこそ全員が気を引き締めると同時に、彼女達を倒すと心から誓っているのだ。
「今日はペンデュラスに行く前に、クエストで肩慣らしをしないとね」
「Aランクの任務は大型モンスターの討伐も多くあるからね。その時は注意して取り組まないと!」
マツリの意見とエヴァのアドバイスに全員が頷く中、彼女達はギルドに到着する。そのまま中に入ったと同時に、真っ直ぐクエストボードがある場所に移動し始めた。そこには多くのクエストがあり、どれにするか悩みどころだ。
「良い物ある?」
「全然……、迷う物ばかりだし……」
エヴァの質問に対し、倫子はキョロキョロ見回しながらクエストを探している。しかし何処を探しても同じ物ばかりで、どれにするか悩みどころだ。
すると零夜がとあるクエストに視線を移す。それは、モンスター娘を手に入れるクエストだ。
「ふーん……。モンスター娘を探すクエストか。このクエスト、しかも賞金は高額だぞ」
「「「!?」」」
零夜がとあるクエストに興味を示しながら、賞金が高額だと呟く。それに倫子達が反応し、一斉にそのクエストに視線を移した。賞金が高額だと聞けば、黙っている理由にはいかないのだ。
「これにしようか! 賞金高額なら興味あるし!」
「そうね。けど……、零夜君がモンスター娘を手に入れようと動きそうだし、その時は止めに入らないとね……」
全員一致でこのクエストに挑戦するが、倫子は零夜をジト目で見ながら牽制する。
零夜は多くの仲間を増やして戦おうとするが、モンスター娘を彼が手に入れたら、ますます修羅場になる可能性が高い。だからこそ阻止しなければならないと、倫子は決意を固めているのだ。
(やはりそう簡単にはいかないみたいだな……。となると、ここは少し策を考える必要があるな……)
倫子のジト目を見た零夜は、真剣な表情をしながらどう対策するか考え始める。しかしハイン達と遭遇する可能性もあるので、ここは用心しながら行動する必要があるだろう。
零夜は真剣に策を練ったと同時に、全員でモンスター娘捜索のクエストを受ける事に。それが受理されたと同時に、目的地の場所へと向かい出したのだった。
※
目的地であるサンベルクの森。そこはサーリセルカの森とは違い、生物、樹の実、生えている植物さえ違う。同時に新たな発見も見つけられるので、是非とも行くべきところでもあるのだ。
「サンベルクにいる生物だけど、そこにはモンスター娘の割合が多いみたい。仲間にすると心強いわ!」
「それなら先手必勝!」
零夜はすぐに駆け出し、モンスター娘を見つける為に動き出した。すると目の前にカエルの軍勢が姿を現し、ここを通せんぼしていたのだ。
「あれはフログ! 二足歩行のカエルよ!」
「それならウチに任せて! マジカルハート!」
アイリンの説明を聞いた倫子は、すぐに両手でハートの形を作る。そのままハートの光線が十匹のフログに向けて発射され、彼等はスピリットとなって倫子のバングルの中に入ったのだ。
「なるほど。不思議な技を持っているのね」
「大型モンスターも仲間にしているけどね」
「うへー……」
倫子のマジカルハートに納得するルイザだが、彼女のさらなる説明に唖然としてしまうのも無理はない。大型や中型モンスターを仲間にするのはなかなか難しく、それができるのは僅か少数。倫子は其の内の一人でもあるのだ。
「ともかく数を減らしたし、後は私達で倒さないとね!」
「ええ! これ以上好き勝手させない為にも!」
マツリとエヴァは一斉に戦闘態勢に入り、次々とフログの軍勢に立ち向かう。更に日和、アイリン、ルイザも後に続き、フログ達は次々とやられていく。彼女達に多勢で挑んでも、話にならない結果と言えるだろう。
「これで終わりよ!」
そして最後の一匹はアイリンが倒し、フログは金貨と素材である粘液となってしまった。此等を全て回収し終えた零夜達は、目的の為に先に進み始める。
「まさかモンスターがいきなり来るとはね……けど、今のところは問題ないみたい」
「モンスター娘は何処にいるのか分からないし、用心して進まないと」
日和は周囲を見ながら確認し、ルイザは全員に対して忠告をする。今の様にモンスターが奇襲してくる可能性もあり得るので、用心しなければやられてしまう可能性もあるだろう。まさに油断大敵其の物である。
「そうだな……。他に居そうなところは……ん?」
零夜は前に視線を移した途端、目の前に倒れているモンスター娘を見つける。それは水色の髪をした青いテコンドー服の女性で、高身長のモデル体型だ。なかなかの美女の為、男共が狙うのも無理ないだろう。
しかし、その身体は傷だらけとなっていて、倒れているのもおかしくないと言える。
「人が倒れている! すぐに手当てしないと!」
「私達も手伝うよ!」
零夜は倒れている女性に駆け寄り、日和達も後に続く。彼女達のヒーリングによって女性の傷も治り、ようやく目を覚ます事ができた。
「ありがとう……。お陰で助かったわ」
「どういたしまして。ところであなたはどうしてここに倒れていたんだ?」
零夜は何故倒れていたかを女性に質問し、日和達も気になる表情で彼女に視線を移す。すると女性はすぐに立ち上がり、服についている埃を取り除いてから説明を始める。
「私はマーリン。人魚族の格闘家で、修行の旅に出ていたの。ところがペンデュラスに入った途端、兵士達に捕まったの。しかし自力で脱出して逃げた後……」
「今に至るという事か。」
マーリンの説明を聞いた零夜達は、真剣な表情をしながら納得していた。恐らくアリウスが絡んでいるに違いないし、その可能性も高いと言えるだろう。
「追手が来る前に早く逃げないと。見つかったらまた同じ目に遭うわ」
「それなら俺に方法がある」
「へ?」
マーリンはこの場から逃げようとするが、零夜は前に出て良い方法を提案する。それに彼女はキョトンとした表情をしていて、零夜に視線を移していく。
「モンスター娘との契約だ。そうすればマーリンの安全が守り切るだけでなく、主が死なない限りか自由になる以外は契約は途切れない。どんな事があってもね」
「ああ! その手があったわね! じゃあお願いするわ!」
零夜の説明を聞いたマーリンは、手を叩きながら納得の表情をする。そのまま即答で零夜にお願いをしたのだ。
契約したモンスター娘達は、モンスター達と同じ内容となっている。基本的にはスピリットに変化し、そのまま契約者のバングルの中に入って行く。以降は自由に出入りする事も可能だが、基本的にはバングルの中にある特殊施設で過ごす事になるのだ。
零夜とマーリンは握手を交わし、彼女はスピリットとなって彼のバングルの中に入った。これでマーリンの安全は確保したが、その一方で零夜に危機がせまろうとしていた。
「零夜君? 分かっているよね?」
「なんでモンスター娘と契約をしているのかな?」
「げっ! これはその……」
そう。倫子とエヴァが零夜に接近し、笑顔のない笑みの表情をしていた。零夜だけでなく、その場にいる誰もが大量の冷や汗を流している。零夜が怒りの二人に対して、慌てながら言い切ろうとしたその時だ。
「まさかこんなところにいるとはね……」
「この声、まさか!?」
ルイザとエヴァが声のした方に反応すると、そこには彼女達の因縁の相手であるハイン達が姿を現した。同時に風も強く吹き始め、緊迫した空気が漂い始めたのだった。
ハイン達が降臨。一触即発の展開が始まります!




