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ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜  作者: 蒼月丸
第二章 追放奴隷のシルバーウルフ
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第41話 シルバーウルフの女性との出会い

今回から新章スタートです!

「ハッ……、ハッ……」


 とある街「ペンデュラス」。そこは西洋ファンタジーの街並みだが、領主であるペンデュラス伯爵家によって治められている。

 その街中にある路地裏では、一人のワーウルフの女性が物陰に隠れながら息を整えていた。その様子だと何者かに追われていて、危機感を感じている。ボロボロの服を着ていて、あちこちの身体に傷ができている。しかも裸足だから痛いのも無理はない。

 すると何処からか声が響き渡り、女性はビクビクと震えながら隠れてしまう。


「奴は見つけたか?」

「駄目です! 全然見つかりません!」

「くそっ! このままだとアリウス様に叱られるぞ!」


 声の主である兵士二人は、急いで別の場所へと向かい出す。二人がいなくなった直後、女性はその場から急いで走り出す。そのままペンデュラスから脱出した後も、逃げる事を考えながら走り続けていた。


(早く逃げなきゃ……。散々酷い目に遭った以上、この街にはもう居られない……)


 女性は心から思いながら、なりふり構わず懸命に走り出す。そのまま彼女は何処かに消えてしまい、兵士達は見つかる事が出来なかったのだった。


 ※


 その翌日、零夜達四人はグリーンスライド平原にあるモンスター討伐に来ていた。Bランクのクエストであるが、何れにしても油断禁物と言えるだろう。


「今回のクエストについてだが、Sランクに向けて重要な任務となる。たとえそれが困難だとしても、我々はクリアしなくてはならない」

「ええ。Gブロック基地を倒し、俺達の復讐は終わりを告げた。しかし、諸悪の根源を叩き潰すまでは戦いは終わりません」


 ヤツフサの指示に対し、零夜は真剣な表情をしながら気を引き締めていく。それに倫子達も真剣な表情で頷いた。

 Gブロック基地にいるバンドーを倒した事で、零夜達三人の復讐は終わりを告げられた。しかしアイリンの仲間であるベティとメディは見つからず、彼女の仲間も必ず助けなくてはならない。更に諸悪の根源であるタマズサを倒すまでは、戦いは終わりを告げる事はないだろう。


「何れにしても戦いは激しくなるからね……。それにアイリンちゃんの服も変わっているし」


 倫子は真剣な表情をしながら、今後の戦いが厳しくなる事を予測。更にアイリンの衣装に視線を移すと、彼女の服も変化していたのだ。

 下の服はジーンズと変わっていないが、チャイナドレスの長さは胸までの長さに変化していた。へそ出しスタイルとなっているのが特徴で、大人らしさを感じるだろう。


「今後の戦いに向けて服を変えたからね。へそ出しは少し恥ずかしいかも知れないけど、大人っぽくて似合うでしょ?」


 アイリンはウインクしながら零夜達に視線を移すが、彼等は真顔で見ていた。何故なら胸の大きさがあまり無いので、何も変わっていないと感じるのも無理はない。


「確かにそうかも知れないが……、ん?」

「どうしたの、零夜?」


 零夜が言い切ろうとしたその時、何処からか足音が聞こえる。どうやら討伐モンスターが来たみたいであり、零夜達はすぐに身構える。

 すると前方から大きなサーベルタイガーのモンスターが姿を現し、仲間のサーベルタイガーを連れながら襲い掛かろうとしていた。因みに普通のサーベルタイガーの数は、約10匹ぐらいだ。


「あれはサーベルファング。サーベルタイガーのモンスターで、素早い動きを特徴としているわ。その大きいのが進化系であるキングサーベルファングよ」

「サーベルタイガーについては聞いた事があるが、まさかこの世界に実在しているとは……」


 アイリンの説明を聞いた零夜は、真剣にサーベルファングに視線を移す。サーベルタイガーは大昔に絶滅したが、まさかこの世界で生きているのは想定外と言えるだろう。

 するとサーベルファングが一斉に駆け出し、零夜達に襲い掛かってきた。彼等は一斉に回避した直後、すぐに戦闘態勢に入り始めた。


「いきなり襲い掛かるのなら、まずはサーベルファングを減らしておかないと! ミンミン、お願い!」


 倫子はバングルからスピリットを召喚し、ミンミンが姿を現す。黒いロングヘアで、袖無しのカーゴオールインワンが特徴。綺麗で美人と言えるが、イタズラ好きの性格なのでプラスマイナス0と言えるだろう。


「ここは私に任せなさい! スリープマジック!」


 ミンミンは両手から眠り光線を放ち、サーベルファングをあっという間に眠らせる。その隙を見逃さず、倫子は両手でハートの形を作り始めた。


「狙うなら今しかないわ! マジカルハート!」


 倫子の両手からハートの光線が発射され、次々とサーベルファングに直撃。そのままサーベルファングはスピリットとなり、彼女のバングルの中に入ったのだ。


「一丁上がり! ボスに関しては思う存分やらないとね! 皆、出て来い!」


 更に倫子はアイアンゴーレム、ビッグボア、ミノタウロス、レインボーワイバーンを召喚。彼女も両手に双剣を構え、彼等と共にキングサーベルファングに立ち向かい始めた。


「攻めに行くわよ! 神風回天斬(かみかぜかいてんざん)!」

「僕も頑張らないと! 破壊(はかい)剛腕(ごうわん)!」

「アックスブレイカー!」

「ブヒョオオオオオ!」

「ガオオオオオ!」 


 倫子の双剣斬撃、アイアンゴーレムのパンチ、ミノタウロスの斧攻撃、ビッグボアの突進、レインボーワイバーンの炎のブレスが炸裂。キングサーベルファングは大ダメージを受けてしまい、体力まで減らされてしまった。


「今がチャンスだ! 覇王連続斬(はおうれんぞくざん)!」

「シャドーショット!」

「ドラゴンナックル!」


 更に追い討ちを掛けるように、零夜の忍者刀による斬撃、日和の闇の弾丸、アイリンの強烈パンチも炸裂。キングサーベルファングは堪らず横に倒れてしまい、大量の金貨と多くの素材となってしまった。


「ふう。これでこの任務は完了みたいですね」

「そうね。皆、お疲れ様!」


 倫子はミンミン達を自身のバングルの中に戻し、すぐに素材と金貨を回収する。戦いやクエストで回収した物については、いつも彼女のオーバーオールにある胸ポケット「マジカルポケット」に入れているのだ。

 マジカルポケットは多くの物を無限に収納できるので、持ち運びにも便利となっている。それが倫子のオーバーオールの胸ポケットになっている為、本人もすっかり気に入っている様だ。


「さてと、後はギルドに報告……ん? 誰か来るみたい」


 アイリンが帰ろうとしたその時、彼女はとある気配を感じてしまう。そのまま前方に視線を移すと、なんと逃げている筈のシルバーウルフの女性が姿を現したのだ。

 服はボロボロでフラフラと歩いている。その様子だと何も食べてない事が明らかだ。


「あの女性、ボロボロじゃない! しかもフラフラに歩いているわ!」

「大変! 零夜君、にぎり飯を出して!」

「はい!」


 日和の指示と同時に、零夜は懐からにぎり飯を大量に取り出す。すると女性はにぎり飯を見た途端に目の色を変え、そのままダッシュで駆け出してバクリと食べ始めた。


「美味しい! こんな食べ物始めて!」


 女性は涙を流しながら喜んでいて、次々とにぎり飯をガツガツと食べていく。余程お腹が空いていたので、久々の食事に喜ぶのも無理ないのだ。


「はい、お茶」

「ありがとう」


 日和はお茶を女性に差し出し、彼女はゴクゴクと飲みながらため息をついて落ち着きを取り戻した。女性はそのまま零夜達に視線を移し、彼等に向かって一礼をする。


「ありがとう。お腹減っていたのでどうなるかと思ったけど、お陰で助かったわ!」

「気にするなよ。困っている人は放っておけないからな」


 女性の礼に零夜が笑顔で応える中、彼女は彼等のバングルに視線を移す。どうやら彼等の付けているバングルが気になっているが、何か同感する気持ちがあるのだろう。


「どうしたの?」

「そのバングル……、私も付けているんだけど……」

「「「えっ!?」」」


 女性も零夜達と同じバングルを付けている事に、彼等は驚きを隠せずにはいられなかった。しかも彼女の右手首に付いているバングルには、氷という文字が刻まれている水色の珠が埋め込まれているのだ。


「それは氷の珠! まさかお前が持っていたとは……」

「ええ。私の名はエヴァ。シルバーウルフ族の最後の生き残りで、氷の珠を持つ者よ」


 氷の珠をエヴァが持っている事にヤツフサが驚く中、彼女は零夜達に対して自己紹介をしたのだった。

エヴァも珠を持っている事が判明。この後の展開がどうなるのかに注目です!

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