第40話 零夜の新たな目標
第一章もこれで終わりです!
零夜達がGブロック基地を破壊したニュースは、瞬く間にハルヴァスだけでなく、地球にまで伝わり始めた。多くが零夜達の活躍を賞賛していて、特に後楽園における生き残りの被害者達は大喜びである。
「まさかあのサラリーマンの男がやってくれるとはな!」
「倫子さんと日和ちゃんも凄かったぞ!」
「俺はアイリンちゃん推し! ツンデレが可愛くて良いよな!」
「早く残りの八犬士達も集めて、この世界にも来て欲しいぜ!」
零夜達に対して期待の声がとても大きく、この世界に来て欲しい声も上がっている。彼等が地球に戻って来たら、大盛り上がりになる事は間違いないだろう。
※
変わってハルヴァスにある悪鬼のとある基地。その中にある地下牢の部屋では、ゴブリン達数匹がヒソヒソと話をしていた。内容からしてみれば、どうやら零夜達についての事だ。
「聞いたか? Gブロック基地が滅ぼされたぞ。その犯人は新たなる八犬士の四人で、その中にはアイリンもいたそうだ」
「マジか! 俺達の基地にも攻め込んでくるんじゃないのか!?」
「その可能性もあり得るな。しかしここはAブロック基地。流石に八犬士でもドノグラー様には敵わないかもな!」
ゴブリン達がワハハと笑い合うが、誰かが聞いている事に気付いて慌てて口を閉じてしまう。そのまま辺りを見回すが、誰もいない事に安堵していた。
もし今の会話を聞いていた人がいれば、位置がバレて八犬士達に攻め込まれる可能性もある。それどころかドノグラーに叱られてしまい、最前線に放り出される可能性もあるのだ。
「……まあ、この話はこのぐらいにしようぜ。さっさと業務に取り掛かるぞ」
「そうだな……」
「ああ……」
ゴブリン達はそれぞれの業務に取り掛かる為、地下牢から次々と出ていく。彼等がいなくなった直後、とある部屋から声が聞こえていた。その中を覗くと、なんと緑色の袖無しつなぎ服を着ているベティとメディがいたのだ。
彼女達はタマズサに囚われの身となり、今の服に着せられてAブロック基地に送られていた。武器と元の服はドノグラーに没収されていて、ここで大人しく過ごされているのだ。因みに悪鬼での囚われの身の服装は、この姿と決まっているのだ。
「聞いた? アイリンがまだ生きている事が明らかになったわ。私達も動かないとね」
「ええ。武器と服装に関しては、取り戻す手段を既に考えています。私達を甘く見ると痛い目に遭いますからね」
ベティとメディは誰にも聞こえない様にヒソヒソ話し合いながら、今後の事について話し合う。彼女達もただ黙って大人しくする人間では無いので、様々な策略を練りながら対抗していく。だからこそ、ここでのたれ死ぬ理由にはいかないのだ。
「それじゃ、作戦プランを練りましょう!まずは……」
ベティとメディはそのまま作戦会議を行い、脱出方法、武器奪還、アイリンとの再会などを話し合い始める。敵に誰も気付かれず、二人でこの基地から上手く脱出する方法を探しながら……
※
その夜、零夜達は家に戻った後に夕食を食べ終え、皆でお風呂に入っていた。因みにお風呂は温泉となっていて、男湯と女湯に分かれているのだ。
「ふう……。ここの温泉は気持ちいいわね。疲れが取れてくるわ」
倫子は背伸びをしながらお湯に浸かっていて、戦いの疲れを癒していた。ここの温泉は疲労回復だけでなく、様々な治療効果のある薬湯となっている。その為どんな疲れや病気でも、あっという間に回復してしまうのだ。
「ええ。ここに温泉があった時は驚いたけど、今では改造して誰でも入りやすい様に広くしているわ」
「そうなんだ。その証拠に皆が入っているしね」
アイリンの説明に日和は納得した後、すぐに周囲に視線を移す。そこにはエイミー、ラビリン、エメラル、ベル、ライラ、バタフライレディーのミンミンも温泉に入りながら疲れを癒している。彼女達もこの温泉が気に入ったらしく、ゆっくりと疲れを癒しているのだ。
「そう言えば零夜さん達は男湯ですね。彼もまたゆっくりしているのでしょうか?」
「そうかもね。今日は戦いの疲れをゆっくり癒やしましょう」
「そうそう。ここで女子会も良いかもね!」
エイミー達モンスター娘はワイワイ談笑を楽しみ始めるが、アイリンは何故か彼女達をジト目で見た。何故ならベル、ライラ、ラビリン、エメラルの胸がとてもデカく、自分はとても小さい事にコンプレックスを抱いていた。まあ、胸の大きさは人それぞれだから仕方がないが。
(うう……、デカい胸が憎い……)
アイリンは心の中で巨乳を憎み、倫子と日和は苦笑いするしか無かった。
※
「へー、兄ちゃんはプロレスラーになるのが夢なんだな」
男湯ではジャックがお湯に浸かりながら、零夜達と話をしていた。彼等もまた戦いの疲れを癒やす為、温泉に入りながら談笑しているのだ。
参加しているのは零夜、ジャック、ロブ、ミノタウロス、ヤツフサ、ラビットナイト、リザードナイト、ファイターオーク、ビートルサムライ、スタビーランサー、レディアソルジャー、ゴブリンナイトだ。他は倫子のバングルの中で大人しくしている。
「ああ。まさかあの襲撃で俺の運命が変わったけどな。それに後悔はしていないし、新たな目標を見つけたんだ」
「目標? 勇者の他に何かあるのか?」
零夜が目標を見つけた事に、ミノタウロス達は気になる表情をしてしまう。勇者だけでなく他の目標もある事に、誰もが気になるのも無理ないだろう。
「俺はこの世界でプロレスラーとなり、ハルヴァスの皆にプロレスを知ってもらいたい。倫子さん達もプロレスを広めようと同じ考えを持っているからな」
零夜はプロレスラーになる夢を諦めておらず、この世界でプロレスラーになる事を決意している。
当初は目標だったDBWに入ろうとしていたが、襲撃のお陰で団体は活動休止になってしまった。そこでこのハルヴァスにプロレスを広めようと考え、今に至るという事だ。
「なるほど。それは良い考えだな」
「俺もプロレスラーになりたいと心から思っているし、折角だからリングを建てて練習しようぜ!」
「俺もプロレスには興味ある。そこで更に強くなるのもありかもな」
ジャック達も零夜の考えに同意しつつ、自らもプロレスをしようと決意する。自分達が強くなる為だけでなく、プロレスと言う職業にも興味があるのだ。
「それなら明日からでもリングを建てて、プロレスの練習を始めないとな! 強くなるには基礎練から始め、技の取得はそれからだ! 精一杯頑張るぞ!」
「「「おう!」」」
零夜の宣言にジャック達は拳を上げながら応える。明日からギルドの仕事だけでなく、プロレスの特訓もあるので大忙しとなる。しかし目的の為なら最後まで諦めないのが、彼等の良いところでもあるのだ。
(やれやれ。これからが忙しくなりそうだな)
その様子を見たヤツフサは心の中で思った後、窓の外を見上げる。外では満月が彼等の家だけでなく、辺り一面を照らしていたのだった。
という訳で第一章は終了。次回から新しい章の始まりです!
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