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ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜  作者: 蒼月丸
第一章 珠に導かれし戦士達
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第39話 受け継がれる勇者の使命

第一章も残りあと2話です!

 零夜達はクローバールへと帰還し、そのままギルドの中に入る。そこにはメリアが彼等の帰還を待っていて、姿を見た直後に駆け寄ってきたのだ。


「お帰りなさい! 無事で何よりです!」


 メリアは全員が無事に帰ってきた事を安堵していて、零夜達も笑顔で応える。無事に任務を果たしたからこそ、今の彼等がここにいるのだ。


「Gブロック基地についてですが、壊滅成功しました!」

「そうですか。では、今回のクエストについてはクリアとします!」


 零夜達の報告を聞いたメリアは、すぐにカウンターに移動。そのままパソコンのキーボードを打ち込みながら、クエスト完了の処理をした。すると報奨金が入った袋が零夜の掌の上に出現し、彼等は目をパチクリさせてしまった。


「いきなり報奨金が手元に!?」

「はい! 今後はクエストをクリアすると、この様に賞金が自動的に手元に渡ります!」


 メリアの説明に零夜達が納得する中、更に彼女はもう1つお知らせを用意している。それは悪鬼の基地討伐成功によって、ギルドでのランクが上がる事だ。


「それだけでなく、零夜さんと日和さんのランクも上がりました。CランクからBランクに昇格です!」

「Sランクまで残り後2回。それまでに頑張らないと!」


 零夜と日和のランクはBとなるが、Sランクまであと2回。日和は早くSランクに上がる為にも、全力で頑張る事を決意したのだ。それに零夜も真剣な表情で頷き、倫子は微笑んでいた。

 その様子を見たアイリンは決意を固めたと同時に、零夜に視線を移しながら話しかけ始める。


「零夜。あなたの戦いをこれまで見たけど、予想以上にいい動きをしていたわ。今こそある物を渡す必要があるみたいね」

「ある物?」


 アイリンが渡す物に零夜は疑問に感じてしまう中、彼女はバングルからとあるアイテムを召喚した。それはケンジの形見である勇者の剣で、肌見放さず大切にしていたのだ。


「それは……、ケンジさんが使っていた勇者の剣!何故アイリンさんが持っているのですか!?」

「「「勇者の剣!?」」」

(噂には聞いていたが、彼女が持っていたとは……)


 メリアはアイリンが持つ勇者の剣に驚きを隠せず、零夜達まで驚いてしまう。ヤツフサでさえも内心驚いてしまい、周囲の人達までざわついてしまった。

 アイリンはその様な事を一切気にせず、零夜に向かって話を続ける。


「ケンジが死んだ時に回収したけど、これを誰に渡すか考えていたの。そして零夜に渡す事を決意したわ。新たな勇者になってもらう為にも」

「俺が……、新たな勇者!?」


 アイリンの説明を聞いたメリア達は納得するが、零夜は突然の展開に驚きを隠せずにいた。ただのサラリーマンである自分が勇者になるなんてあり得ず、混乱してしまうのも無理ない。


「待ってくれ! 俺はプロレスラー目指しているんだ! そもそも勇者の資格なんて、俺には持ってないし……」


 零夜が慌てた表情をしながら、自身が勇者になる事を否定する。本来彼はプロレスラー目指して日々特訓を繰り返していたが、勇者になる事は想定外と言えるしかない。しかしアイリンは彼の肩をに両手を置き、真剣な表情をし始める。


「大丈夫。あなたは自ら敵に立ち向かう覚悟を持っているし、皆を引っ張ってくれている。勇者の素質なら十分にあるわ!」


 アイリンは慌てている零夜を落ち着かせながら、明確な理由を彼に説明する。かつての仲間であるケンジも自ら敵に立ち向かい、皆を引っ張りながら先代魔王を倒すことが出来た。その素質こそ勇者としての第一歩であり、諦めずに進めば必ずその時が来るだろう。

 メリアもケンジの面影を思い出しつつ、アイリンに同意しながら頷く。彼女も零夜なら勇者になれると信じているだろう。


「ええ。彼がいたからこそ、先代魔王を討ち取る事ができて、この世界の勇者として語り継がれています。しかし彼がいなくなった時だからこそ、あなたに継承するべきだと思います」

「メリアさん……」


 メリアも零夜が勇者になる事を望んでいて、零夜は今の世界の状況を察し始める。

 ハルヴァスでは勇者がいなくなってから、各場所で騒動が起き始めている。魔物達が活性化して手がつけられなくなっていたり、盗賊などの犯罪者達による略奪件数も多くなっている。更に悪鬼に入る人達まで続出してしまい、ハルヴァスが滅亡するのも時間の問題。

 この状況を打破するには新たな勇者が必要であり、そう判断したと同時に今に至るという事だ。


「分かった。俺はケンジから勇者の任務を引き継いでいく。それに仲間が困っているのを聞けば、黙ってられないからな」

「ありがとう、零夜!」


 零夜は笑顔でケンジの跡を継いで、勇者になる事を決意。それにアイリンは嬉しさで我慢できず、零夜に飛びついてしまったのだ。ケンジの跡を引き継いでくれる事がとても嬉しくなってしまい、スリスリと身体を擦り始めてしまったのだ。

 それを見たメリアと日和はニヤニヤしていて、倫子は頬を膨らます。それに気付いたアイリンはハッと気付き、すぐに零夜から離れてしまった。


「何見てるのよ!」

「あっ、顔真っ赤」

「うるさい!」


 アイリンは赤面しながら叫んでしまい、日和はニヤつきながら彼女をからかう。それにアイリンが反応してしまうが、彼女の様子にメリアは微笑んでいた。


(アイリンさんはツンデレの一面もありますし、やはり彼女はこうでないと!)


 メリアはこの光景を見ながら微笑む中、アイリンはようやく落ち着いたと同時に零夜に視線を移す。彼女の手には勇者の剣が持たれていて、それを彼に手渡した。


「これが勇者の剣か……。では、刀身を……、おお!」


 零夜は勇者の剣を引き抜くと、その姿に驚きを隠せずにいた。刀身はダイヤモンドの様に光り輝き、最強の威力まで兼ね揃えている。まさに天下無双の剣としか言えないだろう。


「その剣を扱えるには、まずはSランクを目指さないとね。因みに様々な剣の種類に変えられるけど、最終的にどの形態にするかはあなた自身で決めた方が良いわ」

「分かった! その分精一杯頑張らないとな!」


 アイリンの説明を聞いた零夜は、この剣を使える様にSランクを目指す事を決意。ケンジの跡を引き継ぐだけでなく、ハルヴァスの平和を取り戻す為にも諦める理由にはいかないだろう。

 その姿にアイリンも頷きながら同意し、日和とメリアは微笑んでいた。


「零夜君も諦めずに頑張っているみたいだし、私もSランクとして精一杯頑張らないと!」

「そうだな。もしかすると零夜は、まだ見ぬ可能性を秘めているかも知れない。これからが楽しみだ」


 倫子はこの光景を見ながらやる気を引き上げ、自身も更に強くなる為に精一杯頑張る事を決意。それを見たヤツフサも同意しながら、零夜のこれからの物語に期待し始めたのだった。

零夜達の物語はこれから!更なる活躍をご期待ください!

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