第114話 ヒカリ達の決意
ヒカリ達がメインの回です!
零夜達は黒いサイクロプスを目の前にして、真剣な表情をしながら冷や汗を流していた。まさかリッジがもう一つの姿を持っているとは、予想外としか言えなかったのだろう。
「リッジの奴……隠し玉を持っていたとは……」
「こうなると戦いは苦戦となるかもね。でも私達ならまだまだやれるし、限界を超えなければ成長なんてできないんだから」
零夜は真剣な表情をしながらサイクロプスを冷や汗を流すが、倫子は前向きに捉えながら皆にアドバイスを送る。それに日和達もコクリと頷きながら、一斉に武器をサイクロプスに向ける。
「相手が誰であろうとも、私達ならやれます!」
「ここまで来たのなら、最後まで引き下がれないわよ!」
「私も皆がいるからこそ、最大限まで戦えるわ!」
「どんな敵でも引き下がれないならね」
「ネムラスの皆の仇を取る為にも、負けられないわ!」
「私も孤児達の仇を取ります!」
八犬士達はやる気満々で、最後まで戦う事を決意している。ここまで来たのなら一歩も引く理由には行かないし、何よりもネムラスの皆、孤児達、刈谷の仇を取る為にも負ける理由にはいかないのだ。
「私も奴隷にされた怒りがあるわ。ここまで来た以上、倒すのみだから!」
「私達も皆と共に戦う覚悟があります!」
ハユンも格闘技の構えを取りながら、サイクロプスを睨みつけていく。奴隷にされた恨みはとても強く、倒さなければ気が済まないだろう。
更にライラ達も零夜達と共に戦う事を決断。彼等によってパートナーになった以上、その人達と共に戦う事を心から決意しているのだ。
「ほう……ゴミ共め、まとめて叩き潰してくれるわ!ダークサイクロプスの力を思い知らせてやる!」
黒いサイクロプス改めダークサイクロプスは、腕を鳴らしながら真剣な表情をしてくる。本気で零夜達を殺そうと企んでいる為、真剣に立ち向かわなければ殺される事になるのだ。
「攻撃を止める事は僕に任せて!僕のパワーなら大丈夫だ!」
「お願いね、アイアンゴーレム!」
アイアンゴーレムは決意の表情で、自らダークサイクロプスの攻撃を止める事を宣言。倫子は笑顔でアイアンゴーレムにお願いし、彼も笑顔で返していく。
「だったら殴り飛ばしてやるよ!喰らいやがれ!」
するとダークサイクロプスが動き出したと同時に、倫子に向かって殴り飛ばそうとしていく。そのスピードはマッハ速度となっていて、喰らったら勢いよく飛ばされるのは確定だ。
「しまっ……!」
「そうはさせるか!」
ゴーレムが動き出してダークサイクロプスを止めようとしたが、敵の拳は倫子に向かって当たろうとしている。このままではもう駄目かと誰もが思った……その時だった。
「そうはさせない!」
「ぐわっ!」
「「「!?」」」
なんと遠くから光弾が発射され、ダークサイクロプスの目に直撃。目に攻撃を喰らった彼は顔を抑えてしまい、苦しむ様な表情をしてしまう。
「今の光弾……あっ!」
倫子達が光弾が発射した方向を見ると、なんとヒカリがオープンフィンガーグローブを装着している姿が見えた。更に椿は剣と盾を構えていて、りんちゃむは如意棒を持っているのだ。
「ヒカリさん!その武器は一体……」
零夜はヒカリ達が武器を持っている事に驚きを隠せず、すぐに彼女の元に駆け寄る。一般人である彼女達が武器を持つ姿に、誰もが驚きを隠せずにいた。
「実は先程秘宝のある部屋に入ったの。そしたらその中から武器が姿を現して……」
「自動的に装着されたのですね……」
ヒカリの説明を聞いた零夜は、唖然とした表情をするしかなかった。まさか彼女達が秘宝を先に手に入れるとは、心から思ってもいなかっただろう。
「けど、この戦いで怪我をしたら皆に迷惑かけてしまいます!俺はヒカリさん達をこの戦いに巻き込みたくありません!」
零夜はすぐに気を切り替え、武器を持つヒカリ達に対して心配そうな表情で訴える。彼女達を自分達の戦いに巻き込めば、敵の攻撃で死んでしまうケースもあり得るからだ。
するとヒカリば零夜に近付き、真剣な表情をしながら前を向く。そのまま彼女は零夜の両頬に手を当てつつ、彼に対して話しかけてきた。
「零夜。私だって戦いは怖いかも知れない。けど、武器を持っている以上は覚悟を決めて戦わないといけないの。それに……零夜達が戦っているのを見て何もできないだけでなく、何よりもあなたが死ぬのが一番嫌なの!」
ヒカリは真剣な表情で話していく中、途中で目に涙を浮かべてしまう。彼女は零夜が死ぬ姿を見るのが一番嫌いなだけでなく、何もできない事を心から嫌がっていた。それは彼女だけでなく、椿やりんちゃむも同じ考えだろう。
「私達もこの迷宮に参加した以上、戦う決意を固めているわ。日和に負担をかけさせない為にも」
「私は何も知らずにこの場所に来ていたけど、今では零夜達の力になると決意しているから」
「つばきん……」
「りんちゃむ……」
椿とりんちゃむもヒカリと同じく戦う事を決意し、その姿に日和達も驚きを隠せずにいた。まさかこの様な展開になるとは思ってもいなかったが、それでも椿達の意思は固いみたいだ。
その様子を見た零夜は納得したと同時に、ヒカリの両肩に手を置く。
「分かりました。ですが……絶対に死なないでください!それが俺からの約束です!」
「大丈夫。必ず生きて帰りましょう!」
零夜からの真剣な忠告に対し、ヒカリは頷いた直後に笑顔で返していく。椿やりんちゃむも同じ気持ちなので、彼女達の心配する必要はないだろう。
するとトワがある事に気付き、すぐにりんちゃむの元に駆け寄ってくる。
「それで回収したお宝はどうしたの?」
「ああ。それなら……」
トワからの真剣な質問に対し、りんちゃむは向こうを指さしながら説明をする。そこには円形のバリアが展開されていて、その中にヤツフサと財宝が入っていた。
ヤツフサは財宝を敵に取られない為の工夫を既に考えていて、今の様な行動を取っている。しかも高性能のバリアを張られているので、どんな攻撃も弾き返す事が可能なのだ。
「財宝の件は俺が何とかする!目の前の敵を倒していけ!」
「なら、私達は戦いに集中しておかないと!」
ヤツフサの指示を聞いたトワは納得の表情をした後、すぐに戦いに切り替え始める。財宝の件はヤツフサがなんとかしてくれている以上、目の前の戦いに集中出来るのだ。
同時に零夜達も一斉に戦闘態勢に入り、ダークサイクロプスに視線を合わせる。彼を倒せば地下迷宮での戦いが終わるが、弱点を突きながらどう倒すかがカギとなるだろう。
「いくら人数を増やしても、この俺には敵うまい!モンスター召喚!」
ブラックサイクロプスは魔術を発動させ、モンスター達を多く召喚する。インプ、ゴブリン、オーガ、ゾンビ、スケルトンが姿を現し、一斉に零夜達に襲い掛かってきた。
「それはやってみなければ分からないぜ!行くぞ!」
「「「おう!」」」
零夜の合図と同時に、彼等はダークサイクロプスの軍勢に向かって突撃を開始する。地下迷宮の戦いはファイナルラウンドへと突入し、新年の瞬間のタイムリミットもあと四十五分となったのだった。
ヒカリ達も参戦!地下迷宮の戦いはクライマックスへ!




