第109話 リッジとの決戦
リッジとの戦いがスタートです!
零夜とリッジの戦いが始まりを告げられ、お互い一歩も引かぬまま戦いに入ろうとしていた。リッジは奴隷を奪われた元凶を倒す為、零夜は外道な敵を始末しようと闘志を燃やしているのだ。
「元はと言えば私達の戦いなんだけどね……彼が戦っているとなると、私達も手伝わないと!」
「私も行きます!」
するとトワとエイリーンが零夜の元に移動し、彼と共に戦闘態勢に入ろうとしていた。リッジによってやられた分を返すだけでなく、八犬士の仲間である以上は放っておく理由にはいかないのだ。
「トワ、エイリーン!」
「私達もリッジには恨みがあるし、共に戦いましょう!」
「力を合わせればどんな敵も倒せます!」
トワとエイリーンは零夜に笑顔を見せた途端、倫子と日和も駆け付けてくる。彼女達も一斉に戦闘態勢に入り、リッジに対して真剣な表情で睨みつけていた。
「私達も手伝うわ。大切な仲間を放っておけないからね」
「そうそう。それに零夜君、ハユンをムギュッと抱き締めた事は気にしているから……後でウチも抱き締めてね?」
「……はい」
日和は零夜に対して笑顔を見せるが、倫子は笑ってない笑みで彼の顔にズイッと近づけてきた。ハユンと零夜が抱き合っているのを見ていて、自らの嫉妬が高まっていたのも無理ないだろう。
零夜は大人しく観念していたその時、エヴァ、アイリン、マツリも駆け付けてきた。
「エヴァ達も来てくれたのか!」
「ええ。零夜、私にもお願いね……」
(さっきの行為はマズかったかもな……)
エヴァも倫子と同じ表情をしながら、零夜に自身も抱き締めて欲しいと顔を押し付けてくる。彼は心の底で後悔しながらも、頷きながら承諾せざるを得なかった。
元はと言えば零夜がハユンを奴隷から解放する為に行っていたが、それが逆に倫子とエヴァの嫉妬を増幅させてしまったのだ。
「まあまあ。私達も助太刀するし、やるからには勝ちに向かいましょう!」
「あのリッジという奴は手強いみたいだし、油断禁物だから注意しないと!」
マツリは苦笑いしながらエヴァを宥めさせ、刀と盾を構えながら戦闘態勢に入る。アイリンもやる気満々で、準備体操をした後に格闘技の構えを取る。
これで八犬士全員が全員戦う事になり、リッジを相手にどう立ち向かうかだ。
「貴様等……この俺を相手にするという事は、死ぬ事もあり得るんだぞ?」
「死ぬのはお前の方だ。行くぞ!」
零夜達は一斉にリッジへと駆け出した途端、彼は両手に闇の波動弾を生成する。この攻撃を見ると彼も闇属性だという事が予測されるが、戦いは何が起こるか分からないので油断禁物だ。
「ダークボム!」
「おっと!」
「ほっ!」
リッジは闇の波動弾を次々と投げ飛ばすが、零夜達は素早い動きで回避する。このぐらいの攻撃は戦いの経験と特訓の成果によって、余裕で回避できる様になっているのだ。
「ここは私に任せて!あいつを倒すのは私の役目よ!」
「頼んだぞ、トワ!」
そのままトワが弓矢を構えた途端、弓矢は姿を変えて風属性の弓矢「ウインドアロー」へと変化した。
ウインドアローは風属性の威力がとても強く、竜巻などを起こして大ダメージを与える事が可能。更にトワが風の珠を持っているので、威力も倍に上がっているのだ。
「ウインドショット!」
「させるか!ダークシールド!」
トワが弓矢を放った途端、矢は竜巻を帯びてリッジへと迫っていく。しかしリッジは前方に盾を召喚し、矢の攻撃を問題なく防いでしまったのだ。
「それなら連続ウインドショット!」
トワが何度も弓矢を放つが、何れもリッジのダークシールドで防がれてしまう。すると彼の背後に零夜が接近し、忍者刀を構えながら奇襲してきたのだ。
「隙を見せたな!残雪!」
「がはっ!」
零夜は忍者刀を氷属性である「氷剣」に変えたと同時に、強烈な斬撃をリッジの背中に炸裂。リッジがダメージを受けた直後に盾も消えてしまい、トワがチャンスとばかりに彼に狙いを定めていく。
「連続ウインドショット!」
「ぐあああああ!!」
再びトワは連続のウインドショットを放ち、次々とリッジの身体に風の矢を当てていく。次々と矢を喰らってしまった彼は片膝をついてしまい、息を荒げてしまったのだ。
「どうかしら?ネムラスの皆の痛みはこんなもんじゃないわよ!」
「こ、この小娘が……!」
トワの挑発を聞いたリッジは、怒りの表情で反応してしまった。今の攻撃を喰らっただけでなく、挑発されてしまうと怒るのも無理はないだろう。
「攻撃はまだ終わりません!私もいます!」
しかし攻撃はそれだけでは留まらず、今度はエイリーンが仕掛けてくる。彼女は手にしているロングアックスを変化させていて、炎属性の「フレイムアックス」を構えていた。全体がほとんど赤い斧であるが、炎属性の攻撃力は抜群なのが特徴である。
「フレイムスラッシュ!」
「ぐほらっ!」
エイリーンによる炎の縦一閃の斬撃を喰らったリッジは、あまりのダメージに思わず仰向けに倒れてしまった。今の攻撃でかなりダメージが深刻となってしまい、あと一撃当てれば零夜達の勝ちとなるだろう。
「なんだ。全然弱いじゃない。強い割には大した事ないみたいね」
「けど、油断は禁物だからしっかりしないと!」
マツリは倒れているリッジを見ながら、余裕の表情をしていた。それにアイリンが彼女に忠告したその時、リッジは傷だらけの身体で立ち上がって戦闘態勢に入ろうとしていた。
「おのれ……ここで俺がやられるかよ……」
「まだ立ち上がるわね。ここは総攻撃を仕掛けた方が得策よ!」
「デス・ブラッドは不発させない様にしないと!」
傷だらけで立ち上がるリッジの姿に、零夜達は警戒しながら武器を構える。そう簡単には倒せないと判断した以上、更に攻撃を加えなければならないだろう。
「俺はデス・ブラッドだけじゃないぜ。他の技も持っているからな!」
「何だと!?」
リッジはニヤリと笑いながら、他の技を持っている事を宣言。零夜が驚いた直後、リッジは両手から煙のような物を放出する。それはピンク色の煙だが、吸い込んでしまえばとんでもない事になるだろう。
「マジックスモーク!」
「くっ!」
「しまっ……ゲホッ!ゴホッ!」
「ゴホッ!ゴホッ!」
零夜達に向けてピンク色の煙が襲い掛かるが、彼は防毒面を着用して攻撃を防ぐ事に成功。しかし倫子達は煙を喰らってしまい、ゴホゴホと咳き込んでしまった。
「喰らってなかったのは俺一人だけか……となると、一騎打ち確定だな」
「そうなるな……さて、続きを始めようか」
零夜とリッジは真剣な表情で睨み合ったと同時に、相手の様子を見ながら飛び出そうとしていた。その直後に煙が風圧によって消えてしまい、その中から倫子達が姿を現した。
「私達がいる事を忘れないで!」
「倫子さん!皆無事……は!?」
零夜は倫子達の方を見ながら喜びの表情をするが、一瞬唖然としてしまう。その原因は彼女達の服がいつの間にか変化していて、いつもの服とは大違いだからだ。
倫子はオーバーオールとホワイトパーカーに帽子、日和はセーラー服、アイリンは体操服とジャージズボン、エヴァはメイド服、トワはバニーガール、マツリは短めの和服、エイリーンはナース服となっていたのだ。
「うわああああああ!!何で服が変化しているんだァァァァァ!!」
これに零夜は驚きを隠せないのも無理はなく、物陰に隠れているヒカリ達も唖然とするしかなかったのだ。
まさかのハプニング。これから先がどうなるのか……




