第105話 激突!3on3
戦いはマルコ達との戦いに移ります!
倫子と日和はマルコとベトロの二人と戦っていた。お互い一歩も引かずに戦いを繰り広げていて、今のところは互角と言えるだろう。
「あの二人は手強いみたいね。下手したらこちらが倒れてしまいそう……」
「ええ。少なくとも油断はできませんね……警戒する必要があります!」
倫子と日和は冷や汗を流しながら、マルコとベトロに視線を移す。彼等はまだ余裕の表情をしていて、何時でも戦える状態だ。
彼等は戦闘民族ゲルマの最後の生き残りであり、彼等は双子の兄弟の関係である。金髪の男がマルコであり、銀髪の男がベトロだ。
「兄ちゃん!こいつはどうやら一苦労しそうかもな!」
「けどよ、戦いは面白いのが良いかもな!」
「そうだな。俺達でやってやろうぜ!」
二人は意気投合したと同時に、倫子と日和に迫ってくる。しかもスピードはとても速く、野生の本能を研ぎ澄まされているだろう。
マルコとベトロは両方の拳にグローブを纏っていて、腰布のみを装着している。古代ローマの拳闘士を思い出させる様な服装であり、身軽さもあって動きやすいのだ。
「くっ!」
「そこだ!スマッシュキック!」
倫子は素早くガードの態勢に入るが、マルコの蹴りは彼女の腹に見事直撃。その威力はかなり強烈で、彼女は勢いよく吹っ飛ばされてしまった。
「キャアアアアアア!!」
「藍原さん!」
「余所見をするなよ!クラッシュパンチ!」
「キャッ!」
日和はマルコに殴り飛ばされた倫子に視線を移すが、彼女もベトロに頬を殴り飛ばされてしまう。そのまま日和は地面を引きずりながら倒れてしまうが、すぐに立ち上がって戦闘態勢に入ろうとする。
一方の倫子はマルコに吹っ飛ばされてしまい、ハユンと戦っている零夜の元へと向かっていた。そのまま彼女は彼の真横に落下してしまい、背中を強打してしまった。
「倫子さん、大丈夫ですか!?」
「痛い……腹を蹴られた……」
零夜は思わず倫子の方へ向かい、彼女を抱えながら視線を合わせていく。倫子は零夜の方を向くが、あまりの痛みに涙を流しているのだ。
「一体誰にやられたのか……っと!」
零夜が推測しようとしたその時、ハユンが彼等に襲い掛かってきた。彼は倫子を抱えながら素早く移動し、真剣な表情をしながらハユンを睨みつけていく。
倫子が零夜の元に落下した事で、彼女を抱えながら戦わないといけなくなった。こうなると不利である事に変わりはない。
「倫子さん、怪我の方は?」
「うん……なんとか自力で回復したけど……あのマルコという男は凄く強いんよ」
「そのマルコという奴は……奴か!」
零夜が周囲を見回しながら確認していたその時、マルコが彼等の前に姿を現す。すると零夜が倫子を抱えている光景を見て、思わずニヤリとしてしまう。
「ほう。こういう関係だったのか。その様子だと付き合っているみたいだな」
「うん。ウチの恋人なんやもん」
「いや、そこまでは流石に……」
マルコの質問に対し、倫子は零夜の頬をくっつけながら自慢気に語る。それに零夜は赤面しながら慌てるが、彼女の耳には届いてないのだ。
「ともかく、ここは一騎打ちで挑む方が良いでしょう。俺はハユンをどうにかします!」
「うん。ウチもやられっぱなしにはいられない。マルコにリベンジしないと!」
零夜はハユン、倫子はマルコに視線を移し、それぞれの相手に対して鋭く睨みつけていく。そこに日和とベトロも駆け付け、三対三の戦いに変化したのだ。
「結局こうなったわね……まさか三対三になるなんて」
「まあ、それでこそ私達らしくて良いじゃないですか?地球組として戦うのもありだと思いますし」
「そう言えば、この三人で組む事は無かったですね。やるからには勝ちに向かいましょう!」
「「了解!」」
零夜、倫子、日和の三人はお互い笑みを浮かべたと同時に、真剣な表情で相手を睨みつける。相手は戦闘民族のマルコ、ベトロ、ハユンだが、誰が相手であろうとも構わないのだろう。
「三対三か。面白くて良いじゃないか」
「良いね良いね!やるなら思いっきりやってやろうぜ!」
マルコとベトロは好戦的で、素早いスピードで零夜に襲い掛かってきた。しかし零夜は跳躍しながら回避したと同時に、苦無を構えて二人の首筋に狙いを定める。
「はっ!」
「「ぐっ!」」
零夜が投げた苦無はマルコとベトロの首筋に当たり、彼等は激痛で片膝をついてしまう。しかも動きが鈍くなり、身体が思う様に動く事ができないのだ。
「こんな事もあろうかと、苦無に能力半減の薬をつけておいた。この効果は戦いが終わるまで続くからな!」
「くそ……」
「そんな薬があるとは……」
マルコとベトロが零夜の説明に冷や汗を流す中、倫子と日和がチャンスと感じながら戦闘態勢に入る。零夜からの援護をもらった以上、チャンスは今しか無いだろう。
「今がチャンスよ、日和ちゃん!」
「はい!零夜君が作ってくれたチャンスを無駄にしない!」
倫子と日和は素早く駆け出したと同時に、強烈な二段蹴りをマルコとベトロに放つ。これこそ新人賞であり、二人の必殺技の一つでもある。
「「ぐほっ!」」
マルコとベトロは仰向けに倒れてしまうが、すぐに起き上がって立ち上がろうとしていた。
「がっ!なんだこの技は……!」
「プロレスよ。今からその恐怖を見せてあげるわ!フレイムキック!」
倫子は素早く駆け出したと同時に、片膝をついているマルコに炎の回し蹴りを繰り出した。蹴りは側頭部に見事当たり、彼は横にバタリと倒れてしまった。
「がは……!」
「兄ちゃん!」
マルコが倒れたのを見たベトロは、思わず叫んでしまう。すぐに彼の元に向かおうとしたが、日和が前に立ちはだかってきた。
「あなたの相手は私よ!はっ!」
「ぐへら!」
ベトロは日和の強烈ハイキックを喰らってしまい、思わずぐらついてしまう。更に彼女は銃を構えたと同時に、マシンガンタイプの魔法銃へと変化させたのだ。
「何だ!?その銃は!?」
「雷属性の銃「サンダーキャノン」。こいつを喰らったら……痺れが止まらなくなるから!」
日和は自身の武器であるサンダーキャノンを説明し、そのままベトロに向けて魔法弾を発砲していく。魔法弾は次々と彼に直撃し、爆発を起こしてダメージを与えているのだ。
「ぐわあああああ!!」
ベトロは魔法弾によるダメージを受けてしまい、その場で片膝をついてしまう。しかし自力でヨロヨロと立ち上がり、倒れているマルコの元へと向かったのだ。
(今の攻撃を喰らっても倒れないなんて……)
日和はベトロの姿を見ながら、真剣な表情で彼を見つめる。
日和の銃による大ダメージの攻撃を受けたのは確実だが、それでも倒れない不屈の心を持っている。更に兄弟の絆があるからこそ、マルコを見捨てて死ぬ理由にはいかないのだ。
「兄ちゃん……大丈夫か?」
「ベトロ……お前もな……」
ベトロはマルコの元に駆け寄り、二人で肩を組み合いながら立ち上がる。傷だらけでボロボロとなっているが、そんな事は構わないのだろう。
「俺達は……二人で一つ……ここで止まる理由にはいかないんだ……」
「この程度で……諦めて……たまるかよ……」
マルコとベトロの不屈の姿に、倫子と日和は真剣な表情をしながら睨みつけていく。戦いはそう簡単には終わらないので、更に攻めていかなければ倒す事は難しいだろう。
その瞬間、マルコとベトロの脳裏にとある記憶が蘇り始めた……
二人の脳裏にとある記憶が……その内容は次回で明らかになります!




