第100話 真の八犬士へ
100話達成しました!皆さんのお陰です。
まだまだ突っ走りますので宜しくお願いします!
零夜達は次の部屋に向かおうとしていて、通路を問題なく進んでいた。そこはモンスターもいないので、安全に進める事ができるのだ。
フランケンに関しては一時倫子のバングルの中に入っているが、後で椿に対してモンスターバングルを手配する予定となっているのだ。
「この辺りはいないから大丈夫だけど、何時何が起こるか分からないからね」
「そうだが……何時になったら離してくれるんだ?」
エヴァの忠告に零夜は頷くが、何故か彼女に抱っこされたままの状態となっていた。いくら何でも恥ずかしいとしか言えず、周りから見れば笑われ者になるだろう。
「良いじゃない。これが私にとって幸せだから」
「あのな……」
エヴァは笑顔で説明するが、零夜は呆れながらため息をつくしかなかった。自身を好きなのは分かるが、その行為は流石にやり過ぎとしか言えないだろう。
「はーい。二人共そこまでにしましょうね」
「うわっ!」
すると倫子が二人に接近してきて、零夜の腰を掴みながら、エヴァからヒョイと離してしまった。二人の行為を見て我慢できず、嫉妬の表情をしながら今の行為をしたのだ。
「せっかくいいところだったのに……」
「やり過ぎにも程があるんじゃゴラ。零夜君はウチの大切な人なの!」
エヴァは嫉妬で頬を膨らますが、倫子は零夜を抱き締めながら威嚇をする。本来零夜は自身の大切な人なので、その人が何者かに奪われるのは一番嫌いなのだ。
「それなら私だって権利があるわ!少しぐらい抱き締めても良いじゃない!」
「あっ!ウチの承諾なしに抱き着かないでよ!」
更にヒカリまで零夜に飛びつき、彼を巡る戦いは三つ巴の展開となってしまった。こうなってしまうと止められないどころか、呆れて物も言えなくなるだろう。
エヴァも我慢できずに零夜に抱き着き、彼は三人に密着されてピンチになってしまう。
「さっさと離してよ!私に権利があっても良いじゃない!」
「駄目ー!」
「私の大切な人なんだからー!」
「いでででで!助けてくれー!」
零夜の悲鳴が響き渡ってしまい、日和達は盛大にため息をついてしまう。彼女達がここまで変化してしまったのは、紛れもなく零夜の仕業としか言えないのだ。
「全く……お前達は八犬士としての自覚を持て。こんな事では何時まで経っても真の力を発揮できないぞ」
「真の力?八犬士が揃ったからこそ、真の力を発揮できるんじゃ……」
椿に抱かれているヤツフサは、今の光景に呆れながら真剣な表情で忠告する。その内容にトワが疑問に感じ、その内容について異議を唱えていた。八犬士達が集まればヤツフサを倒す事も可能であり、二つの世界の平和を取り戻す事が可能なのだ。
「お前達の珠にはそれぞれの文字が刻まれていて、十分な力を発揮できている。しかし……この状態の珠では不完全だ」
「「「ええっ!?」」」
ヤツフサからの衝撃の事実に、零夜達は雷に打たれた様に驚きを隠せずにいた。まさか自分達の珠が不完全である事は予想外であり、何も言えずに固まってしまうのも無理なかった。
「そんな……!せっかく八人揃ったのに……」
「このままだと勝てないなんて……信じたくないけど、事実なら受け入れるしかないかもね……」
「うん……でも、ウチ等の力が不完全だなんて……」
「私達って……まだまだ弱いかも……」
エイリーンは両手で口を押さえながら涙を流してしまい、トワは真剣な表情をしながら事実を受け入れるしかないと決断をする。倫子、日和、エヴァ、アイリン、マツリもトワと同様に事実を受け入れるが、顔を俯きながら涙をポロポロと流していた。事実の内容に相当ショックである事も無理ないが、現実は受け入れなければならないのだ。
その様子を見た零夜はある事を思い出し、ヤツフサに視線を移していく。
「珠が不完全だという事は……もしかして、八犬士達の本来の珠の文字が刻まれていないんじゃ……」
零夜は真剣な表情をしながら、珠が不完全である真実を推測する。それを聞いたヤツフサはコクリと頷き、真剣な表情で零夜達に視線を移す。
「正解だ。伝説の八犬士達の珠は、仁義礼智忠信孝悌という仁義八行という文字が刻まれている。その文字こそ八犬士達の真の力を解放できる証でもあるのだ」
ヤツフサの真剣な説明に対し、倫子達は涙を拭きながら正確に話を聞き始める。今から聞く話は大切な事なので、必ず聞かなければ損をしてしまうと判断しているのだ。
「彼等はその名に含まれる一文字の浮き出た玉を一つずつ持っている。最高の徳である「仁」は犬江親兵衛、正義の「義」は犬川荘介、礼儀の「礼」は犬村大角、智慧の「智」は犬坂毛野、主君に対する忠誠の「忠」は犬山道節、真実や信頼の「信」は犬飼現八、孝行の「孝」は犬塚信乃、兄弟の敬愛の「悌」は犬田小文吾だ」
ヤツフサは更に仁義礼智忠信孝悌の珠を持つ人物について説明し、この場にいる誰もが真剣な表情で聞いていた。伝説の八犬士達はその文字が刻まれている珠の力によって、タマズサを見事倒す事に成功した。いずれ自分達が持っている珠にも、仁義礼智忠信孝悌の文字が刻まれる事になるだろう。
「じゃあ、私達の珠にもその文字が刻まれたら、タマズサを倒す事ができるの?」
「それだけでは駄目だ。彼等は牡丹の形の痣を身体のどこかに持っている。お前達の身体にも共通する紋章が浮かべられたら、真の八犬士として覚醒するだろう」
アイリンの素朴な質問に対し、ヤツフサは首を横に振りながら否定。彼は伝説の八犬士達の更なる真実を説明した途端、その内容に零夜達は納得の表情をしたのだ。
「そうだったのね……でも、真の八犬士になる方法が分かっただけでも良いとしましょう」
「仁義八行の文字が刻まれている珠。私達の身体にある共通の紋章。その二つを揃えなければ、真の八犬士とは言えないもんね」
エヴァはヤツフサの説明に納得し、マツリも同意しながら頷いていた。真の八犬士になる方法が分かった以上、今後は珠の進化と共通の紋章を見つけなくてはならないだろう。
「けど、今は秘宝を巡る戦いに決着をつけないと。一刻も早く秘宝を手に入れましょう!」
日和の合図にその場にいる皆は全員頷き、秘宝のある部屋へと向かい出す。今は任務に集中する事が第一で、真の八犬士になるのはそれからである。彼等が真実を知ってからどの様に行動するかが、今後の物語を切り開くカギとなるだろう。
※
その頃幕張ネオンモール前では、リッジがインプ達から報告を聞いていた。ドクターバース、ブラックファントムは零夜達によって既に倒されていて、彼はワナワナ震えて怒っているのだ。
「そうか……奴等が倒れたとなると、ここはあの奴隷四人を出すとしよう。彼等なら八犬士達を倒す事が可能だからな……」
リッジは冷静さを取り戻し、四人の奴隷を出す事を宣言。彼が指を鳴らした途端、何処からか足音が聞こえ始める。全員がその音のした方をよく見ると、三人の男と一人の女性が姿を現したのだ。
「か、彼等が最強の奴隷なのですか?」
「そうだ。奴等はハルヴァスにおける最強戦闘民族の末裔だ。選ばれし戦士達を倒すには、このぐらいしておかないとな!」
リッジの強気な宣言と同時に風が強くなり、インプ達は一斉に息を呑んでしまう。そのまま彼等は地下迷宮に向かう為、幕張ネオンモールへの中へと入ったのだった。
真の八犬士になるには時間が掛かりますが、果たしてどうなるのかに注目です!
感想、評価、レビュー、ブクマをお願いします!




