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第8話 鍛錬パート、ただし師匠は主人公



──竜と魔法のハイファンタジーがいざ始まる!!

                  byあらすじ


 何話からドラゴンが出るのでしょうか?

 



「……もしかして、ライカ、知識自慢してただけ?」


「はい?」


「確かに俺は魔法について教えて欲しいと言った。だけどそれは、属性の区分云々を聞きたいって意味じゃない。ここを脱出する為の力が欲しいって意味だ。」


「なるほど。」


 ファル君がこの施設に来た経緯は知らないが、普通は抜け出したいですよね。というか、


「ファル君は居つからここに居るんですか?」


「知らん、あの仮面を着けた奴に名前を聞かれて答えたら意識が飛んで、気付いたらお前に殴られてた。」


 なんか、睨まれている様な。それになんか流れが違う様な、これは自分の名誉の為に訂正しなくては。


「いや、自分は出会い頭に殴って「殴られてた。」……すいませんでした。」


 ファル君は満足した様に頷いている。ふふっ、ファル君呼びに言及されなかったしヨシッ!!


「ところでさ、勝手にあだ名「そうですね、戦い方について「いや、あだ」で・す・よ・ね・?」


「……」


 勝ったッ!第1部完!!


「そうですね、先ずは基礎魔法から始めましょうか。」


「……なんだそれ?」


 ふふっ、自分が語るターンが


「なるべく手短にな、勝手にあだ名を付けたライちゃん?」


「いや、自分は「ライちゃん、だろ?」……クソがッ」


 自分は心が酷いですから、甘んじて受け入れましょう。


「はぁ………、属性付与(エンチャント)をしていない魔力を行使して発動する魔法。言い方を変えれば、無属性魔法ですね。」


「……無属性魔法で良いじゃん。」


「この世界で、属性付与(エンチャント)ができるのは一部の人間、貴族階級の者かその血縁者だけです。」


「本当か、それ?」


 ファル君は首を傾げている、本当に分からないのか?


「ファル君は何人兄弟ですか、その内何人が属性を持っているのですか?」


「兄は15人か?持ってるのは全員だ。」


「人数くらい覚えて下さいよ。」


「いや、何人か居なくっててさ、お父さんに聞いたら「そいつは家族じゃない」って言われたんだよ。」


 いや、それ属性持ちじゃない奴は勘当されるヤツ……。世の中には知らない方が良い事もあるよな。


「ええっと、話を戻しましょう。基礎魔法は純粋な魔力を行使しているが故に幅が広いです。」


「……分からん、どういう事だ?」


「そうですね。炎の壁を作る魔法があるとします。普通に考えて炎は固体では無いので、紙魔法でもない限り貫通して攻撃が当たりますよね。」


「それを言ったら、星を雷に換えるなんて意味分からんぞ。」


 気付いたか。


「そう、そこなんです!!貴族たちは属性持ちを崇高なものと謳っていますが、属性付与(エンチャント)はあくまでも後付け(オプション)です!!」


「は、はあ。」


「貴族たちは基礎魔法という名称を人種差別発言だと言われない為の方便だと思っていますが、それは大間違い。基礎魔法こそ魔法の基盤なのです!!」


「……早く話を進めてくれ。」


 全く、ファル君には魔法の魅力が分からない様ですね。


「魔法とは元来、不可能を可能にする未知の力。自分を守りたいという想いが障壁魔法を作り、属性付与(エンチャント)によって特性を後付けする。これが、魔法のプロセスです。尤も、多くの場合は先に属性付与(エンチャント)を使い、魔法を作る事が多いのですが、ファル君は後付けの方が良いでしょう。」


「なんだ、つまり炎で壁を作るんしゃなくて、壁を作ってそれに火を着ける、みたいなイメージか。」


「そうです。せっかく、七属性を内包した星属性を使えるんです。相手の魔法を見て、それに合わせて属性付与(エンチャント)をする。用は好きに後出しジャンケンできる訳です。」


「……確かにチート魔法だな。」


 よしよし、教えるのはこのくらいで良いでしょう。次は具体的にどう使うかですね。


「そうですね。とは言ってもいきなり七つも属性を使うのは得策ではありません。火と風は強さが分かり易いですし、4元素の中では光の要素が強いです。先ずはこの3つに合わせて基礎魔法を習得しましょう。」


「よおおおし!!やっと話が見えてきた。いくぞー!!」



◇◇◇◇◇



「無理だー!!」


 うん、そう来るか。自分たちは先ずは魔力で剣を作る魔法をやってみようとした。

 単純に星から剣を生やせば、二刀流も三刀流もできる。頑張れば二十刀流もできるかもしれない。

 それに、火・風・光の剣って強そうだろ。とある魔導師の名言に「魔法に於いて自信を持てる(つよそうな)魔法は強い」というものがある。

 馬鹿みたい名言だが、実際にそういう物なのだ。


 魔法とは想像を現実に起こす力。

『どんな攻撃も防げる壁』をイメージすれば強固な壁ができるし、『俺の壁は脆い!!』とか考えたら、ペラッペラの壁になる。


 という訳でなんか強そうな剣を目指して、鍛錬を始めたんだが、


「魔力の出し方が分からん!!」


「まさか、『魔力出力が無い様なもの』という特性が仇になるとは。」


 これは星魔法、特有の特性だ。星魔法は星を起点に魔法を発動する。これはメリットであり、デメリット。


 メリットは星は生成に一定の魔力を取り出す。プロセスを詳細にすると、星を作ろうとすれば()()()()魔力を取り出して星が作られる、というものだ。

 つまり、本人は星の維持や指示をきちんと熟せば、勝手に星が魔力を消費して戦ってくれる。

 ()()()()()()()()()()()()()()()


 デメリットは星が壊れたら内包した魔力を全損する事、……だけだと思っていたが。


「よっしゃ!!やっと、魔力を出せた。やっぱり、諦めるべきじゃないな」


 チョロチョロと全身から魔力を出しながら、ファル君(笑)は喜んでいる。が、


「それは、漏れ出してるだけです。」


「んな訳ないだろ!!」


「制御できますか?」


「んなもん、星の維持はできるから余裕、よ…余裕ぅんんんん゙ん゙ん゙!!あ゙あ゙ああ!!!!」


「残念!!これが現実です。」


「何ッでだよー!!」


 とりあえず、おちょくってやったが。


「本当にこれ、どうすんだ?」

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