第7話 女と男、2人っきりで密室、何も起きない……だと!!
「いや、なんか来るのが遅いと思っていたのですが……」
リリーがドヤ顔?を決めながら壁が有った筈の場所に立っている。
自分が監禁室に入ると、壁がぶち抜かれて隣の監禁室と繋がっていたのだ。というか、真ん中に堂々と鎮座している便器は何だ?
「ちゃ〜んと、トイレは仕切りを置いたからね〜。もし、見せたかったら、真ん中の使ってね〜。」
「「…………」」
「フンッ!!」
バガァ!!
だ れ が つ か う か 。
「ああ〜、せっかく増設したのに〜。勿体ないな〜、………ま〜良〜か。んじゃ〜、2人でごゆっくり〜。」
───という訳で、レーファルと2人っきりにされたのだが、気まずい。
とりあえず、ベッドがレーファルの物と隣にされていたので担いで移動させておく。
「てめ「ライカです。」……ライカって力強いな。」
「……今、オークかよって思いましよね?」
「いや、そういう訳じゃねえから!?」
まあ、自分は心が広いからな、殺気を込めた視線を送る程度に留めてやろう。
それより、破れた手袋をどうにかしなければ、……魔力で糸を操作して編み込むしかないな。
ついでに障壁と反射の魔法陣も作る事にしよう。
「……器用だな。」
若干引きながらも、レーファルは自分の作業に魅入っていた。
まあ、レーファルに言われても、ねぇ?
「星を維持しながら動かしつつ、徒手空拳をする貴方も凄いですよ。バカですけど。」
「はっ?バカってなんだよ?」
「バカはバカです。星に遠距離射撃させて援護するくらい出来ますよね。」
流石に魔力弾で支援するくらいは出来ると思いたいが、
「……それはあれだよ。あれだよ、そのだな………あ〜……………。」
成る程?、数で押せばどうにかなると思って、何も考えずに突っ込んだという事だな。
『オヨヨ、黙ちゃたねぇ。ねぇ、今どんな気持ち?ねぇねぇ、今どんな気持ちな・の・か・な・あ・?君が良ければ教えてほしいなあ〜(瞼パチパチ)。』
───って煽り散らかしてぇ。ドン引き確定だからやらないけど、
◇◇◇◇◇
それから、自分たちは各々の時間──という名のボーッとする時間──を過ごしていたのだが
「なあ、デンカってさ魔法に詳しいんだよな?」
そう、レーファルが自分に話を切り出した。
「そうですが、何か聞きたい事があるのですか?」
「俺に魔法について教えてくれ!!」
綺麗な土下座と共に頼み込まれ自分は──
「それでは第一回、ライカの猿でも分かる魔法講座を開始します。」スチャ
「俺の事、馬鹿にしてないか?それとさ、その眼鏡どっから出した?」
魔力で造った伊達メガネですが何か?
「今回は星魔法に頼り切りなファル君に「おい」魔法の基礎を教えて上げましょう。さて、問題!!デデン!!なぜ自分は星魔法をチート魔法と呼称したのでしょうか?」
「え?ん~、分からん。」
ファル君(笑)は早々に考える事を辞めたようだ。
「はぁ………教え甲斐がないですね。仕方が無いので答えて上げましょう。1つ、四元素に加え四創界の内、3つの属性を内包した超複合属性だから。2つ、星魔法に於いて魔力出力は無いようなものだから。これが主な理由ですね。何か質問はありますか?」
「ライカ、四創界ってなんだ?」
そこからかい!?これだから学が無い猿は、
「なんか失礼な事、考えてないか?」
でも安心して、自分が1から丁寧に教えてあ・げ・る♡
「うえぇぇぇぇ!!」
「大丈夫ですか?」
「あぁ、すまん、急に気持ち悪くなった。」
何か変な物でも食べたのか?
「そんな状態で、本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。問題はない。」
「問題が無いのなら、続きをしますよ。気持ち悪くなったら直ぐに言って下さいね。ええと、四創界の話でしたね。四創界とは、光・影・時・空の四属性の総称です。」
「時と空は分かるけど、光と影って世界を作ってるか?」
ファル君──語呂が良いからそう呼ぶ事に勝手にした──が首をかしげながら質問する。
「そうですね。魔法学の理論に於いては四元素と、は光と影の複合とされています。4属性あるのは光と影の複合バランスによる物です。また、これは宗教的な話になりますが、この世にあるものは全て光と影の狭間にあるとされています。光だけの世界、影だけの世界、あるいはそのどちらも存在せぬ黒に包まれた世界では、光帝龍、影帝龍、時帝龍、空帝龍、そして龍神……邪龍を除く全ての存在は消滅すると云われて居ます。その為、光と影を含めて四創界と呼ばれているのです。」
「ほお、詳しいな。」
「ふふっ、これはあくまでも一般論でマイナーな物「いや、話さなくていい」……。」(._.)
──その時、自分たちは気づいていなかった。謎の植物が天井の割れ目から生えていた事に。
◇◇◇◇◇
時間は昼過ぎ、
「むー!!なんだよ、こいつら〜!?雄と雌!!一緒に監禁されたら◯ックスするしかないだろ〜。他人を汚す方法しか脳にないケモノの癖に〜、一丁前に魔法について語るなー!!」
いつもの定例会議をしようとリリーの部屋を訪ねたんだが───
「こいつ何やってんだ?」
「覗きじゃろ。」
そうかー、そこまで行っちまったか……。
「そっとしてやるか。」
「そうじゃな。」
虚空に向かって覗きをするなんて、疲れちまったんだろうな。
超高性能VRマスク+音を遮断できる布。
これさえ有れば、何時でも、何処でも、他人を気にせずAVを楽しめる──とでも思っていたのか!!