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第6話 星ってな、200、いや300?とにかくいっぱい属性あんねん

 



 先手必勝!!自分はレーファルと握手した手を引き、バランスを崩した所に空いた拳を打ち込みすぐに引いた。


「てめっ!?卑怯だぞ!!」


「ん~、自分はここはどういう場所か聞かれたから答えただけだぞ。油断したお前が悪い。」


「んだってえ……!!」


 ギシリと歯を鳴らしながらレーファルが自分を睨む。


「ほら来いよ、子豚ちゃん。いや、やせこけた豚なんて不味いし来なくても……」


『流れ星よ、我が願いを叶えよ

       ───星魔法 敵穿つ流星(シューティングスター)


 自分の言葉に切れたのか、詠唱と共に7色に煌めく刺々しい立体が4つ程レーファルが()()()()()()()()()()浮かび上がる。

 そして、詠唱が終わるやいなや急加速しこちらに飛んでくる。

 それぞれ、足、首、心臓、そして最後に円柱を描くような螺旋軌道だ。


 対して自分はまず、身体を左に傾け左腕を上げる。1つは頬を掠め、1つは脇を通る。足狙いは魔力を纏い蹴り砕く。遅れて飛来する4つ目は予想だがしゃがめば避け


『星魔法 星間(ロマンティッ)飛行(ク・フライト)


 突如頭上に影が


「ガハッ!?」


「これを防ぐのかよ、反応良いなてめえ。」


 振り下ろされた足を、咄嗟に交差した腕で塞ぐが無理やり押し込まれ、自分の腕と脳天に強い衝撃が加わる。


「くっ、ぁ゙ぁ゙ぁ゙ああ!!」 


 しゃがんだ状態から立ち上がると同時に裂帛を上げ放電するがレーファルはいつの間にか元の位置に戻っており、私の頭上には立体が残され


「っ!?」


星魔法 超新星爆発(スーパーノヴァ)


 間一髪、咄嗟に張った防御障壁で攻撃を防いだ。


「っぱ、詠唱無しだと威力が落ちるな。ていうか、てめえはさっきから反応が良すぎるんだよ。」


「……ふふっ、眼の良さには自身があるんで。」


 防げたのも立体、いや星の僅かな魔力の乱れを見れたからだ。教えてやるつもりは甚だないが。


 さて、どうしようか?完全に相手にペースを取られているが下手に攻めるのは得策ではない。

 星属性、火・土・水・風の4元素に加え、光・時・空──厳密には時・空の複合劣化属性の重力──の計7属性を持つ超複合属性。

 その性質上、複合した属性の単独使用に加え、氷や雷などの派生属性も使用可能だ。一応、『本人の努力次第。』と、頭に着くがそれでも中々にチートな属性には違いない。


 とは云っても欠点が無いわけではない。まず、生成した星を起点に魔法を発動しなければいけない事。


 次に、7つもの属性を内包した星属性は安定化が難しく、故に星の防御力は低い。特に魔法発動の直前はかなり脆くなっている。

 そして生成にはそれなりの魔力がいる。現にレーファルは星1個の生成に20分の1の魔力を使用していた。


 自分が破壊した1個と爆発させて1個。残り18/20、このまま粘り勝つ。


「……本気で行かせて貰うよ。」


 レーファルが瞬間移動に使った星を引き連れて突っ込んで来る。更には自分の後方にある、攻撃使った2つの星も飛んでくる。


 レーファルの徒手空拳、纏った魔力を水の様に流動させて受け流す。

 星の突撃、障壁で弾き返す。


 防御に回るが正直きつい。激しい攻撃でこちらが攻めきれない。更に星の突撃自体はただ魔力の塊を動かしているだけなので魔力消費が極端に少ない。相手をジリ貧にするつもりが、自分がジリ貧な状況にされた。


 救いがあるとすれば、レーファルも星の制御に手一杯なのか爆発や瞬間移動を使わない事か──


「くっ!?」


 しまった!!思考に耽り過ぎたか。顔に向かって放たれた拳に気づかなかった。


 咄嗟に腕で防御しようとしたが、なんと星が割り込んで来た。棘棘とした形状を持つが故に星は自分が纏った魔力の流れを引き裂き、腕に刺さらんと迫る。

 更にレーファルは直ぐに後ろへと距離を取った。恐らく爆発を使うつもりだろう。


 レーファルの策に対し自分は───


「……そりゃあ、失策だなぁ。」


「はっ?」


 思わず自分は笑顔になる。


 裂かれてしまった手袋、その穴から星を押し出す様に、いや、星を呑み込みながら魔法陣が展開される。星にぶつけるは反射魔法陣(カウンタートラップ)

 爆発の兆候である魔力の乱れ、それはすなわちレーファルは星の制御権を失っているという事。

 内包した全魔力を自分の糧(かみなり)へと変換させる。魔法陣から炸裂した雷光はレーファルの右胸に迫り、対しレーファルは腕を組み魔力を集中させた。


 しかし、間に合わず中途半端に纏った魔力の隙間を、重なった腕を突き抜ける。

 瞬間、レーファルの体はビクンと跳ね後ろに倒れ込み


「!?ぐうぅ!!っまだだ!!」


 そうになるがすぐに左足を引き無理やりたえる、更には自分の周辺に残った星を爆発させようする


「いや、終わりだよ。」


 が、星が唐突に全て霧散した。


「なっ……んで?」


「魔臓に魔力を叩き込んだんだ。そりゃ、止まるだろ。」


 至極当然の答えを聞き、まるで全身から力が拔ける様にレーファルは膝から崩れ落ちた。



◇◇◇◇◇



「いや、てめぇさ、強すぎだろ。」


「貴方が弱すぎるだけだと思います。」


 膝から崩れ落ちた後、俯いた姿勢になったレーファルが零した言葉に自分は返事をした。


「誰?」


「ライカですが?」


「喋り方というか、雰囲気違くねえか?」


「戦闘中はテンションが上がっているので。」


「変わり過ぎだろ。」


 一応、戦闘狂(こんなん)でも貴族教育は行き届いているようで、癖で敬語になってしまうのだ。


「いやさ、なんで星が飛び交ってる中で普通に防げるんだよ。」


 それは流石に買い被り過ぎだ


「きつかったですよ。なんか、チート魔法の癖に戦い方が泥臭くて勿体ないなと思って、集中しきれなかったので。」


「なんだよ、その理由。ていうか星ってチートなのか?」


「親に使い方教わってないのですか?」


「いや、『末っ子の癖に当主に選ばれやがって!!』って兄貴に言われて村から追い出されて。」


「……お兄さんの属性は、」


「1番上が空間、次男が氷、三男が影、後は……」


「もういいです。」


 1番上の空間使いに嫉妬でどっかに飛ばされたという事か?というか、影属性て、ただでさえ星属性が生まれる確率は低いのに、光と相反する影属性を血に入れるって……。只人ならいざ知らず、当主としてはあまりよろしくない行動だ。

 よっぽど魅力的な人が居たのでしょうか?


「はぁ………、もし親に教わってたんなら、星間(ロマンティッ)飛行(ク・フライト)で帰れたのか?」


「無理じゃないですか?星魔法は星が魔法発動の起点なので、村に設置しないといけないです。星魔法を使うなら、流れ星に願いを叶えてもらうみたいな魔法を習得するのが良いかと。」


「てめえ「ライカです。」……ライカって俺より星魔法に詳しくないか。」


「ふふっ、戦闘狂かつ魔法ヲタクなので。」


「ヒューヒュー、焼けちゃうな〜。このこの〜。」


 いつの間に来たんだ?リリー(こいつ)


「「…………」」


「そんな君達の為に、部屋を一緒にしてあげよう〜。」


「「……?はぁっ!?」」




 ここまで見てくださりありがとうございました。これにて、毎日投稿は終了致します。

 以降は不定期で連載を続けようと思います。 


 作者のモチベに繋がるので、この作品を気に入った方は是非ともブクマやいいね等をしていってください。

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