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金の支配が行き着く場所

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

多分、生々しい話……だと思います。

久方振りに会った彼女は少しだけ窶れた顔をして、少しだけ憔悴した肉の付き方をして、俺の顔を見た。世の濁りを目に写した様に、暗く、光がない双眸だけは前と変わらず。相変わらず、現実の生々しさと対峙している様だ。

「奢ってやる」

「あぁ、それくらいは自分で払いますんで、お構いなく。偶には誰かと同じ釜の飯を食うのも悪くねぇですわ」

そう言うと、俺は近くの定食屋へと彼女を誘った。質より寮で攻めたコスパ重視の盆に乗った料理達。彼女は特段嫌がる素振りもなく、後を着いてきた。

彼女は席に着くなり軽く伸びをすると、徐に口を開く。

「お前様、あんまり軽々しく『奢る』なんて言葉は使っちゃいけねぇ。お金って怖ぇのですよ。人格なんて平気で変えちまう。……対等な関係を気付く為にも、お前様に奢られるつもりはありゃせんよ」

彼女は軽くメニューに目を走らせると、直ぐに此方へ渡してきた。食べるものが決まっている奴の行動だった。俺も適当に目を走らせながら、溜息を吐く。

「そこまでガリガリな姿を見たら、何かしら食わせねぇとと思うだろうが」

「あぁ、これですかい? 何、私は料理よりも酒の方が好み出してね。ついつい伽藍堂な胃を、酒で満たしてやりたくなるんですわ。お前様、決まりましたかい?」

「あぁ」

彼女は俺よりも、一回りも二回りも細い二の腕を折り、軽く胎を撫でる。服で覆われているが、緞帳捲れば薄っぺらい壁があるだけなのだろう。

手を挙げて店員を呼び寄せると、豚の生姜焼き定食を、俺はトンカツ定食を頼んだ。

「あぁ……なんでしたっけねぇ……。『俺は金が一番怖い』って言っていた、あの昔話。本当、お金って怖いんよ。嘘でも何でもなく、ね」

彼女は欠伸混じりに肩を回すと、光がないながらも真っ直ぐな目で俺に忠告した。

「だから、崇拝しながらも、支配されちゃいけねぇんですわ。そこんとこ、宗教と全く同じ。ところでお前様、カルト教にはお気を付けて。金の支配が行き着く場所だ」


離れて暮らす彼女の兄がカルト教にめり込んだらしい。酒も肉も経ち、稼いだ金は全て教団に注ぎ込む。それを見ていたら、彼女の行いにも意味がある気がした。

べらんめぇ口調ってこんな感じでしょうか。

焼ききれなかった蜘蛛の糸 の子と同じ口調な気が。

宗教本を食事処に放置する、という場面も浮かびましたし。

同一人物かな?


んな事は置いとて、お金は好きそう。

彼女が宗教に例えた事からもお分かり、『崇拝はしても支配はされるな』という言葉通り、『脳内MAX金!!』という訳ではなさそうです。


それは彼女の兄がハマったカルト教への反発とも取れますね。

酒や肉を禁止されているのに反発し、飲んだくれて肉を食らう。

お金の事を愛しても、理性が壊れる程に支配はされない。

君との良好な関係を保つ為に、金は必要なんだという思考そう。

それは奢られるの嫌がる事からお分かり。


やっぱり、蜘蛛の糸のあの子じゃないかな……。


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