vol,2
オレは、《神》と名の付く本は、誰かに取付かれたように探した。
そうしたら、ある本の1ページに気になることが書いてあった。
《生きものは、すべて、神々が生み出した。その神に最も愛された者が2人いた。1人は、天界の鴉。ゼロ。もう1人は、人間界の蒼獣…》
読めない…。
そこから先は、字がかすんできて、読むことができない。しかし、胸が高鳴る。
(何だ?うずく感じは…?)
高鳴る鼓動を押さえながら、必死で本を読んでいく。
《神は、天界の鴉に人間界を監視することを命じたという。人間は、神が生み出した中で、一番、出来が悪かった。なぜなら、神が予想していた以上に、人間は、優れていたからだ。
【言葉】コミュニケーションという、独自で生み出したこと。そして、それにより反乱が起きることを神が恐れたからである。だから、監視することを命じた。》
(まるで、歴史を勉強してるみたいだ。)
《人間界の蒼獣は、神に監視することをやめるように、楯突いたのだ。蒼獣は、神に同族を信じてほしかったのだ。しかし、神には、それがわからなかった…。神は、蒼獣に、死を与えたのだ。》
ズキッ!!!
「うっ!!!」
感じたことのない痛みがケイスケを襲う。
しかし、ここは、図書館、大事には、したくない。
必死で歯を食い縛る。
数分、だんだん痛みが和らいできた。
オレ自身、落ち着きを取り戻した。
(何だったんだ?今のは…。)
とにかく、ここを出よう。