表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
72/94

deta,71:今回もやってやるぜ!!



「エレイン……あなたが恋した相手って、私達と同じ女の子なの……!?」


「そう。だから悩んでたの。だってあたし、あの氏仲(うじなか)のせいで男嫌いになっちゃってから……男相手に恋が出来なくなっちゃったもの。そしたらミコトが……男勝りな性格の女の子で、気付いたら騙すつもりがどんどん惹かれていっちゃって、もうどうしようもなくなったの!!」


 エレイン・ローレンスの悲痛な叫びは涙に変わる。


「そんな……!!」


 セレア・メイランドは愕然とする。

 まさかエレインの男嫌いがそこまで重症だったとは、思いもしなかったからだ。


「その子、ミコトって言うのね……」


「うん……ユウキ・ミコトって言う名前……」


鮫島(さめじま)さんが狙っている女の子ね……」


「ミコトを鮫島なんかには渡したくない!! もしミコトの身に何か起きたら、あたしがミコトを守るわ!!」


「……落ち着いてエレイン……ひとまず少し眠ってから、一緒に考えましょう」


「うん……」


 こうしてセレアとエレインは、二人一緒にベッドへ横になった。





「今日の典礼に、エレイン来てなかったな。何かあったのかな」


 典礼の後片付けをしながら、悠貴美誠(ゆうきみこと)がラフィン=ジーン・ダルタニアスに訊ねる。


「時には休むこともありますよ。あまり気になさらずとも宜しいのでは?」


「そうだな。何か別の用事でもあっただけかもな。明日になっても連絡なかったら、俺から電話してみるよ」


「ええ。そうなさい」


 ラフィンは言うと、ニッコリと笑顔を見せる。

 ちなみに水沢堂魁(みさわどうかい)は、昨夜の後もあって寝不足で、リビングのソファーで眠っていた。


「典礼お疲れ様二人とも。もし良かったら、どちらか一人草むしりをやってくれんかね? 夏場の雑草はむしった側からまた生えてくるから、きりがなくて困る。わしは畑をいじるから、草むしりは教会周辺で構わんのだが」


 麻宮清(まみやきよし)神父が姿を現して、そう二人に告げる。


「あ、じゃあ俺がやるよ!」


 美誠が草むしりを引き受ける。


「では私は室内の掃除を」


「そうかい。じゃあよろしく頼むよ美誠ちゃん」


「は~い!」


 麻宮神父の言葉に、美誠は元気良く返事をした。



 ゴーガーゴーッ!!


「ぅう~ん……」


 ガタン、ゴトン、ガーゴーガーッ!!


「……――ちょっと! うるさいわね! 人が寝てる所で!!」


「掃除機をかけているのですよ。そんなに眠いのなら他所で寝たらいかがです?」


「……そうね。じゃあ美誠の部屋に――」


「あなたが学生時代に使っていた(いわ)く憑きの部屋でお眠りください」


「誰が曰く憑きじゃコルァ!」


 ラフィンの嫌味に、魁は目を吊り上げた。



 美誠は道路沿いの草むしりに取り掛かっていた。

 首にかけてあるタオルの端っこで、顔から噴き出す汗を拭う。


「ふぃ~、しっかし今日も炎天下だなぁ」


 立ち上がって、積乱雲を目にしながらぼやく。


「頭から水かぶりてぇぜ」


「かぶせてやろうか小娘」


「おぅ! 何だ魁も草むしり手伝ってくれるのか――」


 背後から声をかけられて、美誠は振り向いたが。

 そこに立っていたのは、黒い眼帯を付けた鮫島だった。


「鮫島……っ!!」


「この前はよくもやってくれたな」


「フン、今回もやってやるぜ!!」


挿絵(By みてみん)


 美誠は吐き捨てると同時に、鮫島の顔へと拳を振るう。

 しかし。

 パシッと片手で受け止められてしまった。


「お前の強さは、ある程度の距離からでないと、勢いが出ない」


 鮫島は彼女の拳を握り締めると、ググッと外側へと捻りを入れる。


「――ック! は、離せ……!!」


「俺を一度倒したからと油断したか? ――馬鹿めが!!」


 鮫島は勝ち誇った顔で声を大にすると、首根に手刀を叩き込んだ。

 これに美誠の視界はフェイドアウトされ、気を失った。




 一時間以上経ってもこの暑さの中、美誠が戻らないのでラフィンは熱中症を心配して、外へと出てみる。

 そして教会の敷地内を見て回り、道路沿いも探してみたが姿が見えない。

 草もボウボウで、時間の割には半分もむしった形跡がない。

 ラフィンは麻宮神父がいる、畑の方へと行ってみた。


「麻宮神父。美誠を見ませんでしたか?」


「いいや? こっちには全然来てはおらんよ?」


「そうですか……もしかしたらお手洗いかも知れませんね。戻ってみます」


 そう言ってラフィンは畑を後にして、来た道を戻っていたがふと何かが側溝に落ちているのに気付く。

 それは、美誠が首にかけていたタオルだった――。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ