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禿のための異世界転生  作者: ネロ
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プロローグ

精神のあり方は数多くの哲学者や著名人により様々な定義をされてきた。例えば「健全なる精神は健全なる身体に宿る」 などは私でも聞きかじったことがある有名な言葉であり至言であると実感せざるをえない。


まあ、何が言いたいかと問われれば「肉体がなければ平常な精神を保っていられるはずがない 」

ということである。


私はしがないサラリーマンであったが、通勤の折にトラックにひかれてしまったのである。

漫画や小説のような展開であったが肉体から精神、魂と考えられる部分がするりと抜ける音がしたと思った次の瞬間、当たり前のように私の目の前に神が佇んでいた。

ここまでくれば鈍い私でもわかる、神様転生もしくは異世界転生と呼ばれるジャンルである。

神様は何をするでもなくその場におられ、一言も発してはいないのだが、私のweb小説知識ではチートまたは特典と呼ばれるものを選ぶ時間である。

人生の中で感じたことは無い興奮を感じながらどのようなチートがいいだろうかと真剣に考えていく。

肉体特化の物理攻撃チートがいいだろうか? はたまた知識・情報チートにして軍師的な立場になるのはどうであろうか? などなど考えたがどれもしっくりと来ない。

どのチートも不安な想像ひょっこりと顔を出すのである。肉体的に最強になったら、なんでも知っている賢者になったらどのようなことになるのか? 頼られるのである。

人ができないことをやるということは、オンリーワンであるということは「替えが効かない」ということである。

当然のことながら仕事量は激増するし、仕事をしなければ評価が下がっていく。「ノブレス・オブリージュ」持てる者の義務というやつである。

評価を気にしないほどの精神力があれば問題ないのだろうがそのような精神力は私にはない。

一旦考えを戻して、私が異世界で何をしたいかを考えることとする。

異世界では働きたくないし、お金が欲しい、旅行にも行きたい。思考が完全に疲れたサラリーマンである。まずは疲れをとるところから始めなければいけないか......

疲れをとるか!? 圧倒的なひらめきである。そうだ回復チートがあるではないか!

病気やケガに対して絶対の力を持つそのチートは異世界という危険極まりない世界では安心感があるし、何よりも回復に関しては教会が主導していることが多い(web小説調べ)、つまり大きな会社に入るようなものである。当然のことながら福祉は充実しているだろうし実力があればお金だって多くもらえるだろう。

はじめは忙しく働かなければいけないが偉くなってしまえばそんなに働かないで問題ないだろう。

人気になれば王様などにも治療に行くかもしれないし、なんだったらヒーラーとして勇者のパーティーに入るかもしれない......

危険である。勇者パーティーなど狂気の沙汰である。

なぜ少数VS魔王軍をやらせようとするのか?

普通の軍隊では回復役は後方待機であり怪我をして戻ってくる兵士を治療するのが役割である。

ヒーラーが前線に出るなど狙ってくれと言っているようなものだ。なんだったら勇者よりも死亡確率が高いかもしれない......

さすがに死にたくないし他のチートにしたいが発想自体は間違ってなさそうであるので視点を変えることにした。

ひとえに医者といっても数多く存在する、歯医者、眼科医、耳鼻科......

であれば、怪我等に関係がないプロフェッショナルになればよいのだ。


「髪の毛を生やす能力をください」


次の瞬間私の意識は暗転した。














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