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音楽コラム 『ロックの歴史』 -時代を彩る名ミュージシャンたち-  作者: Kobito


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第41回 アニメ『けいおん!』の楽曲のギターリフや曲調はこのバンドの影響が大きいかも知れません。 ブルー・オイスター・カルト 1972年~

ブルー・オイスター・カルト(Blue Öyster Cult)は、1960年代後半から活動を開始した、アメリカの古参のハードロック・バンドの一つです。(アルバム・デビューは1972年。)

時代的には、ディープ・パープル、ブラック・サバスなどと並ぶ、ハードロック初期にその土台を築いた名物バンドという位置付けです。


楽曲の特徴は、シンプルでリズミカルなギターリフを、装飾的な編曲で強調して行く、商業ロックのはしりと言える活気のあるサウンドにあります。ただし、日本での知名度は、例示した2バンドにかなり劣りますし、後進への影響力という点でも、それほど大きいわけではなく、しかも、正直に言うと、私はこのバンドの愛聴しているアルバムが一枚しかないという、本コラムで1回分を割いて紹介してもいいものか躊躇するバンドでもあります。


なぜそういう思い入れの少ないバンドを紹介する気になったかというと、このバンドの歪みを利かせたギター・リフや、それにからむエレキ・キーボードの丸みのある響きの心地良さが、一時期私がはまって観ていたある日本のアニメの、人気を博した作中曲の特徴に非常に似ている事に気が付いたからです。


そのアニメのタイトルは、『けいおん!』といいます。

内容は、女子高校の軽音楽部を舞台にしたコメディで、2009年から2010年にかけてテレビ放送されていました。

音楽をテーマにしたアニメ、それもロック系のバンド活動をテーマにしたアニメというのは、長い日本のアニメ史の中でも意外と珍しく、アニメーションやシナリオ、作中で用いられる楽曲群に至るまで、完成度も高かった事から、アニメが放送されていた時期には日本でちょっとしたガールズ・バンド・ブームが起こったようです。

海外でもこの作品に対する評価は非常に高く、楽曲を海外のファンがカラオケ・カバーした動画が、動画サイトで多数公開されているのを今でも聴く事ができます。


アニメのシナリオ自体は、ほのぼのとした日常の出来事を楽しむといった内容で、必ずしも音楽が主軸のテーマとは言えないんですが、作中曲、特に、オープニングとエンディングに用いられた楽曲(『Cagayake!GIRLS』、『GO! GO! MANIAC』、『Listen!!』、『Don't say lazy』『No,Thank you!』など)は、ギザギザとエッジの効いた推進力のあるギターリフと、自由奔放な歌詞が組み合わさった本格的なロック曲(ギター・ポップ)で、アニメのゆるさと楽曲のカッコよさのギャップの魅力も相まっての人気の高まりだったように思います。


で、そのけいおん!の楽曲は、威勢のいい曲調でありながら、ちょっと哀愁を誘うマイナーなギターコードが強調されている所と、シンセサイザーのアタックの強い音色の絡み合いに特徴があって、私もその刺激に強く惹かれたんですが、これらの特徴は、ブルー・オイスター・カルトの楽曲、特に、1974年のアルバム『Secret Treaties』に収録された楽曲群に非常に近いものがあるんです。


「Career of Evil」、「Dominance and Submission」が、最も類似が分かりやすい楽曲ですが、こういうリフや響きを特徴としたバンドって、意外とありそうでないので、もしけいおん!の楽曲が持つ独特のリフや響きに魅せられた人で、洋楽で似たサウンドのバンドがいないか探そうとする人がいるなら、ブルー・オイスター・カルトの『Secret Treaties』を聴いてみると良いかもしれません、という事が言いたくて、今回はこのバンドをコラムで採り上げる事にしました。


また、『けいおん!』を観たことがない、という人には、レンタルなどで観てみる事を合わせてお勧めします。観ているうちに、自分も楽器を弾いてみたくなる、ロック&ギター・ポップへの愛情を感じる楽しいアニメです。



挿絵(By みてみん)



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