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players   作者: 波瑠諏
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第一話  緊急クエスト

 どうも波瑠諏です。今回が初投稿なので色々とおかしな点があると思いますが、ぜひ楽しんでいってください!

 俺の名前はショウ、東郷晶だ。これは俺の身に起こった少し不思議だが本当の話だ。少し長くなるかもしれないけど聞いて欲しい。

 そう、それは高校三年の夏の頃の話だ......... 

 


 はぁ...今年の夏が高校生最後かぁー...憂鬱だ、とても憂鬱だ。きっと小学生の頃の自分は高校最後の夏にまさかリアルの友達もいないで独りでこんなにオンラインゲームにのめり込んでいるなんて思っていなかっただろうな。あの頃のなにをやるにも自身に満ちあふれていて、クラスの学級委員なんかもやって...あの頃の自分が今の自分を見たらと考えると情けない...などといつものことながらパソコンの画面に向かい合いながらショウはふと思う。しかし、俺はゲームをやめない!なぜなら、俺がゲームをやめられないのも全部このゲームが面白すぎるのが悪いと思っている。ちなみにこのゲームはゲーマーの中で密かに流行っているetoile(エトワール online(オンラインだ。主にモンスターを狩るゲームだがモンスターや街の設定などが丁寧に作られており自由性が高いことで注目を集めている。そしてこのゲームの一番の特徴は一度死ぬとデータが消えはじめからになってしまうことだ。この他のゲームでは決して味わえないスリルや臨場感を楽しみたい人から多くの人気を集めているのだ。俺はこのゲームがリリースされた二年前の夏からどっぷりハマってしまいやめられないのだ。

 ショウはお気に入りのヘッドホンを付けパソコンの横にちょっとしたお菓子とコーラを置きエトワールオンラインを始める。

 


 「よし!あいつらも多分待ちくたびれてる頃だし早くいくか。」                    


 ゲームにログインしてまずショウは真っ先にこのゲームの中心部の街、グランシャリオにある小さな酒場へ向かう、その道中には冒険を初めたての初心者のプレイヤーから多分相当やり込んでいるであろう上級者プレイヤーまでたくさんのプレイヤーが居た。そして、いつもの待ち合わせの酒場に着くとそこにはいつもの二人が待っていた。 



 「よう!ショウ今日はいつもより遅いじゃねーか!もー少し遅かったらおいてくところだったぜ!」

 

 「ごめんごめん!昨日もあの後独りで狩りし続けてたから寝るの遅くなっちゃて寝坊したわ」

 

 「ショウ君も来たことだし今日も三人で狩り行きますか」



 ちなみにこの二人はもう軽く2年くらいの付き合いになるオンライン上の友達だ。一人目の元気のいい方の奴はカケルだ。カケルは俺がオンラインゲームを初めたての頃に一緒に狩りをして仲良くなり今ではほぼ毎日一緒にやってる仲だ。カケルは自分ではもう二十歳になっていると言ってるが正直いちいちの言動がどこか子供っぽい。しかも、少しわがままで面倒な奴なのだ。でも、時には頼りになるから憎めないのだ。カケルはおもに剣などを使いどんどん攻めたり敵の注意を引いたりする前衛のプレイヤーだ。

 そして、二人目の見るからに優しそうで品行方正そうな少年はユウキだ。ユウキとはカケルと一緒に狩りをしている時にユウキが大量のモンスターに囲まれているのを助けてからこうやって一緒にゲームをするようになった。ユウキは今高校生らしいがよっぽど俺やカケルなんかよりも大人っぽい。しかも、見た目の通りあまりというか全くもって接近戦が強くないなのだ。しかし、弓やトラップなど後方支援を得意としている。まぁこんな感じでほぼ毎日三人でここに待ち合わせをして狩りをしている。三人ともなんでこんなに毎日ログインできるかは決して誰も聞こうとはしない、いやまぁ聞いたらどうこうなるというよりか、聞かないのがお互いのためだと思っているんだと思う。 

 三人は今日もクエスト掲示板にクエストを探しに向かう。俺たち三人のパーティは弱くはないが決して強いわけではない。今までも三人で大型モンスターは倒したことはあったがいつもギリギリの戦いになっている。しかも、初めてチャレンジしたときは三人揃って全滅し,始めからになっているのでそう迂闊に大型モンスターに挑戦するわけにもいかない。

 


 「で、ショウ君今日は何をやりますか?またバロンガの群れでも狩りにいきますか?」

 

 「そうだなー、正直今ルピも多くないしルピ稼ぎにでもバロンガ狩りにいくか...」


  

 バロンガとはどことなくライオンに似ているところがあり、肉などは食べなく草を食べ、こちらから攻撃しない限り攻撃をしてこないおとなしい性格のモンスターだ。そして少しアホ面をしている。少し強くなった冒険者達には苦ではないがその数としぶとさからあまり好かれておらずいつもこのバロンガの群れのクエストは残っている。でもそのせいか報酬の方もそこそこいいのだ。

 するとすかさずカケルが口を挟んでくる

 


 「まぁーたバロンガの群れかよ!今週何回目だ?このままいくと俺達バロンガ狩りの名人になっちまうんじゃないのか?」

 

 「いや、まぁ確かにそんな称号貰っても嬉しくないかもしれないな」

 

 「そうですかね?バロンガ狩りの名人ってのも悪くないと思いますけどね!」

 



 ユウキは冗談半分でこんなことを言っているがカケルがこのような不満を漏らすのもしょうがないことだと思う。事実今日が金曜日なので月曜日から数え始めてももう3回バロンガの群れを狩っているのだ。


 

「まぁカケルの言うこともわからなくないがとりあえずバロンガ討伐行ってから次を考えるってことにしようぜ!十分な装備を揃えてからじゃなきゃ正直不安なんだよね....中の上くらいのモンスター狩るのってさ。その為のルピ稼ぎってことでねっ!」

 

 「まぁショウ君がそういうんだったらそうしますかね!何事にも準備万端で挑むことはいい心掛けだと僕も思います!」

 

 「いったな!じゃーバロンガ倒し終わったら絶対ボスモンスター攻略だからな!絶対だぞ!!」

 

 「いや、ボスモンスターとは言ってないんですけどぉ......まぁこうやってカケルのやる気も出たことだし各自装備を整え次第出発するか!」



 ショウはアイテムポーチに回復薬やロープ、砥石などを詰め込んだ。そして、バロンガの皮を使って作った革靴を履き軽い鉄でできている鎧を身につけた。ショウは兜や帽子が嫌いなのでいつも付けないのだ。そして、大剣を担いだ、慣れない重さなので少し動作が難しい。装備の準備が終わりまたあの酒場へ向かうとそこには各々準備を終わらせたカケルとユウキが待っていた。すると真っ先にカケルが声をかけてきた。

 


 「おぃショウなんだよそのでっけ―大剣はよう!お前いつも弓はどうしたんだよ?」

 

 「あーこれかまだ言ってなかったっけ?これはまぁあれだ.....いつもお前が独りで前衛をやってて負担がすごいだろうから俺も剣士の方に転生したんだよ。正直まだ慣れないことだらけで足引っ張るかもだけどな..まぁ昨日の夜に割とたくさん練習したから大丈夫だろう!」

 

 「ショウ君転生したの!?転生ってすっごい条件が厳しいし一回しかできないんじゃないの?」

 

 「まぁ俺もこのゲーム初めて二年くらい経つからこの位わね....まぁ細かいことはいいんだよ!速く行こうぜ!大型モンスターやるんだろ?」

 

 「ショウーお前本当いい奴だな!俺は今猛烈に感動しているぞ!任せとけ...任せといてくれ!このカケル様が剣士の極意を1からレクチャーしてやるよ!」

 

 「それは頼もしいな。じゃー色々よろしくな!」



 こんな会話にも一段落付き三人はバロンガの群れが生息しているというデネボラの丘へと向かった。バロンガが思いのほか数がいなかったのと前衛が二人になっということもありいつもより早く討伐が終わった。クエストをすませた三人は戦利品を持ち再びグランシャリオの街へと帰還した。



 「いやぁ本当にバロンガはちょろいな。そろそろバロンガ狩りも卒業しようぜ?」

 

 「そうだね、カケル君の言う通りそろそろ僕らももうちょっと上のモンスター討伐もいいかもね!」

 

 「じゃー明日から本当にお金に困ってるとき以外バロンガ狩りには行かない方向性で行くか」



 その時だった......


 

 「ここにいる全冒険者に依頼したいクエストがあります!これは緊急クエストです!初心者の方や、やりたくない方はやらなくても結構です。ですが、報酬の方はたっぷりと払わせていただきます!内容はここにある紙に書いてあるので挑戦される冒険者の方はこちらの方へお集まりください!!」


 

 と、この酒場の看板娘と言われている黒髪ロングの女の子が言った。いつもは品がよく優しいこの子がここまで焦っているのは初めてのことなので酒場全体にも少し緊張が走った..


 

 「なんだなんだ??緊急クエストだって面白そうだし行ってみようぜ!?」

 

 「こんなこと二年間やってきたけど1度もなかったぞ...どうなっていると思うユウキ?」

 

 「そうだね...ショウ君の言う通りこんなこと初めてだよね。でも行ってみないと何もわからないままだしとりあえず行ってみよう」



 ショウ達が向かった先には見るからに強そうな防具に身を包み自分たちとは比べ物にならないくらいの装備をしている冒険者達が何人かいた。そのなかにはショウ達くらいのレベルであろう冒険者もたくさんいた。そして、そのクエスト募集の紙にはこう書いてあった。

 

 

 〜〜本日19時30分にグランシャリオから見て東の果てにあるベネトラ村に突如現れた人型モンスターの討伐  報酬:50万ルピ 勇気を持っている全冒険者諸君頼む。討伐してくれ。〜〜



 この紙を見た冒険者全員は一斉に動揺し、騒ぎ始める 


 

 「おいおい、50万ルピってマジかよ...ここにいる全員で山分けしても1人1万ルピはくだらないぞ。さすがにこれはヤバすぎると思うんだけど、どうするカケル、ユウキ」


 「どうするって馬鹿かショウはこんなにうまい話が他にあるか?周りの奴もこんなに強いんだ一緒についてくだけで1万ルピだぞ!?これで俺らはバロンガ狩りとはおさらばだぜ!?行かない訳がないだろ?」



 カケルの言うこともわからない訳ではない。でもこれはさすがに話がうますぎる....しかも、多分初であろう緊急クエスト。ショウが1人でぶつぶつと言っていた時にユウキが言った。


 

 「行ってみないか?確かに危険かもしれない。データも消えるかもしれない、でも現実の僕たちが死ぬ訳じゃないんだよ。正直行く価値はあると思うよ。いや、僕は行きたいと思っている」


 「おぉっ!ユウキはショウと違って話が分かるのが早いな!さすがだぜ!で、ショウお前はどうするんだ?一人でシッポまいて逃げるか?」


 「わかったわかった、俺も行くよ」カケルは絶対行きたがると思ってたがユウキがまさかここまで行きたがるとは正直思ってなかった...

  

 


 この報酬の量を見せられてやめる人もでず、ここに集まった42人は全員行くことになった。なかには止めようとしていた人もいたが仲間に説得されたのかいやいや参加している人もいた。その嫌な気持ちはわからなくはない、だって今までやってきたデータが消えるのだから.....

 その時だった!一人の大男が机の上に立ち上がり言った

 

 

 「よし!じゃーここにいるこのメンバーで討伐しに行くんでいいんだな?!俺の名前はグルトだ!今回この攻略隊の指揮を執らせてもらおうと思っている。いや、指揮を執る!文句のある奴は名乗りでやがれ!!」


 「なんなんだよあいつ偉そうにしやがって!なんで俺らがお前の指示に従わないといけないんだよ!」


 「え?!待ってカケル君!まさかあの人のこと知らないの?!」


 「誰だよ。そんなに偉い奴なのか?」


 「あ!思い出したぞ、確か.....あの大柄でガタイの男、グルトって名前.....」


 「そうだよ、ショウ君あの人はこのゲームのランキング8位の人だよ..」


 「ま、まじかよ、8位とかどんだけの時間と金を費やせばなれるんだよ..」


 「よーし、文句のある奴はいないみたいだし今回は俺が指揮を執るぞ。じゃーまず最初に21人1チーム分ける。時間がないから早くしろ」



 そこにいた冒険者達は自然と真ん中で半分に別れた。もちろん3人は同じチームだった。ちなみにグルトとは別のチームになった。周りを見渡したところ、あまり強そうなプレイヤーはいなかった。そして、なぜかこちらのチームの指揮を流れからショウが執ることになった。

 なんで俺なんだよ..もっと強いプレイヤーはたくさんいただろ.....などとまたぶつぶつといいながらショウはグルトの横に立つ。



 「お前があっちのグループのリーダーだな!なんだか頼りなさそうだがまぁ大丈夫か。メンバーの振り分けも終わったことだし。作戦を伝える。一回しか言わないからよーく聞いておけ。まず俺達のチームが先に突っ込んでその人型モンスターをひるませる。そうしたら、すかさずショウ達のチームが突っ込んでいき全員でまとめてぶっ殺しにいくって言う算段だ。文句のある奴はいるか?」


 「おいショウ、こいつの言ってること単純すぎるだろ?本当にランキング8位なのか?」


 「まぁ大丈夫だろう....多分......何の確信もないけど....」


 「よし!誰も文句ないな!それでは十分後までに準備を整えてまたここに集合だ!最後に一ついいか.......お前ら勝とうぜ!」


 「おおおおーーー」


 

 それは酒場が壊れるかのような大きな雄叫びだった。ショウやカケル、ユウキも皆に負けない大きさで雄叫びを挙げていた。そして、そこにいた42人の冒険者達は各々の準備を一斉に始めた。回復薬を買うもの、武器の手入れをするもの、精神統一をするもの....その中で三人は先ほどののバロンガとの戦闘で切れた回復薬などの補充を行っていた。



 「本当にあんな奴について行って大丈夫なのかよ?あいつの作戦マジでまともじゃないぜ?」


 「確かにカケルにここまでぼろくそ言われているんだ。まともじゃないかもな...」


 「おいショウさすがにそれは馬鹿にし過ぎだぞ」


 「ごめんごめん!」


 「そんなことよりお二人さん今回のクエストなにか裏で起こってる気がするんですよね...」


 「裏って運営側ってことか?」


 「まだ詳しいことは何一つわからないですが多分絡んでいると思います.....」


 「まぁ今ここでペチャクチャ話してるんだったらとっとと真相を確かめがてらその人型モンスターって奴を狩りにいこうぜ」


 「そうだな、カケルの言う通りだな。行ってみなきゃ始まるもんも始まらないな」


 「そうですね!誰一人欠けずに帰ってきましょう!」


 「それは任せといてくれ。俺がリーダーを務める以上誰一人死なせはしない...絶対だ」


 「おっ!十分経ったみたいだな。ショウ、ユウキ行こうぜ!そしてここに帰ってくるとこはバロンガ狩りなんてしなくて済むように頑張ろうぜ!」


 「おう!」


 「うん!」

 


 


 



 











これからもこまめに投稿していく予定になっています。よければまた続きもよろしくお願いします!

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