マホウ
魔法の説明回です
マホウ…魔法…。
え、あの魔法?私使えるの?こいつぁ美味しいぞ!
「ミリアの魔力含有量、すごいんだ。多分魔法が使えるはずだけど…使ったことない?」
「ないです!ミミリアの記憶を辿っても魔法を使ったことはないみたいですよ。え、本当に私魔法使えるんですか?」
「うーん…魔法が使えないのに出かけるのは危険だね。しばらく修行してから出かけることにしよう」
「え、なんかごめんなさい。大丈夫ですか?」
「うん。魔法だとまずなにができるかを調べてから修行を始めるんだけど…魔法の修行は、ジンに任せてね」
「は?!俺かよ!ルイが見てやれよ。お前も使えるだろ?」
「僕のは弱いし、どちらかというと武術が得意だからさ!頼むって」
「ジンさんもルイさんも魔法使えるんですか?」
「あれ?さっき頭の怪我治してたでしょ?あれはジンの魔法、治癒魔法だよ」
「え、あれ魔法だったんですか?!すごいです!生で初めて見ました!」
「そ、そうなの?ミリアのいたとこでは無かったの?」
「そうなんです。私のいたところではどちらかというと科学っていうモノが進んでいて…私は文系なのでうまく説明できませんけど、こう電気がワァ〜ってなると作られた機械がガガーっと動くって感じです」
「雑な説明だな!電気っつったら光魔法使うってことか?」
「いやなんというか…そんな感じです」
文系の私には全くうまく説明ができないのでそういうことにしておこう。というか魔法はないって言ったのにさっき…ジンさんって多分バk…げふんっ
「とにかく、ミリアの使える魔法を調べないと」
「どうやって調べるんですか?」
「ジン、魔石一個ちょうだい」
「は?!俺のかよ!やだよ!ミリアお前金払え!」
「お金持ってないですもん!魔石ってなんですか」
説明によると魔石とは魔力の小っちゃい塊らしく、魔力を具現化したもの。これを使うと自分の魔力は少ししか使わないのにバァーンとちょっとした魔法が使えるという優れモノらしい。
「はあ、なんかすごいのはわかりましたが…これで私の力がわかるんですか?」
「魔石は魔力の具現化したときの不安定さが生かされたモノなんだ。これを掌で握り潰したときに漏洩してきた魔力が自分の魔力と合わさって魔法が使えるっていう原理なんだ。魔力を持ってる人は初めてのとき小さい魔石を潰したときに自分で使える魔法が発動されるんだ。浮遊魔法なら一瞬浮いたり、火炎魔法なら一瞬火が出たり、もちろん水魔法なら水が出てきたりね」
ほおほお、あの魔石を砕いた瞬間に己の中に眠っていた力が目覚めるのか…厨二病みたいだな…。
あれ?でもジンさんのは治癒魔法だよね?それはどうやって…
「なんだぁ?俺の顔見て。惚れた?」
「いや、治癒魔法はどうやって発動したのかなあって…」
「ツッコめよ!!恥ずかしいだろ!!」
「ジンは物心ついたときから治癒魔法が使えてたらしい。それにジンが使うのは治癒魔法だけじゃない。むしろ治癒魔法はサブの力だ」
「………。」
「おいジン、いじけてないでミリアに説明」
あんだけでいじけてるってガキ?!何歳かわかんないけどジンさんって中身相当子供だよね…笑い方もキモいし…。黒髪で少し親近感あったけど今はなんかめんどくさいという気持ちしかない。
「…ジンさん、治癒魔法以外は何が使えるんですか?」
「…炎だ。戦うときは火炎魔法を使ってる」
主人公!!主人公っぽい。炎って1番主人公っぽい。
ところで私はなんで魔法が使えるようになったんだろう、ミミリアの時には全く魔法の影も見えなかったのに。私の魂が入っちゃってから使えるようになったってことはそれと関係があるのかな?まあ丸腰状態よりなにか使えるものがなきゃ生きていけないしね。
ま、ラッキー!
「とりあえず、小さい魔石割ってみて。ジン、ちょうだい」
「くっそー…無い金をはたいて買ったってのによぉ」
「ジンさん頂きます!」
ジンさんの手から取ろうとしたその時——
バチッッ!!!!
「痛っ!!!」
「うおっ?!」
その魔石は確かに私の手をはじいたのである。
まるで“異端”とでも言うように。
ー
「神様、イレギュラーな能力を分け与えたのではありませんよね?」
「その世界に対応しない力を与えることは許されませんよ?」
「いや…知らなかったからさ!ね!てへっ」
「どうしてくれるんですか…こうなったら神様、あなた自身がどうにかしてくださいね」
「や、やだ!見捨てないでよぉ!!」
ルイはたくさん説明してくれるので助かります。
ところでジンはもっとかっこいい筈だったのにいつからこんな残念キャラになってしまったんだろう。