00:プロローグ
まだまだ青二才にして不定期更新ですが、よろしくお願いします!
遥か昔、『天使』『悪魔』『人間』は共に相反し、幾度となく戦争を繰り返していた。
ある時は、〖英雄〗が〖炎魔〗の率いる軍に一騎当千し…
またある時は、〖大天使〗と〖大悪魔〗がぶつかり合い、天変地異を引き起こし…
しかし、とある人間の言葉でその永い戦いが唐突に終止符を打つことになる。
『我らはそもそも同じ空、同じ地のもとに生まれたんだ。今更だが、なぜ争わねばならないのか?
否、元々争うのは恐らく罰当たりではないか?
皆で分かり合い、共存ることが道理であろう?』
その言葉が足がかりになったのか、3つの種族が共存しあう〖三種共存協定〗が設立された。
しかし、大半のものたちが賛同した協定も、必ずしも全てのものたちが賛同したわけではないことを、忘れてはいけない。
そして…物語は現代…
三種族が共存しあう世になっているであろう現代へ…
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賑やかな街並みが連なる夕暮れ時…
その一角に『鳴葉学園』という学園があった。
焦げ茶色の校舎が広い敷地に堂々と建っている。
その敷地内には他に体育館などがあり、立派なことはみてわかる。
その学園の屋上に、突如粉塵が巻き上がった。
屋上には二人の男女が向かい合って剣を構えていた。
男子の方は黒髪黒眼の細身で、手には「虎鉄丸」と書かれた木刀が握られ、右側を前に向けながら自然体で佇んでいる。
女子の方は、淡い青色の短髪で、両手にレイピアのような片手剣を構えていた。しかし、彼女には彼にはないものがあった。
背中に生えた白く輝く翼と、頭の〖天使輪〗がそれにあたる。
(全く…今日という今日は…)
少年は「虎鉄丸」をかまえながら少々やけ気味になっていた。
それも、今日という今日がそもそもの原因なのだが…
そうこうしているうちに、女性が床を蹴り上げこちらに勢いよく突撃してきた。
(何でこんなに悪運が付いてくるんですかねぇ!?)
剣と木刀がぶつかり合い、再び粉塵が舞った。
何故少年がここまでやけになっていたのだろうか?
それは…かれこれ数時間前の話である。