~赤~
~赤~
一般的なイメージは、
熱い、強い、危険、闘争、恐怖、派手、情熱的、明るい、華やか、活動的、興奮、愛、怒り、嫉妬、歓喜、緊張、エネルギー、血、太陽、炎、活気、野蛮、爆発、生命、残酷、出費、地獄、
中国では忠義、五行思想では火を意味し夏、南方をも表す。
主だった染料は紅や臙脂、朱である。
紅花から抽出された紅が最も古い染料の一つで効果で褪色も激しく、濃く染めるには金銭的にも技術的にも大変だった。だから紅だけで染めた色は『本紅』、茜や蘇芳で染めた色を『似紅』と区別されたこともあった。
ちなみに朱は硫化水銀の原鉱である辰砂からとれる顔料であり紅よりも黄味があり、日本で上質な辰砂が産出されたため弥生時代から使われていた。
赤はどの時代でも普遍的な象徴であり白、黒と並んで最も重要な色とされている。
特に哺乳類は血液の赤は重要であり、出産のときの血は生命の誕生を意味し、負傷による出血の場合は死を意味する。また血の色を見たら恐怖を感じるものもいれば闘争心を掻き立てられるものもおり、無意識に体が反応するらしい。
そのためか人類は赤の光りに対して血圧の上昇、脈拍の加速、呼吸数の増加、筋肉の興奮もしくは緊張を起こす。
『赤の生命と言う意味から力を与える』という考えの元、赤は古代から最強の呪術職として使われた。日本では巫女の服の緋色や紅色、萱草色が。また古代日本の戦場では体の各部位に丹色を塗り武運と安全を祈願したという。大昔、魔除けに朱の入れ墨をし、海に潜り漁を行ったという記憶もある。
日本は古代から崇拝してきた太陽神の天照大神の意味合いが強くあり、特に崇神天皇は疫病を鎮めるために従来宮中で祀っていた天照大神を各地に転々と移動させたことがある。
聖徳太子も「日出処天子……」と隋の皇帝への手紙へ書いたり、飛鳥時代末期に国号を日ノ本と命名したことから日本の太陽信仰の高さを表している。
赤には『明るい』という意味から「赤貧」「赤裸々」「真っ赤なウソ」「赤心」といった『正直さ』を意味することわざが多くある。
そして良いイメージが強い赤だが上記した通り『怒り』『嫉妬』『野蛮』『残酷』と言ったマイナスイメージもある。太陽との結びつきで生贄と言う意味もあった。
アステカ帝国では太陽が消滅するという終末信仰があり、人間の新鮮な心臓を神に捧げることで太陽の消滅を先延ばしとすることが可能と信じられていた。しかしアステカでは生贄にされるということは名誉であった。高潔で健康なものが生贄として選ばれその日までは丁重に扱われた。ちなみにインカ帝国では生贄にされるものは大切に育てられ、一定の年齢に達しても何もなかったら解放されていた。
それと、スクリーンセーバーが赤の場合記憶する作業の正確さが上がるそうだ。
そして赤などの部屋では実際の時間より約二倍に評価されることがあるらしい。日本のテレビ番組におけるインテリアの色と時間間隔の実験によると、赤い部屋と青い部屋でトランプを四十五分、四人の被験者が体験し、誰もが赤い部屋で時間が短く、青い部屋で時間が長く感じるという結果になった。
独自解釈
赤には太陽の意味があり、その象徴たる太陽神は皇帝を意味することが多かった。
太陽神と聞けばまず第一に浮かぶのはギリシア神話のアポロンやヘリオスだがこれは無視する。帝政ローマの時代はミスラやソールと集合し主神のごとく崇められていたが、ギリシア神話の最高神はあくまで天空神のゼウスであるため、ギリシア圏ではほとんどの者がゼウスを信仰していたからだ。
エジプトのラーやアメン、インカのインティなど、太陽神には皇帝との結びつきが強かったのが数多くある。また、軍神のウィツィロポチトリ、ヒンドゥー教のヴィシュヌは太陽神アーディティヤの一人とされ他の太陽神を取り込むなど、征服者としての面もあった。
そういった側面の多さから、私は赤に皇帝、権力と言った面々もあると思っている。