42話 年賀作成
年賀状作成
去年の事だ。正月も間近に迫ったこの時期。重要な相談があると、春男からメールが来た。緊急だというので、年末の忙しいときだというのに、慌てて行ったら年賀状の裏側のデザインがどれがいいかというものだった。
しるか!オレの年賀状じゃあるまいし!しかし、緊急だったのは本当だった。あと三日で正月になっていたのだから。そして、本当にオレが選んだ年賀がそのままオレの家に届いた。一筆添えて。
今年のこと。
『相談があるんだけど?』
春男からメールが来た。またか、とオレは思った。絶対に年賀だ。かけてもいい!春男の用なんてこんなものだ。
『年賀だろ。』
しばらく春男からメールが来なかった。都合が悪くなると返事をしてこないことがある。勝ったか?
『あたり。』
勝った!他にオレを呼びつける用事が見つからなかったらしい。実にわかりやすいやつだ。
『仕事が終わったら行く。』
言葉通り、オレは仕事が終わってから春男の家に向かった。去年は三枚だったのに、今年は四枚に増えている。来年は五枚か?そんな皮肉を考える余裕があった。
「それで、どれがいいと思う?」
どれもなかなかいいと思う。送る相手が春男の友人だけならどれでもいいに違いない。しかし、そうではない。四枚の中で一番落ち着きのある感じのものを選んだ。
「これがいいと思う。一番、落ち着いて見える。」
「わかった。」
あっさり決まった。そして思い出した。
「もしかして、今日、二十九か?」
「そうだよ。これから大量印刷して宛名の方も印刷して、一筆書いて出すんだ。元旦につかなくても、そのうちつくだろうから。」
春男はのんびりと言った。そりゃ、つかなきゃ、問題だろう。
「作品は?」
「まだ出来上がってない。」
オレとしては年賀なんてさておき、作品上げて欲しいのだが。そういっても絶対にいうことは聞かないだろう。それによく考えたらオレも年賀用、作ってない!いかん!
「オレ、帰るわ!年賀作らなきゃ!じゃあな。」
慌てて、家に帰った。帰るなり、パソコン起動。その間に、あれこれ。コートを掛けてみたり、手を洗ってみたり。それにしても、最近のパソコンは早いものだ。
春男の家ほど綺麗ではない部屋。いや、男の独り暮らしで、あんなにきれいなあいつのほうが絶対におかしい!寒い部屋。暖房もいれた。寒すぎて指も動かない。
そして思い出した。去年も春男が年賀を作っているのを見て、慌てて家に帰ったことを。
「まったく!自分のデザインも決まってないというのに!なんで、オレがあいつの年賀を決めなきゃならないのだよ!」
ぶちぶちと文句を言った。まだ家の中が暖まっていないせいか、文句を言うと息が白い。そのぶん、気分も落ち込むというものだ。
とりあえず、差し出す人を選んで、裏は適当に。オレには春男みたいにこだわっている暇はない。いや、本当は春男にもそんな暇はないはずなのだが。
そして、正月。春男から来た年賀はそのままオレが選んだやつだった。違うものになっていたら、来年からは自分で決めさせるのに!




