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31話 春男の友人

春男の友人


 春男はあまり外に出ない。それでも、三日に一度は食料を求めて、買い物に出ている。だから郵便が多くて三日分は蓄積されることになる。

 オレは春男の家に行くたびに、それらを持っていく。そのなかに、はがきがあった。普段なら気にもしないのに、目にとまったのはそこに、写真があったからだろう。ホストのような格好をした人たちが。

 オレのほうが絶対、ハンサムだ!

「春男、なんかきているぞ。写真つきで。」

 普段はなにが来ていても、あまり振り向かない春男がめずらしく振り向いた。オレがわざわざ、言ったからだろうか。

「どれ。」

 春男ははがきを見ていたが、しばらくして手紙入れに入れた。今の時代、手紙が書かれないといっても、まだはがき入れ用に売っているようだ。

「ホストか?」

 オレは、やんわりと聞いた。しかし、なんで、春男の友人のことを聞くのに、こんなに気を使うのだろうか。なぜか、気が引ける。

「うん。友人が店を開いたんだって。」

 あまり、春男の友人のことは聞いたことがないが、ホストがいたとは。

「そのホスト、全員か?」

 十人はいるぞ?とオレは目を丸くした。

「まさか。一人だけだよ。彼以外にホストの友人はいないね。ホステスさんならいるよ。しかし、これって男女差別な呼び方になるかな?」

「さぁ、どうだろうな。」

オレは思い切って聞いてみることにした。

「春男の友だちは、サラリーマンが多いのか?」

「そうだねぇ……サラリーマンもいるよ。でも、専門職のほうが多いかな。写真家に、舞台俳優に、料理人に、バスの運転手、電車もいたな。親の仕事を継いだ友人も結構いるしね。そんなもんかな?」

 春男も作家だ。専門職には専門職の友人が多いのだろうか。それにしても、こんなにバラエティーに富んでいるとは。ついでに、そんなにたくさんいたとは。知らなかった!

どうして長年、一緒にいたオレが春男の友人を知らないのか。

春男に同級生の友人は、ほとんどいないも同然だった。別にいじめられていたわけでも、嫌われていたわけでもなかったが、なぜか、春男の友人は年上か、年下ばかりだった。特に高校時代は。

先輩たちに敬意のある態度をしていたわけでもないのに、なんでこんなに年上の友人たちが多いのか、俺は不思議に思ったものだ。

ついでに、なにゆえ、年下にも慕われるのか謎だった。そんなにいい先輩という感じはしなかったというのが、オレの感想だ。

こいつに、同級生の友人がいるのか?ふと疑問に思った。

「同級生で連絡とっているのっているのか?」

「君くらい?」

あっさり言われた。オレはなんとなく、心中複雑な気分になった。いいのか、悪いのか。よくわからん。

「他は、途中で学校が変わったりして、疎遠になってしまったからね。ほとんどの友人は高校維持代と大学時代に集中しているよ。」

 そう言われてみると、オレもほとんどがそうだ。春男のような長い付き合いがある奴は思い当たらない。昔から仲良しというわけじゃなかったところがよかったのだろうか。

 それにしても、春男とは他の縁で会いたかったような気がする。


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