第6代帝王 ホノリウス1世
人名 = ホノリウス1世
異名 = 博士帝
各国語表記 = Honorius I
代数 = 第6代
在位 = 3270年4月15日 - 3281年2月4日
継承者 = レガリス1世
ホノリウス1世(ノ:Honorius I,)は、世界秩序ノヴァの6代ノヴァ帝王(在位:3270年4月15日 - 3281年2月4日)。
生来の並外れた頭脳により、ジャンルを問わず幅広い学問に精通し、ノヴァ大帝の博士版と称された。科学文明の黄金時代を再び地上に招来することを生涯の目標とし、その目標を達成するために帝王に即位した。
即位後は世界各地の黄金技術の体系化と改良を繰り返し、即位時は中世後期程度であった世界の技術レベルを、わずか11年で産業革命初期のレベルにまで押し上げた。しかし、3281年に新型の蒸気機関を視察中に動作不良による爆発事故があり命を落とした。これ以降技術レベルは再び低下をはじめ、オリハルコンにより第二次技術体系が確立されるまで上昇することはなかったため、ホノリウス1世の死は技術の衰退期における人類の最大の損失とされている。
== 背景 ==
有史以来いくつもの国家に区分されてきた世界を統一政体の元に置くということはたやすいことではなく、ノヴァ大帝からシトリウス3世に至る最初期の帝王は、確固たる統治体制の確立に奔走し、科学文明の黄金時代を再来させることは二の次と考えていた(そもそもノヴァ大帝は科学文明の黄金時代を再びもたらすために世界征服を開始したが、安定した統一政体なくしてその実現が不可能であることを十分に理解していた)。シトリウス3世の代になってようやくその統治が確たるものとなったため、晴れて黄金技術の研究開発に全力をそそげるようになったのである。シトリウス3世が帝王科挙の作問を政治や経済を問う従来のものと異なり、科学的な知識を重視したものにした背景にもこの事実が存在した。
== 生涯 ==
=== 最期 ===
ホノリウス1世の死は事故死であると広く考えられてきたが、歴代帝王の研究を行ったホノリウス12世は、『帝王列伝』で彼の死が自殺であった可能性を指摘した。そもそも第一次技術体系に基づいて技術を発展させるには石炭や石油などの天然資源が大量に必要となるが、科学文明の黄金時代やそれに続く戦乱の時代にそれらの資源は取りつくされ、ホノリウス1世の時代には技術を再生させられるだけの資源が残されていなかったのである。頭脳明晰であったホノリウス1世は帝王に即位する以前からこの事実に気づいていたが、それでもわずかな可能性に賭け、研究を開始したのであった。しかし、ホノリウス1世の予想どおり、産業革命期のレベルまではごく短期間に上昇した技術レベルも、それ以上上がることはなかったのである。その後もホノリウス1世は奇跡を信じて研究を続けたが、ついに3281年に黄金時代の招来が不可能であるという結論に至り、その絶望から自殺したというのである。しかし、資料としては蒸気機関の爆発事故で亡くなったという情報が残されていたのみであったため、この予想は飛躍しすぎているのではないかという反論が多く、今日でも事故死が定説とされている(ホノリウス12世は、ホノリウス1世が蒸気機関をあえて爆発するように稼働させ、それによって自殺したのだと主張した。その証拠に、ホノリウス1世は機械の扱いにも非常にたけており、誤って爆発させるようなことはありえないという点を指摘した。)。
== 伝承 ==
ホノリウス1世は、科学文明の黄金時代に関する造詣が深く、同時代の誰よりもその時代を理解していた。こうしたことから、以下のような伝承がトラデシオンで生まれ、世界各地へと広まっていった。
「ホノリウス1世が生まれたのは科学文明の黄金時代であり、孤高の学者として科学研究にいそしんでいた。しかし、企国闘争などによって技術が低下の陰りを見せると、時代に失望し、未来への逃避を画策するようになった。研究に次ぐ研究の結果、彼はついに冷凍冬眠装置の開発に成功し、再び科学水準が上昇するころまで冬眠することにした。そうして1000年以上もの間眠りにつき再び目覚めたが、科学水準は上昇するどころか低下したままだった。失望したホノリウス1世だったが、優秀であれば世界統治の全権を得ることができるという帝王科挙制度の存在を知り、自らが世界をけん引し、技術水準の上昇を目指すことにした。」
この伝承は、科学文明の黄金時代末期の科学者ルイ・コランと混同して語られることが多い。冷凍冬眠装置の研究の第一人者として知られた彼は40代半ばで突如失踪し、人々はコランが冬眠装置の開発に成功し、眠りについたのではないかと推測した。上記のホノリウス1世の伝承は、彼がコランであることを示唆したものとなっている。
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
==関連項目==
シトリウス3世 ← 3270 - 3281 → レガリス1世
代数 人名 即位年 退位年 在位年間
1 ノヴァ大帝 3203 3225 22
2 シトリウス1世 3225 3239 14
3 メルクリウス1世 3239 3243 4
4 シトリウス2世 3243 3256 13
5 シトリウス3世 3256 3270 14
6 ホノリウス1世 3270 3281 11
7 レガリス1世 3281 3283 2
8 シトリウス4世 3283 3298 15
9 メルクリウス2世 3298 3300 2
10 シトリウス5世 3300 3319 19
11 ホノリウス2世 3319 3340 21
12 シトリウス6世 3340 3363 23
13 ホノリウス3世 3363 3382 19
14 メルクリウス3世 3382 3395 13
15 レガリス2世 3395 3413 18
16 シトリウス7世 3413 3419 6
17 シトリウス8世 3419 3424 5
18 シトリウス9世 3424 3437 13
19 シトリウス10世 3437 3440 3
20 マルス1世 3440 3446 6
21 ホノリウス4世 3446 3453 7
22 シトリウス11世 3453 3462 9
23 メルクリウス4世 3462 3470 8
24 メロス 3470 3477 7
25 アポロ1世 3477 3478 1
26 メディクス 3478 3484 6
27 シトリウス12世 3484 3484 0
28 ホノリウス5世 3484 3486 2
29 シトリウス13世 3486 3507 21
30 メルクリウス5世 3507 3508 1
31 シリウス 3508 3513 5
32 エデュカトル 3513 3514 1
33 バルカン1世 3514 3539 25
34 シトリウス14世 3539 3542 3
35 ホノリウス6世 3542 3563 21
36 シトリウス15世 3563 3565 2
37 バッカス 3565 3565 0
38 オリンピア 3565 3577 12
39 バルカン2世 3577 3580 3
40 シトリウス16世 3580 3585 5
41 マルス2世 3585 3594 9
42 ホノリウス7世 3594 3627 33
43 アグリカ1世 3627 3657 30
44 アグリカ2世 3657 3669 12
45 シトリウス17世 3669 3674 5
46 ホノリウス8世 3674 3688 14
47 ハルバ1世 3688 3700 12
48 レガリス3世 3700 3720 20
49 メルクリウス6世 3720 3731 11
50 メルクリウス7世 3731 3736 5
51 レガリス4世 3736 3750 14
52 マルクス 3750 3763 13
53 マルス3世 3763 3781 18
54 ホノリウス9世 3781 3784 3
55 ペルセウス 3784 3804 20
56 バルカン3世 3804 3812 8
57 ヘラクレス 3812 3843 31
58 オリハルコン 3843 3870 27
59 シトリウス18世 3870 3887 17
60 ホノリウス10世 3887 3919 32
61 ハルバ2世 3919 3926 7
62 クロノス 3926 3947 21
63 シトリウス19世 3947 3977 30
64 ヘルメス 3977 4004 27
65 ホノリウス11世 4004 4015 11
66 アポロ2世 4015 4046 31
67 シトリウス20世 4046 4069 23
68 ホノリウス12世 4069 4105 36
69 メルクリウス8世 4105 4113 8
70 ハルバ3世 4113 4134 21
71 ハルバ4世 4134 4170 36
72 ホノリウス13世 4170 4202 32