9.ミステリ好きに朝型はいない(断言)
言い切ってしまいますが、コレ当たらずといえども遠からずではないでしょうか。
我らミステリ好き、夜の眷属。「ど~れ、ミステリでも読みますか」的なテンションになるのは大抵、夜のとばりが下りてから(いや……もう一種の病気だから、何だかんだで時間帯関係ないと思いますが)。
まあそれはそれとして、ぱっと見それっぽいこと言うと、夜型の方がミステリにハマりやすいっていうのはあると思うんですよ。
まず、ミステリと夜の相性が抜群に良い。それはもう罪作りなレベルで。
例えばですが、ちょっと想像してみてくださいよ。
湖に逆さに突っ込まれたあの人の死体とか(by犬神家の一族)。
大甕に逆さに突っ込まれたあの修道士の死体とか(by薔薇の名前)。
そんな死体が出てくる話をナチュラルに読みたいのって、やっぱ夜でしょう。
朝ではない。
朝にふさわしいのはまあ、朝ヨガだったり?
瞑想だったり?
ですかね? 多分?(未知の世界だから分かんないわ)。
世の中には朝読なるキラキラ読書習慣もありますが、朝の爽やかな時間帯にチョイスされるべき本というのは、例えば企業幹部が社内イントラで紹介する「私の愛読書」的な、何かデキる男のデキるビジネス書であるべきで、決してドグラマグラではない。
ていうか朝から読んじゃだめだドグラマグラ。毎朝なんて普通に精神を病んじゃうぞ。ビジョナリーカンパニーとかにしておきなさい。
あ、それでね、夜ミスがイケてる(死語)理由ってもう1コあって。
それは我々人類に備わった、深夜テンションという大いなるギフトに関係している。
深夜テンション――それは魂に掛かるブースター。
我々の感性って、夜になると研ぎ澄まされるじゃないですか。
それゆえに、翌朝には読み返せないこっ恥ずかしラブレターが書けてしまったり、たまたま見ちゃった地上波の飯テロにうっそだろっていうぐらい釣られちゃったり。
そんなフルフルの時間帯に、ミステリなんて極上エンタメ投入した日には、ねえどうなると思います?
そう。
控えめに言って最高ですよね!
だってそんなの、ジェットコースターマニアが滑降のスリルを倍々で味わっているようなものじゃない。
湖に逆さに突っ込まれたあの人の死体も、大甕に逆さに突っ込まれたあの修道士の死体も、臨場感たっぷりに脳内再生しながら読めちゃうんだから、そりゃあハマっちゃうしかないだろ!
どうです?
お分かりいただけましたでしょうか?
今日の主張:
①ミステリと夜がそもそも相性バッチリ
②深夜テンションで我々のエンタメ受容体に倍々ブースター掛かってる
からの↓
結論:こんな夜型ホイホイみたいな条件そろってたら、そりゃあミステリ界隈は夜型の巣窟にもなりますね。
以上!
はい! 今日も浅いことしか言わなかった!
じゃ~このテンションでミステリ1コご紹介しますよ!
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「カーデュラ探偵社」ジャック・リッチー
我が最愛、我が太陽(夜型の言う我が太陽って何だろうな……自分でも分からない)、ジャック・リッチーによる連作短編プラスアルファ。
今宵のトークにふさわしく、主人公カーデュラは頑なに夜しか活動しません。
何故なら彼は日光を浴びると大変なことになってしまうから。
東欧出身、どうやら長生き、生まれた城は今や観光名所と化し、寝床は棺桶、生涯の敵はヴァンヘルシング。
カーデュラの綴りはCardulaですが、おや? これをちょちょっと並べ替えるとDraculaに……?
そんな彼が探偵として大活躍します!(※頑なに夜だけ)
ちなみに、こんだけ匂わせといて、ジャックは決して明言しないのさ。彼の正体を。←そこがイイ!w
そして、推理はめっちゃまともで面白いですよ!
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さあ、今日も珍説語って、好きなミステリ1コ紹介して大満足!
11月は秋だから、まだまだ読書の秋継続中!
今日もステキな殺人をおともに、いい夜を過ごしてくださいね♡
イヤ……分かってるよ……
ふつうに朝型なミステリ好きもいるってことぐらい……




