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2.ブルボンに捧げる愛の歌

 老舗お菓子メーカー、ブルボンさんが今年で創立100周年を迎えるそうです(1924年創業)。


 めでたい。


 100周年ですかー。


 100年前といえば、我らがアガサ・クリスティーは34歳。4年前に「スタイルズ荘の怪事件」でデビューし、「アクロイド殺し」はこの2年後です。リアル同期ですね。


 せっかくなので、ブルボンさんの公式サイトにお邪魔して色々見てきました。


 ご存知でしたでしょうか。


 ブルボン創業者は吉田吉造氏、発祥の地は新潟県柏崎市。


 前身は和菓子「最上屋」で、当初の屋号は「北日本製菓」だったそうです。


 えっそうなんだ……。


 私はてっきり、数奇な運命を経て日本に流れ着いたブルボン王朝の末裔が、捲土重来を期して興したお菓子メーカーだとばかり(イヤだって、アルフォートとか、あの輝かしい大航海時代をDNAレベルで記憶してる人じゃないと思いつかないデザインじゃないか?)


 驚きました。


 私、ブルボンのこと何も知らなかったんだなって……。


 いつから、どうして、ブルボンに。


 皆さんも気になるところでしょう。


 謎を解く鍵は公式サイトにあります。


 では沿革から見ていきましょう(※ウインドウ2つ使わなくて大丈夫です。全部私が喋りますので)。


 ――この100年、いろんなことがありました。


 1924年、北日本製菓(後のブルボン)創業。ビスケットの製造からスタートし、翌1925年にはドロップの製造を開始。


 そう。すべてはビスケットから始まりました。


 1927年、ビスケット2号機設置。何ですか、ビスケット2号機って。唐突に出るマシン名。この年、ブルボンさんはドロップス機も輸入しています。


 マシンを。国外から。輸入。最初から攻めの姿勢が鮮明です。


 1934年、米菓の製造を開始。どれのことだろう……味ごのみか……? マシン名は出すのにお菓子名は出してくれないブルボンさんです。同年、イギリスでは同期のアガサが「オリエント急行殺人事件」を上梓。


 1937年、野戦食、カンパン、粉味噌、甘味品を陸軍に納入し始めます。戦時下です。


 1940年には別会社を設立し、飛行機部品を製作。が、戦後解散。パーツ製造にビスケット造りのノウハウが活きたのでしょうか。同期のアガサが「そして誰もいなくなった」を上梓したのはこの前年です。


 そして戦後。


 ブルボンさんの大躍進が始まります。


 1957年、ビスケットバンドオーブン1号機設置稼動。「バンドオーブン」とは、ビスケットやクッキーを焼き上げるベルトコンベヤー式のオーブンで、現代の製造には欠かせない設備です(ブルボンさん談)。二代目となる吉田順二社長は設備投資の鬼だったようで、自動クリームサンド製造機やソフトビスケット製造機を次々と導入しています。何か分からんけどすごいです。


 すごいんですけど、ここから先はお菓子の話だけしていいですか(飽きた訳じゃない……)。


 1961年、羽衣あられ発売。え……そんな昔からあんの。63年前なんですけど……。人間の年齢に換算すると、現役最高齢モデル、カルメン・デロリフィチェ(93歳)みたいなものでしょうか。あの人キレイですよね。


 1965年、ホワイトロリータ発売。えええ。これまた。59歳ロリとは。異世界で言えば長命種エルフか。何気に異世界より異世界してる。


 1972年、ルーベラ発売。後で語ります。


 1974年、超大型商品ルマンド発売。超大型商品って自分で言っちゃうブルボンさん大好き。


 翌1975年、海の向こうでは「カーテン―ポアロ最後の事件」が、続く1976年には「スリーピング・マーダー」が刊行。


 1978年、バームロール発売。


 翌1979年、エリーゼ発売。


 何なの? もうまじですごい1970年代のブルボン。本家で言えば太陽王ルイ14世の治世に匹敵か。


 1980年、味ごのみ発売。あっ、じゃあ1934年の米菓は違うやつなんだ……。深まる謎。


 1982年、チョコレート部門に参入し、シルベーヌ発売。上に乗ってるあの豆がいいんだよね~。


 1989年、ブルボンの名を戴く。ここです、皆様。ここ! ここ! 長年「ブルボン」の商標で親しまれていた、ブランド名と社名を統一したのがこの年だそう。「ブルボン」という商標については、洋菓子の上品さと製品の良質さをイメージでき、覚えやすさのあるブランド名として、当時の社名 「北日本食品工業株式会社」と 併用して使用していたのだそうです。


 謎が解けましたね。


 どんどん行きましょう。


 1994年、アルフォート出航。あの帆の向こうに大海原が見える。


 1996年、プチシリーズ発売。おおー、ここでか。


 沿革の途中ですが、プチに関しては1コ気になってることがあって。


 私、プチ・いちごラングドシャ(春限定)好きなんですけど、あれってあんま流通してないですよね……?


 スーパーとかで見かけたら、シャッシャッてかごに入れるようにはしているのですが、そもそもあまり見かけない気がします(もしかしてうちのご近所さんが皆私と味覚が似てて、ご町内で奪い合いになっているのだろうか。そんな馬鹿な)。


 去年もあんま入手できなかったけど、今年は本当に全然出会えないまま春が終わりました。悲しい。


 来年は会えたらいいな。


 では沿革に戻ります。


 ブルボンさんはこの後、バシバシISO認証取得して、海外拠点も広げていきます。


 2010年、アーモンドラッシュが日本食糧新聞社主催 食品ヒット大賞 優秀ヒット賞受賞。そんな賞があるのかと驚きつつ(イヤそれ以前にそんな新聞があったのか……)、納得の受賞です。


 2011年、フェットチーネグミが日本食糧新聞社主催 食品ヒット大賞 優秀ヒット賞受賞。こちらも納得の受賞。


 2016年、ルマンドアイス発売。これはちょっとした「事件」でしたね。ブルボンさんて何でもできちゃうな……。同年、ブルボン社員がリオデジャネイロ五輪出場(種目:男子水球)。←ホンット、ブルボンさんて何でもできちゃうね! ルマンドアイスは2018年、日本食糧新聞社の食品ヒット賞で「優秀ヒット賞」を受賞します。


 2019年、ルマンドのおいしさをギュッと凝縮した〈ひとくちルマンド〉を発売し、日本食糧新聞社の食品ヒット賞で「優秀ヒット賞」を受賞。


 2023年、発売20周年を迎えたアルフォートミニチョコレートシリーズにサブレ生地を組み合わせた〈アルフォートミニチョコレートサブレ〉を発売。


 伝説は、まだ続く――。


 いかがでしたでしょうか。


 ざっと流しましたが、ブルボンさんのすごさは十分伝わったかと思います。華やかな王朝の名に相応しく、後に覇王となるロングセラー王子が綺羅星のごとく誕生していますね。いえ、お名前の響きから言って王子ではなく姫でしょうか。後に覇王となる姫。めっちゃ萌えシチュです。ありがとうございます。


 さて、泣いちゃうかもしれないけど、ルーベラについて語ります。


 私、ルーベラめっちゃ好きで。


 クルクルッ! って感じのあの形状。じゅわーんって感じのバターリッチ感。


 歯ごたえはサックサク!


 正直、ルマンドより好きだったけど、何と原材料費の上昇により、今は販売を休止しているのだそうです。ウッウッ……。


 一応、終了ではなく休止とのことですが、復活の望みはどれくらいあるのだろう。ラングロールが後継ぽいですが、私の好みよりはちょっと色白な印象なんだよな……。


 ぶっちゃけ、ルーベラがいい。


 とは言え、売価に転嫁できないほどの価格上昇があったんだろうなぁと思うと、強引なおねだりはしにくいものがある。いちファンとして、静かに復活を待たせていただきます。


 では最後に、ブルボンでアフタヌーンティーを作って愛の言葉と代えさせていただきます。


 ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんから、まず一般的なアフタヌーンティー。


   ケーキ

 \______/

    |

   スコーン

 \______/

    |

 きゅうりサンド

 \______/


 |紅茶 |ɔ

 |___|



 何これ……下手くそ過ぎるアスキーアートか。環境によっては私の意図しない見え方になっているかもしれませんが、そもそものクオリティがゴミなので問題ないです。


 では、満を持してブルボンver。


  プチ・いちご

  ラングドシャ

   山盛り

 \______/

    |

   トリュフ

 ミルクガナッシュ

 \______/

    |

 ガトーレーズン

 \______/


  ルー

 |ベラ |ɔ

 |___|


 ひゃっふぅ! 私の考えた最強の布陣どうですか!


 今の気分だとこうだけど、組み合わせ無限大!


 ヴィーヴ・ラ・ブルボン! とこしえに栄えあれ。




 100周年、おめでとうございます♡


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― 新着の感想 ―
[一言] ブルボンとアガサ・クリスティのコラボ。 その発想はなかったです。 ルマンドが子どもの頃から大好きです。 そのルマンドが私より年下だったなんて……! きっと私のアフタヌーンティーは、三段と…
2024/07/23 11:41 退会済み
管理
[良い点] 吹っ切れていた所。 わたしもブルボンの事、何も知らなかった……。 エリーゼ様を崇拝しておりましたが、もっと王朝への理解を深めたくなりました。 [気になる点] 飲み物がルーベラになっていた…
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