10.ヤンデレな君が好きだよ
※いろんな意味で餅が荒ぶっています
皆様、ヤンデレはお好きですか。
あ、すみません。訊き方が雑でした。
一口にヤンデレと申しましても、その度合いには濃淡グラデーションありますね。皆様のお好みはいかがでしょうか。
ちなみに私は鬼畜系ヤンデレからソフトヤンデレまで、どんなヤンデレも好きです。
ホラー映画にたとえると、サメ映画からヒッチコックまで幅広く好き――そんな感じでしょうか。
いいですよね、ヤンデレ。
今日はそんなヤンデレの魅力について、熱く語ってまいります。
大丈夫。
ヤンデレを知らないあなたの為に、まずはヤンデレの定義から擦り合わせていきましょう。
大前提として、まずはこうですね。
愛する人>>>>>>>>>>>>>>>それ以外
ただ、これだけだと単に愛が重い人も含まれてしまいますから、更にヤンデレをヤンデレたらしめる要素を追加で定義しましょう。
愛する人>>>>>>>>>>>>>>>正気を保つ努力
はい。ここで驚いたあなたはまだヤンデレへの理解が足りない。
ヤンデレ的には何でそんな努力せなあかんのって感じかな。自分が正気か狂気かなんてヤンデレにとってはマジ些末。そこにパワー回すより全力で愛する人を愛したい。
そして、たとえ正気を保っていたとしても、ヤンデレとはもう究極的に、どうしようもなく、こうです。
愛する人>>>>>>>>>>>>>>>>>>>倫理観>順法精神
もう「正気って何」レベルですが、何がどうなっても左側にいるのは常に「愛する人」。そこはブレない。
はい。これで大分ヤンデレの解像度上がったと思います。
では、ここでちょっと共同体の観点からヤンデレを再定義しましょう。
倫理観が欠如しており、法を犯すことに何のためらいもないということは、共同体にとっては(いえそれ以外でも)思いっきり犯罪者or潜在的犯罪者。
身近にいてほしくない人物ナンバーワンと言っていいでしょう。
つまりヤンデレとは、大前提として現実に存在してはならない、あくまでフィクションとして楽しむ刺激物ということになります。
ここ重要です。
フィクションだからこそ、私たちはそのヤヴァさを楽しめるのです。
楽しいですよね。鬼畜系ヤンデレ。この辺りはBL作家さんが得意な印象です。受けが本気で嫌がっているのがポイント。受けが手に汗握る脱走を果たし、よっしゃあ! と思ったところで呆気なく見つかって連れ戻されて絶望>からの激しいお仕置き。最高です。先生へのリスペクト止まらない。
あっ思いついた。
ヤンデレの【や】は「やべぇ」の【や】!
ヤンデレの【ん】は「かんきん」の【ん】!
ヤンデレの【で】は「デッドオアアライブ」の【で】!
ヤンデレの【れ】は「れくいえむ」の【れ】!
ドヤァ!!
ドヤァ!!!!!!!!
はい。
楽しそうですね、私。
でも……。
しくしく。(※情緒不安定)
本当はこんな風にひたすら好きを語っていたいけど、今からちょっときついことを言う。
辛口餅を見たくない人はここでブラバしてください。
ちょっと下げます。
はい。行きます。
先程私はヤンデレが好きと申し上げましたが、逆に言うとそれ故に、どうしても許せないものがある。
それはヤンデレモドキ。
無理。滅びろ!
時々遭遇しませんか? 上辺だけヤンデレっぽくしたペラッペラのキモ男。
ただの幼稚なモラハラクズ野郎で、ヒロイン以外の女性はゴミ扱い、ちっちゃい子や犬猫にまでキモ嫉妬。これはヒロインだけを大切にしていて、愛ゆえに独占欲がマックス☆という人物表現なのでしょうか。
こんな王子にパパの権力大行使されて囲い込まれ、「エミリー、俺から逃げられると思った? 悪い子だね……?」とかうっそり笑われても、私がエミリーだったら王子のみぞおちに拳入れてあばよ一択です。
モドキはうっそりの誤用率が高いのも地味に腹立つ。
あと、瞳に何の狂気も逸脱も見られない、水で薄めたような中途半端なモドキも嫌いです。
ヒロインへの執着が、ママ大好きな息子っちの依存レベルでしかないやつ。
引くほど悲惨な境遇に設定されて、唯一の理解者であるヒロインに依存する時って、普通は病み病みマシマシどろっどろの重たい執着になると思うのですが(※ヤンデレの普通)、何かやたらとヒロインに都合のよい僕ちゃんで、結局ヤンデレに覚醒することなく最終話まで「ままー」レベルの依存でしかなかったやつどう思います?
塩抜きの塩ラーメンか。
こういうのが好きなママ層はいるのかもしれませんが、これはヤンデレとは別の生き物です。これをヤンデレと呼ぶのは景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)的にもアウトではないか。
ちなみにですが、このようなモドキを書く人って人気作家さんが多いのでしょうか。ファンがそのキモ男を大絶賛するまでがワンセットです。
愛もないし理解する気もないヤンデレに何故手を出そうとするのかよく分からないですが、このような行為は普通に無神経だし迷惑です。
他者が愛するものに対して、敬意を払ってください。
はい。次。
ヤンデレ読もうとして最初期にモドキに当たりまくって、ヤンデレがすっかり嫌いになったそこのあなた。
あえて言います。
諦めないで、と。
もう一回、チャレンジしてみませんか? と。
だって、一度は触れようと思ったんだよね。ヤンデレに。
無理のない範囲で大丈夫ですので、ひとまずは小説投稿サイトではなく、商業出版されたコミックからライトに入ってみてはいかがでしょうか。
小説よりコミックをお勧めするのは、何よりとっつきやすさと、好みの合う合わないがちょっと読めばすぐに分かることからです。
外の大きな市場で、一般読者からそれなりの評価を得た作品であるならば、そこまで変なものはないかと思います。
どうか本来のヤンデレに、つまりキモさではなくヤヴァさに触れてみてください。
その後でウェブに戻ってこようかという気になりましたら、もしよろしければご参考までに、なろうさんでの私の検索方法をシェアしておきます。
①投稿日は2020年より前で設定する
例:2018.4~2018.5とか。いっぱい出したければもっと範囲を広めに取ったり、そこはお好みで。なろうさんにまだ多様性があったと思われる時代であり、金脈が隠されているのはここです。
②タグは「シリアス」が狙い目
タグ付けが完全に作者の主観である以上、アンマッチは発生します。残念ながら「ヤンデレ」タグはアンマッチの発生率が高いです。
あくまで私の感覚ですが「シリアス」タグと併用されている場合は割と信頼できます。「シリアス」オンリーでもいいのが出る。ただし作者によっては「シリアス」と「ギャグ」がどちらもタグに入っていることがあり、言いたいことは分かるんだけど(うんそうね。どっちもあるんだね)、「ギャグ」はノイズでしかないので除外ワードに入れます。
③あらすじを確認する
解釈違いが既にあらすじから明らかなもの、言い訳がましいもの、作者と読者の内輪受け感が強いものは避けます。
何か違うな……? と思ったものも避けます。何となくの嗅覚は意外と正しいです。
④感想欄を確認する
絶賛感想しかないものは避けます。
テンション高い短文の絶賛感想だらけなら100%クロです。
長文感想、口汚い罵り感想があれば、傑作の可能性が高いです。
あと、タイトルにヤンデレと入っているものほどヤンデレが出てこない法則(←これを私が言う切なさを誰か分かって……)。
この手のタイトル詐欺師たちのせいで、タイトルへの信頼性が低いのはウェブならではの現象でしょうか。タイトル詐欺師とヤンデレモドキメーカーはまとめてバルス。
はい。ちょっと脱線しましたが、基本の型はこんなところです。
ヤンデレ良作にたどりつくまでこんな大変なんかいと思われたかもしれませんが、傑作に巡りあった時のあの感動を一度味わったらもう戻れない。ウェブならではの傑作って本当にあるんですよ。
あなたがほんとにただのヤンデレ嫌いなら、私も無理にとは言わないです。
でも本来ならば広く開け放たれていたはずの扉が、ちょっとしたことで固く閉ざされてしまっているのなら、それはやっぱり惜しいと思うのです。
一歩、踏み出してみませんか?
大丈夫。
私が先に行って待っています。
底なし沼のド真ん中から。
笑顔で両手を大きく広げ、あなたのことを待っています。
口調キツ過ぎた……?




