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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。
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恋愛ゲームの主人公、体を張る。


強い魔石がある場所では、何度も強い魔物が生まれるとルルクさんが言ってた通り、またもやサラマンダーが生まれたらしい。しかも、今回は特大!これって、もしかして恋愛ゲームの死亡フラグ回収の為??そんな風に思っちゃうけれど、今はまず逃げるのが先決だ!



「タリクさん、もう少し離れましょう!」

「は、はい!」



いでよ!火事場の馬鹿力〜〜!!

私は足も腕も力を込めて、洞窟から離れようとタリクさんを支えつつ歩いていき、少し離れたタイミングで後ろをチラリと見る。ギルドの人達と一緒にルルクさんが剣を振り上げて、サラマンダーの方へ向かおうとした。



すると、サラマンダーの体がふと淡く光り始め、

私はハッとした。光の魔石の影響があるのなら、まずい!!



「‥ルルクさん!!目を閉じて!!!」



私が叫んだ瞬間、ものすごい光が辺りを照らした。

あちこちで「うわ!!」「目が!!」と叫ぶ声が聞こえる。遅かった!発光したんだ!!


ゲームの中でも悪役令嬢が送った暗殺者に私とタリク先生が狙われたけれど、あの光の魔石で目くらましをして、咄嗟に逃げたのだ。でも、まさかサラマンダーが反対に使うなんて誰が想像できる??!伏線回収ってこと?!



「うっ‥、くそ!」

「ルルクさん、大丈夫?!」



ルルクさんはなんとか腕で顔を覆っていたけれど、やはり光が想像以上に強かったのだろう。目がチカチカするのか、ゴシゴシと擦っている。どうしよう、このままじゃルルクさん達も危ない‥。急いでタリクさんを大きな木の根元へ連れて行くと、私は木の棒を拾って、



「こっち!!!こっちへこーーい!!」

「ゆ、ユキさん!??」



タリクさんが驚いて声を上げたけれど、ごめん!そこで待ってて!!

とにかくギルドの人達も、ルルクさんも目が見えるまでなんとか守らないと!!私は木の棒を思い切りサラマンダーへ投げつけると、素晴らしい放物線を描き、木の棒はスコンといい音を立ててサラマンダーの頭部へ落ちた。


「あ、」


思ったよりもヒットした。

サラマンダーはギロッと私を見ると、ものすごい腹の底から響くような唸り声を上げ、私の方へ向きを変えて追いかけてきた。



「わあぁああああああ!!!!」



やばい!!早い!!!

私が死ぬ!!!ズシンズシンと大きな体を揺らしながらサラマンダーが勢いよく私の方へ走ってきて、思惑通りなんだけど大変怖い!!!っていうか、捕まったら確実に死ぬ!!!


もつれそうになる足を必死で動かして、少しでも皆から離れようとして、無我夢中で林の中へ駆け込む。これなら、大きなサラマンダーも少しは足止めになるかな?って思って後ろを見ると、林の前でサラマンダーが止まったかと思うと、スッと息を吸い、思い切り火を撒き散らし、一瞬にして目の前の林が焦土と化した。



そうだったぁあああ!!!燃やせるんだったあぁああああ!!



もう泣きそうなんだけど!!慌てて前を見て、走り出そうとすると、木の根っこに爪先が引っかかってズベッと間抜けな音を立てて顔から転んだ。


「い、痛った〜〜〜‥」


口にちょっと土が入った〜〜!!

ペッと吐き出して、急いで逃げようとした途端、ズシン!!と大きな足音がして、おそるおそる後ろを振り返ると、そこには黄色の瞳をギラギラと光らせて私を見下ろしているサラマンダーがいて‥、



あ、死ぬ。



確実に死ぬわ。



今回はサラマンダーに殺されるルートだったのか…。

心の中で十字を切った瞬間、そのサラマンダーの上に誰かのシルエットが見えた。



「‥え」



目を見開いた瞬間、ルルクさんが私の前に着地した。



「ルルクさ‥」



驚いて顔を見上げると、眼帯を外して息を切らせたルルクさんが私をものすごい形相で睨んでいる。‥って、ええ!??なんで睨んでるの??!



「‥の、馬鹿が!!」

「ええ!?開口一番それですか??って、いうか、後ろ!後ろーー!!!」

「テメェ、後で見てろよ‥」



物騒な一言を言った瞬間、後ろを振り返ったルルクさんがものすごい素早さでサラマンダーの体の下へ潜り、剣を両手で下から上に思い切り振り上げた。



と、スパン!!!といい音を立ててサラマンダーの首が飛んだ。

‥ん?飛ぶ??



上空に飛んだサラマンダーの首が一回転して地面に落ちた途端、サラマンダーの大きな体は大きな音を立てて地面に倒れた‥。


って、ちょっと待て!!今回のもっと大きかったですよね!??

なんでそんな一撃必殺でやっつけちゃうの??!私は尻餅をついたまま、その光景を呆然と見ていると、後ろからなんていうか不穏な空気をバンバン出しているルルクさんが、ものすごい勢いで剣をしまって私の方へ歩いてくる。



こ、殺されるーーー!!!

これ私が殺されるーーーー!!!!

思わず涙目でルルクさんを見上げると、ルルクさんは私の腕をグイッと強く引っ張って体を起こしてくれたけれど、その目はなんていうか怒りに満ちている‥。



「あ、あの、ごめんなさい?」

「‥‥お前は、よっぽど死にたいらしいな?」



そう言って、ルルクさんの指が私のおでこをドスドスと突いた。

痛い。‥地味に痛い。でも首を切られるよりはずっといいので、謝りながらおでこを突かれていた方がいっか‥?





サラマンダーの平均的な大きさは100cm。

今回は300cm強。でかい。


って、思ってたんだけど‥もっとデカイと思うという読者の皆さまから設定を変更!平均的のは150cmで、大きいのは5〜6mってことで!(気軽に変えます!!!)

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