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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームの主人公と暗殺者の日常。

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恋愛ゲームの主人公、恋と花とイベント。26


私とミッツさん二人掛かりでダンさんの紋様の上から、効力を封じ込める為の紋様を描くことになった。ミッツさんは緊張した顔をしてたけど、アロンさんに「おら、しっかり魔力を込めろい!」と後ろから叱咤激励され、真剣な顔で筆を動かし始めた。



「いいなぁ、弟子入り‥」

「なんでそこで羨ましがる!?こんなに後ろからうるさく言われるなんて大変なんだぞ!」

「ベテランのアロンさんに手ずから教えて貰えるなんて貴重なんですよ?ミッツさんはもっと感謝すべきです!」

「感謝はしてるぞ?!ちょっとうるさいが‥」

「ほら、くっちゃべってないで集中!!」

「「はい!!」」



私とミッツさんで同じく緊張した顔のダンさんの右腕に描かれた赤い花の周りから黄色の紋様液と白の紋様液で花を描いていくと、


「なんだか花束みたいですねぇ」


まじまじと腕を見ながらダンさんが呟いた。


「花祭りですしね。それに花には花で対抗しなきゃ!」


私がそう言うとダンさんは「それはいいですね」と、ふっと頬が緩んだ。うんうん、不安な顔よりずっといいぞ。しかし恋愛ゲームっぽい展開だなぁなんて思いつつ赤い花を囲うように描くと、赤い花が少しずつ薄まっていく。


「花が‥!」


騎士さん達が驚いたようにダンさんの腕を見つめると、やがて赤い花はスッと消えてしまった。よし!紋様の効果が消えたな‥。ミッツさんがすぐに紋様消しの液で腕を更に拭いて完全に効力がなくなったのを確認すると、二人して同時に息を吐いた。



「お、終わりました!」

「これはしんどいな‥。魔力をほぼほぼ持っていかれてしまったぞ」

「ありがとうございます!本当に、本当に助かりました!!」



嬉しそうに笑うダンさんの顔に、私とミッツさんは視線を合わせると笑い合ってしまう。こういうの、本当にいい瞬間だよね!ほっと息を吐いたその時、ドンドンと扉を叩く音がした。


「な、なんだ?!」


騎士さんの一人が扉を開けると、血相を抱えた騎士さんが、



「た、大変だ!!ノイエさんが休憩中に姿を消した‥!!」

「え!?」

「まだどこに行ったかわからなくて‥、そろそろ花馬車も出発の時間なのに!」

「すぐ探しに行こう」

「僕も行きます!!」



ダンさんが勢いよく立ち上がると、不意に体がよろけた。


「え、なんで?」


アロンさんがダンさんの肩にそっと手を置くと、近くの椅子に座るように促した。


「そりゃお前さん、呪いのような紋様を描かれたろ。ありゃ負担が大きいんだ」

「そんな‥!でもノイエが心配で」

「ダンさん、私、探しに行ってきます!だから少し休んでて下さい。ね?」

「で、でも‥」

「私も探しに行こう!魔力はなくても体力はまだあるからな!」


ミッツさんもそう言ってよろけながら立ち上がったけど、本当に大丈夫?心配になる私にアロンさんが「どんどんこき使え」って言ったけど、それもどうかと?!でもともかくノイエさんを早く見つけないと。アロンさんとダンさんには待ってもらうことにして、私とミッツさん、そして騎士さん達と急いで外へ飛び出した。



「ノイエさん、どこに行ったんだろう‥」



周囲を見回していると、不意に黄色の蝶がヒラヒラと私の目の前を通り過ぎた。


蝶‥‥。


その蝶に釣られるように、横の通りを見ると艶やかな金色の長い髪が通りの向こうに引っ込んだ。


「ノイエさん!!」


思わず叫んでそちらへ走って、通りの方を見れば明るい道とは一転薄暗く‥、そしてそんな道にノイエさんが一人突っ立っている。



「ノイエさん!なんでこんな所に‥」



急いでノイエさんの方へ駆けつけると、そのノイエさんの真正面に一人の男性が立っている。よく見れば目が虚ろで、腕をだらんと垂れ下がらせ、ゆらゆらと揺れていて怪しいことこの上ない。


怯えた顔をするノイエさんに、


「一応確認なんですけど、お知り合いでは?」

「ないに決まってるでしょ!!」

「ですよねぇ‥。あとなんでノイエさんはこっちに?」

「ダンが、さっき様子がおかしかったから気になって‥、その」


口ごもるノイエさんに、愛ゆえか〜と思ったその時、目の前の男性が唸るように叫んだ。



「アアアアアアアアア!!!」

「「わぁああああああああ!!!」」



絶対こりゃまずい!ノイエさんの手を掴んで明るい通りの方へ逃げようと走ると、目の前からものすごい風が吹いて思わず目を瞑った。



「ユキさん、大丈夫か!?」

「っへ?」



しぱしぱと目を瞬かせると、目の前には汗だくのシヴォンさん!?

どうしてここに?驚いていると、後ろからまた叫び声がした。


「な、何?」


後ろを振り返れば風でひっくり返された男性の口から、何か黒い人のようなものが出てきてた!



「ちょっと何あれーーーーーー!!!!」

「わ、私にもさっぱり‥」



恋愛ゲームだってのにあんなの出てきてない!

というか、私の世界は本当に恋愛ゲームなのか?アクションゲームの間違いじゃない???





ゾンビゲームの方が近いか?って思ったけど、恋愛ゲームだっての!(セルフツッコミ)

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