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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームの主人公と暗殺者の日常。

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273/280

恋愛ゲームの主人公、恋と花とイベント。23


アロンさんにご好意でまたまた紋様を色々教えてもらって感動である。

ものすごく上手だなって思ってたけど、よくよく聞いたら15歳から50年ずっと描いていた上に研究までしている重鎮だった!私、今すぐ王族御用達の旗をぶん投げたいのですが?



「そんなに素晴らしい方とは露知らず大変ご無礼をば‥」

「よせやい。ただ続けていただけの話だ。大したことじゃない」

「そんなことはありませんよ?!続けられるって素晴らしいですよ」



私の言葉に照れ臭そうにニコッと笑い「そうかねぇ」なんて言うけれど、そうですって!隣のミッツさんなんてライブなんか?ってくらい頭をヘドバン同意してるよ。


「紋様もなぁ、そろそろ若いもんに任せて研究の方をしようかと思ってたんだ」

「そんな!!まだまだ紋様の継承もお願いします」

「そうだそうだ。この僕を一人前にするにはまだ時間が掛かるぞ」


それはそれで問題があるような?ミッツさんを呆れたように私とアロンさんが見つめると、「仕方ないだろう!」と反対にキレられた‥。なぜだ。


「まぁ、ミッツが一人前になるまで当分時間もあるし、これからもあちこちで描くし、研究もしていく予定だ」

「素敵ですねぇ」

「嬢ちゃんも結構特殊な紋様を描いてるよな」

「え、あ、は、はぁ」

「そういうのはどうやって見つけたんだ?」


うっ‥!!そ、そこは守秘義務ではダメ、ですかね?

どうしようかと思っていると、ザワッと後ろから声が上がった。何かあったのかな?そっちを見れば、ノイエさんを先頭に、ウィリアさん、シヴォンさん、ルルクさんが花束を持ってこちらへやって来るが、絵面が完全に違う!!


綺麗の詰め合わせセットのようなノイエさん達は、ちょっとカビ臭いギルドの中を爽やかな風と共に清浄な空気と、輝く光まで持ってきたようだ。キラキラと輝いて見えるその一団に、周囲の人達も私も、口をポカーンと開けるだけしかできない。


昨日も見たはずなのに、それよりももっと格段に格好良くて‥。

ルルクさんを見れば髪までセットしてあって緩く編み込みをして、そこに花が飾られていて‥、いや、完全に恋愛ゲームのスチルやん。


ぽけーっと見ていると、ウィリアさんが突然花束を一つ私に差し出してくれた。



「あ、ユキちゃん!はいはい、これお花〜!」

「っへ?!」

「ウィリア!ユキさんが驚いているだろう。あ、その、ぼ、僕からも花を」

「は、はい。ありがとうございます?」



ウィリアさんとシヴォンさんから持っていた花束を貰ったけど、これはあれか幸せお裾分けってやつだっけ?と、ミッツさんが私を見て、


「花束を渡された人が渡し返すと恋愛的な意味になるらしい。受け取るだけとか、渡すだけの場合は相手の幸せを願うという意味だそうだ」

「そうなんですか!?」


そんな意味初めて知ったが!?てことは、今回はやっぱり幸せお裾分けって事か。ウィリアさんとシヴォンさんを見上げて、


「あのっ、素敵な花束ありがとうございます!」


と、改めてお礼を言えば、ウィリアさんは子供のように微笑み、シヴォンさんは照れ臭そうにはにかんだ。おお‥、恋愛ゲームのスチル第二弾だ。思わず感動していると、私の目の前に白い花束がいっぱいに広がった。



「俺からも」

「あ、ありがとうございます。ルルクさん‥」



白い花束から顔を上げれば満足そうに微笑むルルクさん。

私も花束を渡す意味を知っていれば、ルルクさんに渡せたのになぁ。あとでどこかで買ってこようかな。


「あの、私何も用意してなくて‥」

「花ならもう貰っているから大丈夫だ」

「え?」


花なんていつ渡したっけ?と、思っていると、ルルクさんが自分の爪を見せてくれた。


「あ」


紋様の練習の為に描いた黄色の花を見て顔を上げると、ニンマリと笑い、



「相思相愛ってやつだな」

「わ、わあああああ!??な、何をそんないきなり!!」

「そうだ、そうだ〜。いつの間にそんなの描いて貰ってたんだよ!俺も描いて欲しいなー!」

「そ、それなら僕も、その、描いて貰ってもいいが?!」

「ちょっとあんた達!もう外へ行くんだからしっかりして頂戴!!」



ノイエさんの一喝によって、ルルクさん達はズルズルとまたもや引っ張り出されそうだったので、慌ててルルクさんに手を振ると、



「危険が差し迫ったら迷わず刺せ」



と、言い渡された。

どう考えても相思相愛の相手に言う言葉じゃなくないか???

バタン!と、勢いよくドアが閉まって、騎士さん達が「あれがモテテクってやつか‥」と、しみじみと言っていたが、モテテクなのか?


アロンさんは私をまじまじと見て、



「なるほど、祭りに合わせて花を描きますってのは良いアイデアだな!それでいくか!」

「え、良いんですかね?」

「そういう触れ込みにしておけば皆頼みやすいだろ」

「そっか‥、そうですね!」



二人でにっこり微笑めば、ミッツさんがその横で「そんな!!この日の為に剣や竜を練習したのに?!花??!」と、叫んだ。まぁ練習だと思って‥。




練習通りにはいかないものですよね‥。

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