恋愛ゲームの主人公、恋と花とイベント。18
どういう訳かわからないが、メイクされたルルクさんを綺麗だと言ったら、それは上機嫌で私を抱っこして海辺を歩かれた。誰かーーーー!!攻略本持ってきてー!!暗殺者攻略のページね!
そんなことを考えている私の横で、海辺の道を歩きながらルルクさんが、
「ここも花馬車で通るんだ」
と、教えてくれた。
「え?こっちまで回るんですか?」
「町自体は普通の馬車で回っても1時間くらいで回れる大きさなんだが、要所要所で花を配ったり、踊ったりするらしい」
「花を配ったり、踊ったり‥。あ、だから領主さん娘さんが余計に心配なんですね」
「そうだろうな。ま、そんな訳で終わるのは夕方だそうだ」
「夕方まで!うわ〜〜、大変だ」
「その後は朝まで飲むイベントになる」
「もっと大変だ‥」
花馬車の仕事が終わってもウィリアさんとかルルクさん、仕事になっちゃわない?ルルクさんを見れば、
「夕方以降は仕事はしないと宣言しておいた」
「早い」
「せっかく知らない町に来たのにどこにも出かけられないのは、もったいないだろ」
「え‥」
もしかして私の為?
目を丸くすると、ルルクさんが小さく微笑み、
「海、綺麗だな」
しみじみとそう言うので、胸の奥がじんわり暖かくなる。
そっか‥、一緒にあちこち見たいって思ってくれたんだ。抱っこされたまま、目の前に広がる海と、すぐ真横にルルクさんの顔。確かに眺めも最高かも?
と、ぐうっとお腹の音が鳴った私。
ルルクさんが私をまじまじと見て、
「そろそろ昼か」
「私を時計代わりにしないで頂きたい」
「はいはい。あそこに串焼きの屋台があるな。あれでもいいか?」
「‥‥はい」
くそ、完全にお子様扱いだ。なんで恋愛ゲームの主人公なのに全く締まらないのだ私は。ともかく一度下ろしてもらってから屋台の方へ行けば、大きな魚や貝の串焼きが鉄の網の上で美味しそうにじゅうじゅうと音を立てて焼かれている。
「美味しそう〜〜〜!」
「おう、いらっしゃい!なんせ海が目の前だからな!貝も魚も新鮮で美味いぜ!」
「ルルクさん!せっかくだし貝食べましょう!お魚も!!」
「はいはい、これとこれを2つずつセットで」
「あいよぉ!」
大きな葉っぱに包まれた魚と貝の串焼きを手渡され、二人で近くのベンチで食べるが、美味しいしか出てこない。ああああ〜〜〜!やっぱ海の魚は美味い!!前世は日本人、ここに米が欲しいところだが今は美味しい魚介を堪能できる幸せを享受しまくってやる!
「ルルクさん、めちゃくちゃ美味しいですね!!」
「そうだな、嬉しそうでなによりだ」
「嬉しいですよ。ご飯は美味しいし、海は綺麗だし、ルルクさんもいるし」
もぐもぐと食べながらそう言うと、ルルクさんは私をじっと見て、大きな手で私の頭をワシワシと撫でた。ん?なぜ頭を撫でる?不思議に思いつつ食べていると、
「ねー、この間聞いたんだけど、恋がうまくいく紋様あるらしいよ!」
「え、なにそれ!?」
「なんかぁ、占いの家がある方に最近そういうの描いてくれる人がいるんだって!」
「ええ〜〜、ちょっと行ってみる!?」
恋がうまくいく紋様?!
思わず聞き耳を立て、そろっと声のした方を振り返れば、女の子達がきゃっきゃと楽しげに話しながら歩いていく後ろ姿をじっと見てしまう。
恋がうまくいく紋様なんてあったっけ‥?
それっていわゆる魅了になっちゃうのでは?とはいえ、占いの家のそば‥と、言ってたし、もしかしたら紋様というよりおまじない的なものなのかもしれないな。
食べ終えた串焼きを葉っぱに包んでいると、ルルクさんが私を見て、
「占いの家に行ってみるか?」
と、突然聞いたので「っへ?」と、素っ頓狂な声が出た。
「ルルクさん、占いに興味があったんですか?」
「違う。さっき恋の紋様だのなんだの話をしてただろ」
「あ、はい」
「偽物の紋様士もそっちにいるんじゃないかと思ってな」
「あ」
確かに!
ルルクさんは串焼きのゴミを手早く私の分までゴミ箱に捨てると、手を差し出した。
「ついでに恋占いもしてもらうか」
「なに言ってるんですか。恋占いって‥」
そう言ってから、ハッとした。
そういえばゲームで恋のバロメーターを知る為に恋占いしてもらったな‥。あのシステムってまだあるのかな?って、いやいやあれはゲーム!そしてこっちは現実だ。まずは偽物の紋様士がいないかの確認がさきだ。
「ユキ?」
「あ、いえ、なんでもないです。それより占いの家の場所知ってるんですか?」
「さっき歩いてた時に、ちらっとそんな名前の店を見た。一応串焼きの屋台の奴に聞いて確認してから行こう」
「は、はい!」
いつの間に店の店名までチェックしてたん?
相変わらずルルクさんは抜け目がないというか、しっかりしてるな。流石暗殺者‥???
今日も読んで頂きありがとうございます!!
お陰様で一瞬とはいえ日間10位に入って小躍りしております♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪




