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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームの主人公と暗殺者の日常。
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恋愛ゲーム、新イベント終了?!


レオさんが白い魔石の成分を多く含んだ水の処分をして、お陰で騎士さん達は元に戻ったけれど、それはもうなんていうか大変だった‥。


タリクさんが怒りながらも事を収め、アレスさんもお店のこともあるだろうに魔物虫と魔物の関係なんかもまとめる事になったそうで、そっちも大忙しだったらしい。すっごく楽しかった!と、微笑むレオさんの横で二人の口からは魂が抜けそうになってた。元気になる紋様を描いておいたけど、是非とも明日も頑張って欲しい。



明日も仕事だから‥と、それぞれ部屋へ戻って、ようやく私は大きく息を吐いた。


「はぁ〜〜〜〜、魔物も紋様問題もなんとか解決して良かったですね」

「そうだな。王子も呪いを発動した後のフォローもこれから考えていくって言ってたし、そうなればあの子供も安心できるだろ」

「そうですね‥」


大きなソファーにルルクさんと一緒に座りながら、そんな話をして、呪いを発動してしまった人間が誰しも望んでそんな事になった訳じゃないだなと、改めて考えさせられた。転生者でもあったセリアさんはその力を自分の為に使っていたけれど、レオさんの婚約者のリリベルさんはそれを良しとせず隠していた。


優しい人は、そんな力があったら嫌だろうな。


「なんだか色々考えさせられる事、沢山ありました‥。ミッツさんにみたいに私ももっと視野を広く持たないとなぁ〜〜!!」

「‥お前はお前だけしか出来ないことがあるだろ」

「‥例えば?」


ルルクさんを見上げると、可笑しそうに笑って、



「一緒に風呂に入る」

「無理!!無理ですよ?!」

「‥なんでそんな即決即断なんだ」

「だって無理でしょ!恥ずかしいですし、その、適切な距離っていうか‥」



いきなりぶっこんで来ないでくれ〜〜!

赤い顔でアワアワと狼狽えていると、ルルクさんがすかさずキスをするので、ますます顔が赤くなってしまう。


「‥‥‥‥足湯くらいなら、いいですけど」

「じゃあそうするか」

「早い!ルルクさんの判断が早い!」

「お前に似てきたのかもな」

「そんなことある?!!」


驚く私を、ルルクさんにヒョイッと抱き上げた。


「ルルクさん!?」

「さっさと足湯に行くぞ」

「ええ?!今?!」

「‥時間が経てば経つほど逃げ腰になるだろ」


ぐうの音も出ない‥。

思わず黙ってしまう私の靴をポンポンと脱がし、ルルクさんも投げるように靴を抜けば、ズンズンとお風呂場まで行く。ううむ、気合いが違うな。でもまぁ、私は足を出すのは全然抵抗ないからいいかな?



大きな湯船の縁に二人で座って、足をお湯の中に入れればじわっと足先から温まる。



「ふわ〜〜〜、気持ちいい」

「‥幸せそうなこって」

「ルルクさんは幸せじゃないんですか?」

「‥幸せだ。幸せ過ぎて、時々不安になる」

「幸せ過ぎて不安になる???」



なんで?幸せだとダメな感じなの?

ルルクさんを見上げれば、チュッと音を立てて頬にキスをしてくるので赤くなってしまう。ちょ、ちょっと、色気をしまってくれ!赤くなる私の手に、ルルクさんの大きな手が重なる。


「‥大事だから、失ったらどうしようと考える」

「え、」

「お前を‥他の奴に取られたら、なんて考えたくもない」

「そんな人、いないと思いますけど‥」


村でそんな人いたっけ?

そう考えると、恋愛ゲームの主人公なのに、ちょっと悲しい。ふと虚しさを覚える私をルルクさんが小さく笑うと、滅多にされないキスをされて驚いてしまう。


ぺろっとルルクさんの舌が私の唇を舐めて、思わず肩が跳ねた。

わ、わぁ!!なんていうか情熱的過ぎる!


きゅうっとルルクさんの手を握ると、ルルクさんがそんな私の手をあやすように撫でるから、なんだかゾクゾクしてしまうんだけど〜〜!?



「る、ルル、クさ、ん‥っ」



も、もうおしまい!おしまいにしてくれ〜〜!!

心臓が止まりそうだから!!ぎゅうううっとルルクさんの手を握ると、ようやくルルクさんが私の唇を解放してくれた。そうしてゆっくりと私の頬を大事なものに触れるように優しく撫でて、微笑み掛けるものだから、私の心臓が爆発しそうになる。ううっ、暗殺者の底力すごい‥!!



「も、もうっ、ルルクさん、そのキスはちょっと‥」

「なんだ、ダメか?」

「‥‥なんか、叫びたくなっちゃうし、恥ずかしくなるから、」

「俺も同じだから安心しろ」

「え!?ルルクさんも?平然としてますが?」



なんかしれっとした顔をしているのに?と、驚いた顔をすれば、ルルクさんが可笑しそうに笑った。


「‥お前が蝶を描いてくれている時も、そばにいる時もドキドキしているぞ?」

「ええ??!」

「もう一回試してみるか?」


そう不敵に笑ったルルクさんの顔が近付いて、反射的に目をギュッと瞑れば、小さく笑った気配とドキドキした気持ちが伝わるようなキスに目を回しそうで‥、



と、頭の奥でポーンと音がした。



『新イベント、『温泉でドキドキ!恋の進展編』終了です』



なんだって!??私は思わず目を見開いた。

恋の進展って何?!ていうか、新イベント?!そんなの聞いてないぞ!

‥しかし叫びたかった私の言葉は、ルルクさんのキスによって温泉の湯気のように消えていったのであった。




イチャイチャ編とも言いますね!!(๑•̀д•́๑)キリッ

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