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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームの主人公と暗殺者の日常。
233/249

恋愛ゲームの主人公、新イベント。18


腰痛改善の紋様を描いて欲しいとお婆ちゃんからお願いされ、私は早速紋様の道具を取り出し、好きな色やモチーフを聞くと、お婆ちゃんは目をキラキラさせ、


「私の好きなものを描いてもらえるの?素敵ねぇ!」


早速虹を描いて欲しいとお願いされた。


「昨日虹を見てね。ここではよく見るんだけど、昨日のはとても綺麗だったから」

「私も昨日見ましたけど、確かにとても綺麗でしたね」


ニコニコと笑顔で話すお婆ちゃんの可愛いことよ‥。

横で私の紋様をじっと見つめるミッツさんの視線の強さに、ちょっとやりづらさを感じるけど。と、ルルクさんが呆れたような顔でミッツさんの襟を後ろに引っ張った。


「見過ぎだ。かえって集中できないだろうが」

「な、なんだと?私は少しでも失敗がないようにとだなぁ‥」

「ユキは失敗はしないから安心しろ。それに自分で描いた紋様で弾かれる可能性もあるぞ」

「む、そ、そうか?」


若干嬉しそうな顔をして後ろに下がったミッツさん。

ルルクさん上手だな〜〜。お婆ちゃんの手の甲に綺麗な七色の虹を描き、腰痛改善と小さく日本語で小さく模様のように描いたら出来上がりだ。



お婆ちゃんは手の甲の紋様を見て、


「綺麗だねぇ‥。昔っから紋様は働く男達のものだって言われてたけど、女の子にこんな風に描いて貰える時代になったんだねぇ」

「そうなんですか?」

「女の子は大概嫁にいっちゃうからね。魔力があってもねぇ‥、って、あんたは大丈夫なのかい?」

「ええ!?」


突然心配されて目を丸くすると、ルルクさんは涼しい顔で、



「もう付き合っているから安心してくれ」



なんて言うものだから、私は一気に顔が赤くなる。

ちょ、ちょっと、公衆の面前でいきなり言わないで‥。私が主にびっくりしちゃうから。お婆ちゃんはあらあら〜〜と、顔を輝かせ、


「良かったわねぇ!しかも色男じゃない!!」

「色男‥‥」


チラッとルルクさんを見上げれば、可笑しそうに笑っているルルクさん。まぁ、確かに大変格好いいですね。ともかく宣伝の効果はあるようだ。お婆ちゃんにも宣伝よろしくね!と、伝えてから私はミッツさんの方を見て、


「さ!それじゃ宣伝に行きますか!」

「‥‥‥ああ」

「あれ?!なんでいきなりそんな元気がないんですか?もしかしてどこか体調が悪い、とか?」

「いや、大丈夫。大丈夫だ」

「え、でも顔色悪くないですか?」


私の横でルルクさんが「少しすれば元気になるだろ」と、しれっとした顔で言ったけど、本当?大丈夫かな?チラチラとミッツさんを見つつ、大声で宣伝をしながらギルドを目指すと、



「おい、なんでガキがギルドに来てるんだ」

「し、仕事です!お母さ‥、母に頼まれて書類を‥」

「はぁ?本当かよ」



ギルドの少し手前の建物の間で、昨日喧嘩を吹っかけて来た騎士達が温泉に誘ってくれた男の子を囲んでいるのを見て、ぎょっとした。ちょっと!小さい子相手に何をしてるの!?慌ててそちらへ駆け寄ろうとすると、ルルクさんが私の手首をさっと掴んだ。


「お前はここで待ってろ。わざわざ怪我をしに行くな」

「え、」

「そういうのは俺の仕事だ」


ルルクさんが私の頭をポンと叩くと、男の子の方へ助けに駆け出したその時、



男の子の体からぶわっと黒い煙のようなものが飛び出した!



「「え」」



あれって呪い!?

私が咄嗟に走ってルルクさんの背中を掴んだその瞬間、ビュッと黒い風が一帯を走った。まずい!呪われてしまったら大変だ!


「ルルクさん!!」


ルルクさんの背中の服をギュッと掴むと、突然私の手の甲がピカッと大きく光った。



「え?」



ミッツさんの描いた盾がパリンと音を立てて割れ、私とルルクさんは折り重なるように地面にどさっと倒れた。


「い、イタタ‥」

「ユキ!大丈夫か!?」

「は、はい、」


若干頭がクラクラしたけれど大丈夫‥な、はず。

私の下敷きになってしまったルルクさんから起き上がろうとして、ふと違和感を感じた。なんだかルルクさん、小さくない‥?いや、小さいとかじゃなくて、確実に小さい!!



「る、ルルクさん!!子供になってます!!!」

「は?」

「え、えっと、か、鏡‥!!」



持っていた鞄の中から手鏡を取り出してルルクさんに手渡すと、そこには10歳くらいの子供になったルルクさんの姿が写った。


「子供になってる!??」

「は、はい。完全に子供‥あ、騎士さん達も子供になってる!」


男の子達を囲んでいた騎士達も子供になって後ろに倒れている!

あ、男の子はどうしただろう‥と、そちらを見れば男の子も目を回して倒れてる!!


「わーーー!!!た、大変!ミッツさん、とりあえずギルドに報告を‥」


後ろを振り返ってミッツさんを見れば、


「私の紋様が、呪いを弾いたのか?と、いう事は私は優れた紋様師‥!?」


と、感動した顔でこちらを見ていて‥。



「今はそんな場合じゃないでしょーーーーーーーー!!!!」



私はそれはもうあらん限りの声でミッツさんに叫んだ。本当に!マジで!頼むよーー!!






コメディ部門でなんと44位!

3位から上下しているけれど毎回ランクインしておりまして、感謝感激です〜〜。

読んで頂きありがとうございます!(^^)

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