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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームの主人公と暗殺者の日常。
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恋愛ゲームの主人公、新イベント。3


レオさんには温泉街まで馬車や、必要な物や宿泊する場所など全て用意しておくから大丈夫だと言われて驚いた私とルルクさん。ギルドに降ろされると、


「じゃあ、身一つで明日は頼む!」


良い笑顔でそう言うと、あっという間に馬車は走り去っていった‥。

断る余地、一切なしだったな。でも本当に私が王族オススメ紋様師!なんて看板を背負ってやっていけるのだろうか‥。思わずギルドの扉の前で立ち竦む私の頭を、ルルクさんが私の頭をわしっと撫でた。


「心配するな。クレームならどうにかする」

「‥どうにか、」


まぁ確かにルルクさんならなんとか出来るか?

なにせ百人を一日で倒しちゃうし‥、クレームもバッサバッサ斬っていく?いや、流石に王族の看板背負っているのに斬ってしまってはまずいだろう。


「ひとまず穏便に行きましょう。それに勉強は大事ですしね!この際、腕に覚えありの紋様師の先輩方から学びまくってやります!!」

「‥‥温泉に入れる体力も残しておけよ」

「言っておきますけど混浴は入りませんよ?だってあれでしょ?足を見せたら、その、ええと‥」


‥夜のお誘いをしてるって事になるんでしょ?と、言う言葉をどうやって誤魔化しつつ伝えようかと思っていると、ルルクさんは少し顔を赤くして、



「‥恋人なら、別にいいだろ」



なんて小さく呟くから、目を丸くした。

そうだった!!恋人だった!!え、じゃあ、そういう展開もありってルルクさんは思ってたの?!ぶわっと頬が赤くなって、思わず俯いてしまう。な、なんて言うべき?!完全に混乱していると、大きな手が私の頭をまたわしっと撫でた。


「混浴云々はともかくお前はいつも何かしでかすだろ。蝶になることだけは絶対にするなよ」

「‥‥どれも全部不本意なのに〜〜〜」


そう言いつつギルドの扉を開ければ、騎士として復帰したウィリアさんが何やらギルドマスターのレトさんと話していた。お、今日も元気そうだな〜。ウィリアさんとレトさんは私達を見るなり手を振ってくれて、挨拶がてらそちらへ向かうと、ウィリアさんは眉を下げ、



「ユキちゃん、温泉街に行くんでしょ?いいなぁ〜!俺も行きたかったな!」

「え!?もう知ってるんですか?」

「昨日レオが「決定事項」のように話してた」

「‥‥もう昨日決定してたの?!」



後ろでルルクさんが舌打ちしてたけど、ルルクさんだって行く気満々だったからいいじゃないか。レトさんは可笑しそうに笑って、


「まぁ、王子の話もわかるんだ。こっちは王族の管理下に置かれたから多少何かあったとしても村の住民も安心だ。だけど他の街は領主のもんで、それこそ風評被害で色々拗れると角が立つからな」

「そっか‥。そういう大人の事情もあるんですね」


恋愛ゲームの話だけなら、恋だの愛だのの話をしていればいいけれど、この世界は引き続き進行中な上に、多くの人達が普通に生活している。それこそ私もルルクさんも。それなら確かに不安だなんだなんて言ってる場合じゃないよね。



「ま、気楽な感じで紋様を描くの楽しんでくればいいと思うよ!あ、温泉はマジでオススメだけど、そこの横の男には気をつけてね!」

「へ?」



ルルクさん?

横を見れば、ルルクさんはジロッとウィリアさんを睨んで「何の問題がある」と言うと、ウィリアさんは「問題大有りでーす」なんて言っているけど、そ、そんな不穏な空気を出さないでくれ。


オロオロしている私にレトさんが吹き出すと、


「まぁまぁ、ユキは紋様の仕事を早速してこいよ。ルルクは温泉街とその周辺で少し調べておいて欲しい場所を教えておきたいんだ。悪いがちょっと付き合ってくれ」

「じゃあ、俺がユキちゃんのお側に控えております!」

「おいっ」

「ささ、ユキちゃんそっちのテーブルへどうぞ〜!」


ウィリアさんは私の背中を押すと、そそくさと用意されているテーブルに私の紋様の道具が入った籠を置き、椅子を引いてくれた。て、手早い。


チラッとルルクさんの方を見れば、眉間の皺が深くなっている‥。

うん、わかりやすいくらい怒っている。


お互いに好きだとわかってから、ルルクさんは結構甘えてくる事が多くなった。それこそ「ずっと側にいたい」とばかりにあの大きな体をくっ付けては嬉しそうに微笑むから、暗殺者の変わりように驚いたのは他でもない私である。


恋愛ゲームのヒロインだってのに、三次元の人間の愛に驚くばかりってのはぁ、どうかと思うけど人間とは発見の連続である。なんて思いつつ、紋様の道具を並べていると、ウィリアさんは私の方へ顔を寄せ、小声で「ユキちゃん、あいつとずっと一緒で大丈夫?」と、聞いてくるので目を丸くする。



「‥何か大変そうですかね、私」

「‥そうだった。ユキちゃんは心が広過ぎた!いや、そこがいいんだけどね」

「心が広いかなぁ〜?そんなに広くないと思いますよ。この間なんて薪割りしてただけで、ルルクさんに「危ないことをするな」って言われて「前からやってました!」って言い返したくらいですし」

「‥ユキちゃん、多少気持ちはわかるけど薪割りはあの男にやらせおいて」

「ええ!?でもたかが薪割りですよ?」



蝶になって以来、ルルクさんに過剰に心配されているけど、私はこの三年頑張って生きてきたんだぞ!むうっと頬を膨らませると、ウィリアさんは目を細め、


「刃物は危険な物だからね?」


と、諭すように言ってきたけど知ってるし!!

これでも前世のゲームでは、ルルクさんにスパスパと首を切られてたからね!‥そう考えると、私って本当に不思議なことになってるな。





日付けを間違えて更新できてなかった‥。

いい加減こういうの直したい(しかし直らない)

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