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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。
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恋愛ゲームの主人公、フラグと確信。


操られてしまったルルクさんから逃げるべく、洞窟から出て行こうとするけれど‥。考えれば考えるほど怖くなってくる。大蛇には追われるし、ルルクさんなんて完全に暗殺者モードだ。


しかしあの強いルルクさんを操るって、どんな人?

それとトニーさんを操っていたあのクモもなんなんだ?

もしかしてあのクモを操っていた人が、トニーさんやルルクさんを操っている?でも、なんの目的の為に?



‥不意に、もし「私を殺す為」ならば‥?とストンとその思考が落ちてきた。



だって恋愛ゲームの中で、私は本来だったら攻略対象と仲良くなるたびにルルクさんに殺されそうになったから。‥今までは刺客とか、魔物とか虫とか、誘拐犯だったけど‥。って、待て待て??もしかしてそれももしかしてフラグ回収の一つだったのかも?



今まで何度も突然襲われたりしたのも、フラグ回収だったのなら確かに辻褄が合う。



でも、私は誰とも仲良くなってない、よね?

フラグを立てた覚えもないし‥。

あ、待てよ。私がルルクさんを好きになったから‥?!



好きと一言も言ってないのに、私が好きになってしまったから‥、今まで止まっていたフラグが急に動き出した可能性も捨てきれない‥。ということは、今回の事態も私のせい?私がルルクさんを好きになってしまった、から‥?愕然として、洞窟の中を先に歩くウィリアさんの背中を見つめた。


私のせいで、ウィリアさんを巻き込んでしまったとしたら‥。

絶対に、助けないと。そう思って、ギュッと手を握りしめたその時、洞窟の出口が見えてきた。



「見えた!」

「良かった‥。タリクに今度光る玉を大量に欲しいって言っておかないとだな!」

「そうですね。私も欲しいです」



二人でホッとして顔を見合わせたその時、大きく雷が鳴った。

その大きな音と共に光った出口から人影が見えて一瞬で動きが止まった。



そこには、赤い眼をしたルルクさんが剣を持って立っていて‥、



「わぁあああああ!!!??」



何で??!逃げてたはずなのに、なんでここにいるのーー??!!


「ユキちゃん!!俺が引き止めるから逃げて!!」


ウィリアさんが丸い光の玉を捨てて、すぐさま剣を引き抜いて、

真っ青な顔で私に叫ぶけれど、手がガクガクと震えてる。


「何言ってるんですか?!顔が真っ青なのに!一緒に逃げましょう!」

「ダメだ!俺は、俺は、やっぱり騎士なんだ」


苦しそうな顔をして、剣の柄をギュッと握ってウィリアさんがルルクさんを見上げた。



「‥弱いし、力もないけど、誰かを守るのが「騎士」って教えて貰ったしさ」

「そんな‥」



操られた妹さんを切ってしまって、あれだけショックを受けていたウィリアさんにそんな傷口を更に広げることなんてしたくない。助けようと思っていたのに、また私は庇われている。そんなのもう嫌だ!どうしたらいい?!どうしたら、ルルクさんを止められる?ドクドクと鳴る心臓がうるさい。


ガラッと石が崩れた音がした瞬間、ルルクさんが剣を構えてこちらへ走ってくる。私はウィリアさんが咄嗟に捨てたタリクさんの光の玉を拾うと、ルルクさんの顔めがけて目一杯に投げつけた。



ガツンと音がして、奇跡的にルルクさんの額にぶつかると、一瞬怯んだ隙にウィリアさんの腕を引っ張ってルルクさんの横を走り抜ける。


「早く!!」


ウィリアさんの背中を押して、私は一緒に雨と雷のなる外へ飛び出した。

轟音を轟かせて、雷が空に響き渡る中、街まで走って行こうとすると、バサバサと風に煽られた木々の間から黄色の目をギラギラと光らせた大きな蛇がいきなりまたも現れた!!


もしかしてさっきのやつ〜〜?!!


「も、もうダメだ!!!」

「ウィリアさん、諦めには早い!!絶対早い!!!」


急いで横へウィリアさんの腕を引っ張って、茂みに隠れようとすると、



「ギャア!!!」



と、悲鳴と大きな何かがドスンと落ちる音が聞こえて、そちらを走りながら振り向くと、雨に濡れたルルクさんが大蛇を真っ二つに切ったところだった。



ぎゃあああああああああ!!!!!

確かにもうダメかもしれない!!!!!



足の力が抜けてウィリアさんと私は地面にへたり込み、涙目になって、声にならない叫びを上げた私とウィリアさんに、ゆっくり剣を振り上げたルルクさん。



天国のお父様、お母様、今ユキもそっちに行きます。

覚悟を決めたその時、一筋の稲妻が光ったかと思うと、



ドドン!!!



と、大きな音を立ててルルクさんに落ちた。



「「ええええええええええ!!!!!???」」



叫んだよ。

まさかの雷が落ちて、大きな声で今度は私とウィリアさんは叫んだ。




以前、家の側に雷が落ちて木が倒れたけど、

雷って怖いね( ゜д゜)

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