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恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。  作者: 月嶋のん
恋愛ゲームのシナリオはログアウトしました。
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恋愛ゲームの主人公調べまくる!


馬を返して、家に戻ったらぼちぼち夕暮れだ。

目玉焼きを焼くぞ〜!と気合いを入れてキッチンへ向かった私を、ルルクさんが猫の子をさっさと追い出すように追い出した。‥酷い、これでも恋愛ゲームの主人公なのに!!完全に猫の子をポイッとする感じだったぞ?



「‥シヴォンの「呪い」を解くんだろ?色々調べておけ」

「ぐっ‥!!何も言い返せない!」

「あと、今日の夕飯はこの間買ってきた鹿の肉のソテーだ」

「‥よろしくお願いします!」



直角にお辞儀をする恋愛ゲームの主人公っている?ここにいる。

いつの間にかお高めのお肉が食卓に上がって、私は最高ではあるんだがルルクさんの財布が気になってしまう‥。って、いやいや、その前に「呪い」を解く方法を探さないとだ。


作業部屋へ行くと、ルルクさんのハンモックが部屋の端っこに揺られていて、乗り心地良さそうだなぁって思ったけど、以前私とルルクさんはそこで抱き合ってしまうアクシデントを引き起こしてしまったので、そこは危険地帯なのだ。フラグは回避せねばならぬ!


そそっと離れて、道具や本を数冊取り出す。



「‥前も読んだけど、もう一回読んだ方がいいよね」



紋様についてや、その歴史、魔術についての本を本棚から取り出す。

呪術はちょっと難解過ぎて降参したんで、そこはちょっと横に置いておく。

そもそも魔術もきっと詳しく調べようとすると、歴史から今までの流れも調べないといけないんだろうけど、ひとまず魔術とは‥という教科書のような本を取り出して、リビングのテーブルに本を置いて早速読み始める。



紋様はそもそもこの国では古くから伝わる、「おまじない」のようなものだ。

そこに魔力を込め、効果が現れやすい紋様を研究、検証して、徐々に確立させてきたという結構非科学な部分と、科学的な要素が混在されてできたものだ。



ただ、魔術を要しないので、あくまでも生活の補助としての立ち位置の紋様。

その上魔力を使うのに、この国は魔力を持ってない人も多い。よって、紋様師もそこまで多くない。研究は未だされているけれど魔術を使わないので、当然「呪い」を解くなんて出来る訳がない。



しかもシヴォンさんの手首の文字は日本語‥。

嗚呼〜〜〜!!本当にあれ、どうすればいんだ??!できれば修正液とか欲しい!希望を捨てないでって言ったくせに前途多難過ぎる!



「‥なんだ、もう百面相しているのか」



ルルクさんがそう言いつつ、揚げたポテトをお皿に乗せてテーブルに置いた。


「美味しそう‥」

「おい、何かわかったのか?」

「‥やっぱり紋様では呪いを解くのはできないって事実だけはハッキリと」

「そうか‥」


私の言葉を聞いて、ルルクさんが紋様の本をじっと見つめる。


「紋様液に使う素材の効果はわかってるのか?」

「え?」

「以前、魔石を溶かして使っていただろう。魔術にも補助的に使われることもあるから‥」


思ってもみない言葉に思わずルルクさんを見上げた。

確かに‥。タリクさんにご好意で貰った白い魔石を溶かして紋様液を作ってみたけれど、そもそも白い魔石を使っての紋様液なんて今までなかった!ってことは、魔石の意味とか効果も調べたらいいかも?



よし!!なんとかなりそうな気がするぞ〜〜!!

ガタッと椅子から勢いよく立ち上がる。



「魔石の本を読んできます!!」

「‥待て。そう言ってお前はすぐ飯を食べずに夢中になるだろ。あと少しで肉が焼けるからまず食べろ」

「うっ‥」

「あ、ポテトも付け合わせの予定だったが、食べておけ」



そういうとルルクさんはスタスタとキッチンの中へ引っ込んだと思うと、お肉が焼けたのか、こちらにまでふんわりといい香りがする。と、私のお腹が返事をするようにぐうっと鳴った。


‥そうだよね。

腹が減ってはなんとやら!

急いで魔石や、ついでに植物に関する本を作業部屋から持てるだけ持ってリビング兼ダイニングへ戻ると、ルルクさんが大皿にのせたお肉を置いてくれた。



ホカホカと焼けた綺麗なお肉‥。

思わずよだれが出そうになると、ルルクさんが小さく吹き出し、



「焦げてないから、美味しいと思うぞ」



と、面白そうに笑って言うので睨んだけど‥、美味しいものの前ではそんな顔は一秒も保たない私であった。‥高いお肉って美味しい!!!





ルルクさんも肉が一番好き。

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