76 初めての友だち (1)
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「日々の糧を恵み給う光と風に感謝を……」
いつものように静かな祈りから始まる食事。
この日の朝食には数日ぶりにノエルが同席した。
まだ熱が下がって間もなく、ロートナー医師からはなるべく安静に過ごすように言われているけれど、ノエルがセイジェルやセルジュと会えるのは朝食の席だけ。
体力のないノエルはすぐに疲れてしまう上、無理をするとすぐに熱を出してしまう。
そのため夜も早く休んでしまうが、二人がノエルと会うために仕事を早く切り上げるといったことはしない。
そもそも二人は……特にセルジュはノエルに興味がなく、気にも掛けていない。
だからノエルが二人と会おうとしたら朝食の席しかないのである。
もちろん会ったところで互いに話すことはないのだが……。
ノエルがクラカライン屋敷に来て初めて食卓に着いた日、セイジェルに言われたマディンは椅子についてすぐ下働きたちに相談をした。
この日、ノエルが食事室に来ると、マディンの相談を受けた手先の器用な下働きが作ってくれた、新しいノエル用の椅子が用意されていた。
安全のため左右に肘掛けが付いているのは、おそらくノエルの容姿を他の使用人から聞いた下働きが、あるいは話した使用人がノエルを実年齢よりずっと幼いと思ったからだろ。
そして座面を高くした分、ノエルが一人でも座れるように一段だけステップがついている。
だがノエルがミラーカに連れられて食事室に現われると、特にセイジェルが指示を出したわけでもないのに控えていた彼の側仕えがノエルのそばにやってくる。
そしてノエルを抱え上げて椅子にすわらせるのである。
さらに、やはりマディンの指示で食器やカトラリーも、ノエルのために子ども用の小さな物が用意された。
椅子も食器も、同じテーブルに着く大人たちとは違う物が用意されているのを初めて見た時は不安に怯えたノエルだったが、数日もすれば、それはなんでもないことだと理解出来する。
だから怖くなくなった。
用意される食事も、子どもが好む物、食べやすい物を厨房が考え、まだまだ試行錯誤が続いているが、やはり同じテーブルに着く大人たちとは違う物がノエルの前には並べられる。
これも最初は気にして食事どころではなかったノエルだが、セイジェルが根気強く
「好きなものを食べなさい。
残しても怒らない」
そう言い続けることで、少しずつ落ち着いて食べることを覚えた。
相変わらず食べ慣れない肉料理は苦手らしくスープやシチューの類いを好んだが、誰も注意はもちろん、あれを食べろこれを食べろとも言わない。
また、スプーンやフォークの使い方は問題ないが、両手にナイフとフォークを持つことが出来ないため、料理はあらかじめ一口サイズに切り分けられている。
フォークだけなら大人たちを見て使い方を覚えられたのだが、両手に持つという習慣がなかったためだろう。
見様見真似で両手に持ってみるのだが上手く使えず、見かねたミラーカに、食事が冷めてしまうからと宥められて諦めた経緯がある。
もちろんこれから先のことを考えればテーブルマナーは必要だが、今はまず体の回復が優先される。
体調を含め、屋敷での生活に慣れたら文字の読み書きに加え、作法も身につける……というセイジェルの考えに従い、マディンが厨房に相談をして、メニューと同じく食べやすさも考え、あらかじめ一口サイズに切り分けておくことになったのである。
だがノエルにとって一番嬉しかったのは、いつもノエルの食事がちゃんと用意されていること。
そしてどんなにゆっくり食べても、誰もノエルの食事をとらないことである。
赤の領地で家族と暮らしていた頃は、些細なことで食事を抜かれることはよくあったし、何日も食べさせてもらえないこともあった。
それはとても辛くて悲しく、苦しかった。
でもクラカライン屋敷に来てからは……いや、アーガンたちが迎えに来てくれてからはいつもノエルの分も食事が用意してあって、それも大人たちと同じものが同じだけ。
しかもノエルの食事をとろうとするセスを叱ってくれもした。
そしてそれはクラカライン屋敷に来てからも続いている。
それがノエルには嬉しかった。
体調が一朝一夕に回復することはないけれど、そんな生活を続けることで少しずつ落ち着きつつあるように見えたノエルだったが、この日、実際は少しも変わっていないことがわかる出来事が起った。
久しぶりにノエルが同席した朝食のあと、いつもなら部屋に引き取り、着替えをしてからそれぞれ公邸へ向かうセイジェルとセルジュ。
セルジュはこの日もいつもどおりに屋敷を出て公邸に向かったが、セイジェルは部屋に引き取らず、食事を終えたノエルを屋敷のある部屋に連れて行ったのである。
いつもなら、ノエルも食事が終わるとミラーカに連れられて部屋に戻る。
最近は体調がよければ屋敷内を散策したり、医師からも、少しの時間なら外を散歩する許可も出た。
もちろん体調が悪ければそのまま部屋で休むのだが、この朝は少し体調もよさそうだったので、なにをして過ごそうかとミラーカがノエルに話し掛けているところ、さりげなくノエルの背後に立ったウルリヒが椅子を引く。
いつもならそのままウルリヒが椅子から下ろしてくれるのだが、この日はセイジェルがその役を……と思ったら、床には下ろさずそのまま抱え上げる。
「セイジェルさま」
「そなたに見せたいものがある」
そう言ってセイジェルがノエルを抱えたまま食事室を出ると、ウルリヒとアルフォンソが続き、少し慌ててミラーカが側仕えのアスリンと追いかけてくる。
おとなしく抱えられていたノエルには屋敷内の廊下をどう歩いたのかわからないけれど、向かったのは食事室から遠くはないが、まだ自分の部屋周辺しか散策していないノエルには初めて来る場所である。
付き従うように後ろを歩いていたアルフォンソが小走りにセイジェルとノエルを追い抜くと、閉じられていた扉を開ける。
そこは広めの応接間で、先に来ていたマディンの隣には壮年の男が一人、立っている。
二人は部屋に入ってきたセイジェルたちを見ると、それぞれに頭を下げる。
部屋に入ってすぐ立ち止まったセイジェルがノエルを下ろすと、その脇から追い抜くように部屋を覗きこんだミラーカが感嘆の声を上げる。
「まぁ! まぁまぁまぁ!
なんて素敵!
素敵だわ!」
応接室には、所狭しと人形が並べられていたのである。
よりリアルな造形のものからぬいぐるみのように愛らしいものまで、実に様々なデザインの人形たちは、着ている衣装も白の領地だけでなく、赤の領地や緑の領地、青の領地を思わせるものや、そのどこでもない外国のものまで、実に色とりどりで様々な衣装を着ている。
「どの子もとっても素敵ですわ。
これだけの数の人形が見られるなんて」
感激するミラーカは、並べられた人形たちのあいだを歩きながらそれらを眺めて褒めちぎる。
するとこれらを持ってきたと思われる壮年の男はミラーカに対して恭しく頭を下げる。
「お褒めにあずかり光栄にございます」
「クラカライン家の依頼ですもの、そなたも骨の折甲斐があったことでしょうね」
そう言葉を返したミラーカは、セイジェルの側に棒立ちしているノエルを振り返って話し掛ける。
「さぁ姫様、どの子がよろしくて?
こちら来て一緒に……」
選びましょう
きっとそう言いたかったのだろう。
だがミラーカの視線の先でノエルは体を小さくして震えていた。
「姫様?
どうなさったのです?」
それこそ少し目を離している隙にアルフォンソやウルリヒがなにかしたのではないかと二人を睨むが、睨まれた二人のほうはいつものようにのらりくらりと追及をかわす。
「なんでもわたくしどものせいにしないでいただきたい」
「とんだ濡れ衣でございます。
むしろこれはミラーカ様のせいかと存じます」
「わたくしがなにをしたというのですっ?」
それこそ濡れ衣だと勢いよく言い返したミラーカは、とりあえずノエルを落ち着かせるために急いで側に戻る。
そのノエルのそばには、ノエルが怯えていると知っていてただ見ているだけのセイジェルが立っており、さらに主人の側には口うるさい側仕えが立っている。
二人は近づいてくるミラーカに言い返す。
「なにをとはよく仰います」
「まったくでございます。
今回、姫に人形を与えて欲しいと旦那様におねだりしたのはミラーカ様ではございませんか」
だからノエルが怯えているのはミラーカのせい……と、澄ました顔でアルフォンソとウルリヒが言い返しているのは、少し前の夕食の席で、ミラーカがセイジェルに商人を呼んで欲しいと頼んだことである。
あまりにも殺風景なノエルの部屋に、人形の一体でも飾れば少しは子ども部屋らしくなるはず。
ひょっとしたら先日のエリーダの呟きが引っ掛かったのもあるかもしれない。
そんなミラーカの話を聞いたセイジェルが 「なるほど」 と納得して実現に至り、今、並んだ人形を前にノエルが怯えることになったのである。
経緯を遡ってみれば間違いなくミラーカのせいである。
よかれと思ったことが裏目に出ることなどよくあるが、それを二人の側仕えに指摘されたことがミラーカには面白くないのだろう。
そんな三人のやり取りを前に、主人であるセイジェルと同じくマディンも取り澄ましていたが、隣に立つ壮年の男はハラハラしていた。
つい先程までは、沢山の人形を見てはしゃぐミラーカの褒め言葉に穏やかな笑みを浮かべていたが、三人のやりとりを聞いて、なにかとんでもない失敗をしてしまったのではないかと心配しているのである。
おそらく男には、ここにいる誰についても説明されていないはず。
だがマディンと二人の側仕えについては、紹介されずとも使用人であることはわかっているだろう。
男が商人として、以前にもクラカライン屋敷に出入りしたことがあれば、ひょっとしたらセイジェルの顔は知っていたかもしれない。
もし知らなかったとしても、この屋敷の主人が領主であることは周知の事実。
そのセイジェルを 「閣下」 と呼ぶミラーカについてはもちろん知らないが、着ている衣装や立ち居振る舞いから貴族の令嬢であることはわかるはず。
本来ならば直答は許されない身分差があるが、先程はミラーカのほうが直接話し掛けてきたので、そのことに答えるところまでは許されるだろう。
問題は子どもである。
事情の説明などなく呼ばれたが、人形を持って来いと言われれば持っていく、それが商人である。
クラカライン屋敷に人形を欲しがる子どもや女性がいないことは知っていたから不思議に思ったが、領主に、人形を贈りたい相手でも出来たのかもしれない。
あるいは親族の子どもにねだられたのかもしれない。
そんなことを思いながら取り扱っている人形を掻き集めて持ってきた。
あまりにも数が多く、使用人も掻き集めて持ってきたのである。
その使用人たちは今、屋敷で用意された別室で休んでいる。
商家の使用人では領主と同席は認められないから当然だろう。
だが商人は、その使用人たちを今すぐにでも呼び寄せて人形を運び出したほうがいいのではないかとはらはらしていた。
だが子どもは怯えるばかりで、そのことに領主もなにも言わない。
ただ言い争う三人を眺めているだけで、怯える子どもを気に掛ける様子もない。
いや、一応怯えていることはわかっていた。
「人形は駄目か」
九歳といえばそろそろ人形遊びを卒業する年齢である。
おませな女の子は、人形遊びよりドレスや宝飾類に興味を持ち始める頃。
だがノエルはとても幼い。
これまでの境遇を考えても、おそらく人形はおろか、玩具の一つも手にしたことはないだろう。
そんなノエルに、まずは人形を与えてみようというミラーカの提案はいかにも女の子らしい。
そう思ったセイジェルは、マディンに命じて商人を呼んだのである。
それこそこれらの人形を見てノエルもミラーカのように喜ぶはず……だったのだが、実際は酷く怯えてしまった。
幼いノエルには、物であっても人の形をしていることが恐ろしかったのである。
その目がなにかを映してるわけでもなければ、その口がなにかを言うこともない。
当然ノエルを見ているわけでもなく、ノエルを罵ることもないのだが……。
「こ、こわ……みてる……こわい……」
「まだ無理か」
すぐそばで責任を押しつけあって言い争う三人をよそに、セイジェルは眼下のノエルを見ながら呟く。
強ばる体を小さくしているノエルにその呟きは聞こえなかったけれど、内心でなにかに納得したセイジェルがその体を抱え上げる。
「ひっ!!」
突然のことに短い悲鳴を上げたノエルは、すぐ怒られると思って慌てて両手で自分の口を塞ぐ。
だが抱え上げたセイジェルは口元に薄く笑みを浮かべるだけ。
もちろん怒らないが、優しい言葉の一つも掛けてやらない。
ただ無言で、ミラーカと言い合っている側仕えの片方に声を掛ける。
「ウルリヒ、これを部屋へ連れて行きなさい」
なにかを察して嫌そうな顔をするウルリヒが渋々ノエルを受け取ると、その隣からアルフォンソが嬉々として割り込む。
「ではわたくしは旦那様のお支度のお手伝いを」
これから公務のため公邸へ向かうセイジェル。
その身支度を手伝おうとするアルフォンソに、ウルリヒは 「わたしもそちらがよかった」 などとぼやくが、すぐさまミラーカに 「お黙りなさい」 とか 「さっさとお連れしなさい」 などと言われながらその背を押されてノエルの部屋へと向かう。
それを見送ったセイジェルは手振りでアルフォンソを側に呼び寄せる。
そして耳元で何事かを囁くとアルフォンソは大きく無言でうなずき、足早に部屋を進んでマディンのすぐそばに立つ。
マディンのほうも心得ていて、アルフォンソが顔を近づけてくるとその口元に耳を傾ける。
そしてアルフォンソがそうしたように、マディンが無言で大きく頷くと、アルフォンソは主人の許に戻り、伴われて部屋を出ていった。
「日々の糧を恵み給う光と風に感謝を……」
その夜もいつものようにセイジェルの言葉で祈りが捧げられ、それぞれのタイミングで夕食が始まる。
いつもノエルはこの時間には眠ってしまうため、クラカライン屋敷に引き取られてきてからまだ一度も夕食の席に着いたことはない。
だからこの夜もセイジェルとセルジュ、それにミラーカの三人である。
静かに始まった大人ばかりの食卓で、セイジェルが食事室に現われてから居心地悪そうにしていたミラーカが、おずおずと口を開く。
「……閣下、その、本日は申し訳ございませんでした」
「なんのことだ?」
食事の手を止めることもなければ、ミラーカを見ることもなく返すセイジェル。
「人形のことでございます。
まさか姫様があんなに怖がるなんて……人ではないから大丈夫だと思っていたのですが……」
「あれはどうしている?」
もちろんセイジェルの言う 「あれ」 とはノエルのことである。
怯えるノエルはウルリヒに抱えられて部屋に戻ると、落ち着かせるために眠り薬を飲ませて休ませたという。
それから一度だけ目を覚したけれど、熱があったためそのまま休んでいる。
朝食のあと、いつものように身支度をして公邸に行ってしまったセルジュは話がわからなかったが、ミラーカが簡単に説明をすると 「そんなことで?」 と呆れる。
もちろんノエルが熱を出した理由に呆れたのである。
「そんなことだなんて!
姫様にはとても恐ろしいことだったのですよ、セルジュ」
「恐ろしいって……人形だろう?
玩具ではないか」
「生き物でないことぐらいはわかっただろうが、初めて見る物だったのだろう」
「閣下?」
セイジェルにしては珍しいことを言い出したので、ミラーカの気が逸れる。
いつもならここで口を挟むことはないのに……と思っていたら、セルジュもセイジェルの言わんとすることがわからず、問い掛けるような視線と表情を向ける。
すると待っていたようにセイジェルは話を続ける。
「少し話してみただけだが、言葉は拙いが考えることは出来ているようだ。
おそらく自分が理解出来ているかを判断した上での 【わからない】 なのだろう」
ノエルがよく口にする 「わからない」 は、掛けられた言葉の意味そのものが 「わからない」 ということではないか?
そうセイジェルは考えたのである。
もちろん先日セイジェルが食べたい物はあるかと訊いた時の 「わからない」 は、特に食べたい物はないという意味だと思われる。
そんな話を聞いて、ミラーカもセルジュも少し驚く。
「そなたがあれに興味を持つとは、珍しいな」
「セルジュ、姫様をあれなどと仰らないで!」
「それに後見人として興味を持てと言われたのでな」
「閣下も!
わたくしをそれなどと呼ばないでくださいまし!」
セイジェルとセルジュ、二人のあいだで忙しいミラーカだが、セルジュに 「落ち着きなさい」 と言われてさらなる言葉を飲み込む。
すると、やはりそれを待っていたようにセイジェルが話を続ける。
「人形が生きた人間でないことはわかったと思う。
人間ではないが人間の形をしたなにか。
それは人形を知らないあれにとっては未知のなにかで、未知への恐怖は我々でも抱くもの。
ただあれはものを知らないため、恐怖の対象がより多い。
そんなところか」
最後はまるで独り言のように言うと、食事の手を止めてミラーカを見る。
「そなたが責任を感じることはない。
今日のことはわたしも予想外だったからな」
ノエルのことはこれからも試行錯誤が続くだろう。
現在進行形で、食事について厨房でも試行錯誤が続けられているが、セイジェルは調理など一度もしたことがない。
専門外のことに下手に口出しをしても邪魔になるだけだから、マディンと厨房に一任している。
子どもの相手も然り。
ノエルの世話はミラーカに任せているのだからセイジェルが口を挟むことはない……とこの時は話していたのに、なにを思ったのか、セイジェルは意外な提案をしていたのである。
もちろんミラーカには相談もせず。
このことでまたミラーカだけでなくノエルをも驚かせたのだが……。
【ある商人の呟き】
「人形などどうなさるおつもりかと思ったら、ご領主様のお屋敷にあんな子どもがいらっしゃるとは。
何者だ?
あんな黒い髪は初めて見る。
それに酷く痩せこけていたが……まさかご領主様の隠し子?
いや、ご領主様はまだ独り身でいらっしゃる。
もし御子がいらっしゃっても隠す必要はないはずだ。
お相手の女性のことも公表……出来ないお相手なのか?
いや……いやいや、待て。
あの子どもの怯えた様子……ひょっとして先代様の……。
だとすればご領主様の妹君ということになる。
一緒にいた女性が姫様と呼んでいたのも納得出来る。
それにしてもご領主様も面白いことを仰る。
確かに、人の形をしていながら魂の宿らぬ人形は少し不気味ではあるからな。
正直、わたしもあれだけの数を並べるのは少々不気味に思えたが、ご領主様のご依頼と聞いてつい張り切ってしまった。
子どもが怯えた時はてっきりお叱りを受けるかと思ったが、新たなご提案を頂けるとは。
ご領主様のご配慮に感謝して、次こそは失敗せぬように心せねば」