表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わがまま令嬢とその侍女  作者: たなぼた まち
侍女と執事の会議
83/120

03

 扉を開くとハロルドがいつもより眼光を鋭くしていた。

「皆さん勢ぞろいで、お待たせして申し訳なかったね」

 申し訳なさそうに思っていないロイドが綺麗な一礼をする。

 それを見て眉間に皺を寄せたのがガラだった。

「貴様、悪いと思っているのか」

「だから謝罪しているだろう?」

「あ?」

 椅子の付近に立つガラの額に青筋が立つ。

「ちょっとぉ、喧嘩なら外でやってよねぇ」

 椅子に腰かけたエリーが煩わしそうにガラとロイドを見上げる。

「はいはい、そこまでだ」

 向かい側の席に座っているボアズが柔らかな声で制止した為、ガラはふんっとそっぽを向いた。

「それにしてもぉ、ボアズがここにいるの珍しいねぇ。監視はいいのぉ?」

 アソラはエリーの隣に腰掛ける。

「あぁ、監視はデューラに頼んだよ。あいつはこういう場に来たがらないからな」

「ふぅん、まぁそっかぁ」

 ボアズの手により仕掛けられた大量の防犯カメラを目で追っているデューラは小さくくしゃみをした。

「ところでリーシャはいないの?」

 ロイドが問うとハロルドが口を開いた。

「あいつは今別件で行動中だ。それにリーシャは戦闘要員ではないからな」

 アソラはリーシャの隣にいる太陽のように笑う少年のことを思い浮かべた。

 彼は確か孤児だったはずだ。

 どこか帰る場所があるのだろうか。

「まぁ、他にもいない奴らちらほらいるみたいだしぃ。今回の仕事はこのメンバーでやるってことぉ?」

 エリーがハロルドに聞いたことでアソラの思考は仕事の方へと戻された。

「そうだ」

 ハロルドが答える。

「向こうは何人で来るのか分かっているのかね」

 ボアズの問いにハロルドは「最低三十人くらいだろう」と答える。

 それにため息をついたのは壁にもたれかかったロイドだった。

「最低が三十ね。いったいどのレベルの輩が来ることやら」

「雇われのごろつきみたいな奴らだったらいいけどぉ、特殊に訓練された元軍人とか薬効かないこと多いんだよねぇ」

 エリーの視線がアソラに向けられる。

「元軍人を何十人も集めることはできても、統率することは難しいと思う」

「……そういう視線じゃなかったんだけどぉ」

 アソラは首を傾げた。

「アソラの言うとおりだ」

 全員の視線がハロルドに集まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ