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わがまま令嬢とその侍女  作者: たなぼた まち
わがまま令嬢とわがまま子息
46/120

01

「……アソラ」

 今日も今日とてアソラを呼ぶが、その声量がいつもの比ではない程小さい。

「はい」

 少し離れたところで呼ばれたのでアソラはすぐにマリーに近寄る。

 天使のような愛らしい顔が、とても苦いお茶を飲んだような渋いことになっている。

「マリー様」

「……なによ」

「可愛らしいお顔が残念なことになっていますよ」

 アソラが自分の顔を可愛らしいと言ってくれたことにマリーは一瞬ときめき、嬉しそうにアソラを見たが、しかしこの後のことを考え、また渋い顔になってしまった。

 その一連の表情を見たアソラは、可愛らしい作戦は失敗だということを悟った。

「そんなに嫌ですか?」

 マリーが顔を顰める原因が来るまで三十分をきった。

「嫌よ。あいつ煩いもの」

 大きなため息がマリーから漏れる。

「体調が悪いって部屋に引き籠っていては駄目かしら」

「マリー様がそう仰るなら旦那様も無理は仰らないかと」

 そう声をかけるがマリーは一分ほど考え、頭を左右に振った。

「いや、それはなんか負けた気がする」

 何の勝ち負けなのか分からなかったが、アソラは「そうですか」と言った。

「早く帰ってくれることを祈るわ」


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