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わがまま令嬢とその侍女  作者: たなぼた まち
令嬢と侍女と新人
23/120

03

「本当は髪の毛を下ろしてほしいのに」

 昔を思い出していたアソラに、あのときより大きくなったマリーが声をかける。

「それは致しかねます。髪をまとめるのは侍女の決まりですので」

 アソラもエリーも、髪が長い侍女は髪を後ろに団子のようにまとめている。

 マリーは自分の隣にしゃがむように、アソラに指で指示する。

 言われた通りにアソラはマリーの横に膝まずく。

 マリーの白魚のような指がアソラの髪へ伸び、まとめているピンを抜く。

 黒い髪がはらはらとアソラの肩や背に落ちる。その一束を掬い、マリーはその美しさに目を細めた。他の色に染まることがないその色はまるでアソラのようで、アソラはマリーが誰であっても、アソラとして接してくれる。

「欲深い悪魔なのは誰なのかしらね」

 欲の無い瞳がマリーを見る。

「何か仰いましたか?」

「いえ、何にも」

「髪の毛、縛りなおしても?」

「まだ、ダメよ!」

 ローザに見られないことを祈りつつ、アソラはマリーの好きなようにさせた。


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